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ジムナスティックス  作者: ときわ
11/11

体育館の華

(体育館の華)


今日は体育館のフロアーを全面使っての練習日である。


勿論、中学生で女子は一人だけ、後は高校生の部員と一緒に練習することになっている。


 宙返りなど、高校生に交っても引けを取らない、むしろ足の長い寿里は、軽やかさが目立ち、特に跳躍力は素晴らしいものであった。


 寿里は高校生の力強い動きと決断力のある動きに刺激され、益々実力がついて来たようである。


 ただ、男子の床運動はダイナミックな動きだけであるが、女子の床運動は音楽を使うため、

動きに合った曲が必要である。


早速隈隼人に相談していた。


早速、動きに合わせた曲を検討するために寿里の動きを見るために体育館に来ていた。


その隈隼人は寿里の動きを見ながら何度も寿里に動き方を問いただしながら話し合っている。


「最初は肝心だから、小刻みのナチュラルランニングでリズミカルな曲を付けてみようと思うんだ!」


「そう、寿里もそう考えているし、いつもやっている動作だから自信はありそう!」


「前転宙返りからすぐ開脚に移る動作まで二つの山があるように作曲してみるネ……

ちょっと動いてみて!」


寿里は隈から云われた通りに何回も繰り返して動いている。


「よし、これで行こう……最初のリズムが決まれば後は流れが決まるし、寿里の動きに沿って曲を作ってみる」と、云いながら体育館の隅にあるピアノに向かい自然に曲を弾いてみる。


そして、寿里に声をかける。


「動いてみて、動きに合わせて弾いてみるから……」と、声をかけると


「はーい、お願いします!」と、云って寿里が動き始める。


それを見ながら、隈は即興でピアノを奏でる。


 高等部のいつもの体育館の中がピアノの曲と動きが一体になって終わると、突然拍手が鳴り響く、「良いよ!良いよ!エジュリ!」と、体操部の高校生が声を出している。


寿里は安堵した笑顔を向けた。


「気持ちよかったわ~、先輩、有難う」隈に近寄って云うと


「先輩?か、初めて聞くぞ、アハハハ、兄ちゃんから急に先輩になったネ!寿里」


「うん、だって先輩だもん、今から先輩よ!」



それから、一時して寿里はりっぱな広い学園理事長室にいた。そこには理事長を始め中学等部の中等部学園長、新体操顧問だった中間綾、高等部器械体操顧問等、大勢集まっていた。


「宮崎寿里君、朗報だ! 中学生の体操強化選手に選ばれたと連絡が入ったのだよ!我が学園の大きな名誉になりますよ!これから頑張ってほしい」


理事長先生が一番に言いながら寿里に近寄って握手した。


 集まっている先生のみんな、拍手、拍手、拍手、でわき上がった。


寿里は実感がわかなかったが、これは嬉しい事なのだから喜ばなければならないのだ!と、とっさに感じて、出来る限りの良い顔で微笑んだ。


 新体操顧問の中間綾が「寿里は良くやったネ!努力していましたからね、メンタルが安定しているから大丈夫とは思っていたけど……器械体操に変更したのも良かったと思いますよ!」


 「有難うございます」と、云いながら(自分はこれからどうなるのだろう)と考えていた。


 

 今日も、寿里は床運動に励む姿があった。


もう、自分の知恵と力でイジメも無くなったし、あるのはオリンピックに向けて、目標が出来た。ただ、ひたすらに努力、努力と考えて動くと体が軽くなってきたようだ。


床運動の音楽は、幼馴染の高等部先輩が作曲してくれたもので、最高に自分の身体能力を生かしてくれる。


音楽に乗って寿里は体育館の華になっていた。



              完了


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