「共産党員じゃなくて良かった!」と思った瞬間
私は、若い頃、T大のK寮に住んでいました。
T大のKキャンパスは、戦前、全寮制の旧制高等学校だったところで、
K寮は大学の敷地内に有りました。
私は大学の学内で暮らしていました。
Kキャンパスには、裏門みたいなものがあり、そこを通ると、
渋谷まで歩いて十分くらい
です。
私は、よくセンター街に飯を食いに行っていました。
ある時、いつものように、裏門まで歩いて行くと、
今まで一度も閉じたことのない裏門が閉まっていました。
私は何も考えないで、サクッと裏門に登り、学外の道路に降り立ったのです。
そこには、私をビビらせるものがありました。
何だと思います?
そう、パトカーです。
覆面パトカーが隠れていたのです。
刑事が四人乗っていました。
いやあ、参りましたよ。私の行動は不審者そのものです。言い逃れ出来ません。
恐る恐る刑事を見ると、目が合いました。
刑事はどんな反応をしたと思います?
ヒント
私は刑事の表情で全てがわかりました。
答
刑事は私の顔を見て、
がっかりした
のです。
私の直感は、
公○だ!
と教えてくれました。
公○とは、
ネウヨがよく言う
共産主義国家の秘密警察
の日本版、
正確に言えば、
共産主義国家の秘密警察のモデル。
当然、ロシア革命よりも歴史が古く、
萩の乱や西南戦争を引き起こした組織の戦後版です。
ロシア革命も、日本の諜報機関が暗躍した
と言われています。
裏門をよじ登って降りて来た不審者に、職務質問をするのは、警察の務めです。
でも、私を逮捕しても、
利用価値がない
のです。
ネウヨが言うところの工作員
に私をしても、何も情報を持って来れないのです。
共産党員じゃないから。
学問の自由に守られているT大
に門を閉めさせて、そこに潜んでいたのですから、間違いなく秘密警察でしょう。
私がホッとした表情を浮かべたのか、
私が何に気付いているのか
刑事も理解したようで、
行け!
と私にサインを送ってきました。
「共産党員じゃなくて良かった!」
と、晴れ晴れとした気持ちで、私は渋谷の街まで繰り出すことができました。
秘密警察の話ですが、当然、事件が誘導されます。
次の日、
学外の政治団体がKキャンパスに現れ、
学内の政治団体がそれを迎え撃ち、乱闘になります。
出来レースっぽいですね。
ちなみに、迎え撃った学内の政治団体員で乱闘していた人に、
一人知り合いがいます。
朝鮮人差別をなくそうとする会
の所属員で、共産党を敵視していました。
この辺が、
ネウヨの主張で
へ?
となるところですね。
その会には、朝鮮系のT大生が所属していたのですが、
彼が朝鮮人かどうかはわかりません。
昨日の覆面パトカーは正門の外で待機していました。
今度は正門です。
乱闘は、外部団体が正門から侵入して、すぐに起きました。
出来レースっぽいですね。
まあ、パトカーの前で乱闘しているのだから、それしかないか!
そこに、Kキャンパスの学生自治会の委員長が現れ、
「暴力は止めろ!」
「暴力集団は学外へ出て行け!」
と、拡声器で叫んだのです。
ネウヨがよく言う
戦場で憲法9条を叫ぶ
に似ています。
戦場で憲法9条を叫んだ、その結果どうなったと思います?
秘密警察が突入して来ました。
誰を目指していたか、もう、お分かりですよね?
暴力を止めようとした自治会の委員長が逮捕されたのです。
逮捕された委員長も、私の知り合いです。
もう、お分かりですよね。彼が共産党員です。
逮捕された後、どうなったか?
ですか?
黙秘権を行使して、それで終わりです。翌日に釈放されました。
何事も無かった
扱いです。
大学からも、罰を受けていません。その後もT大のT寮で彼に会いました。
T大で暴力事件が起き、共産党員が逮捕された
それだけで良いのです。