母、静子と……
(母、静子と……)
「エジュリ、近頃調子いいんじゃないの?」
「何で?そんなこと云うの?分かる?」
「当り前よ、エジュリのことなら何でも分かるのよ、何年付き合っているのよ」
「13歳だから13年かな?」
「14年は一緒よ、お腹の中にいる時も一番のお付き合いなのよ……」
「そうか、そうだよね、産んでくれてありがとう!感謝しているわ」
「エジュリのそんな真面目に考えて、素直に受け取るところが一番いいのよ!
そして、お母さんが付けたエジュリ、つまり(偉い寿里)ってことネ」
「ふーん、そうなの? 私、反抗期ってあったの?」
「そうね、普通に3,4歳の時に思うようにならないと泣いて泣いて、泣きながら家出していたわよ。何回も探しに行ったわ、でもネ、後でどこに行くか分かったの」
「もしかして、すぐ近く? 隼人兄ちゃんの家でしょ?そんな気がするの?」
「そう、4歳離れているから、何でも聞いてくれたのでしょ!いつも、ケロリとして
何時までも遊んでいたわ……」
「ふーん、そうなのネ、今でも隼人兄ちゃん寿里のこと気を付けているみたい!」
「器械体操を進めたのでしょう?」
「そう、有難いと思っているわ、でもね、考えたのだけど、今の練習をしながら、体操クラブ教室に行ってもう少し極めたいのだけど……」
「賛成よ!」
「ほんと!嬉しい~」
「そんなの、分かっていたわよ!だって、今の高等部男子体操でしょう、床と跳馬は出来るけど、平均台と段違い平行棒はないからどうすのかな?と思っていたの」
「さすが、私の母、静子さんネ!ありがとう!だけど、あと一つ心配があるの」
「その心配って、もしかして、寿里のおかめ顔 でしょう?」
「そう、何故?そんなに分かるの?気持ち悪~」
「そんなこと全然心配いらないわよ、一芸に秀でたら顔もしまってきて、それなりに魅力ある顔になるの!」
「そうネ、いざと云う時は整形の道もあるし、とにかく元気が出たわ!」
「大丈夫よ!体操で体引き締めたら、きっとスタイルで素敵になるよ!」