第一部:序章 紅い夢
いきなり、シリアスの2が来ちゃいましたorz
次回からは、ちゃんとコメディが来ます。
小学校低学年程の少年が普通の一軒家の前に立っている。
少年の髪型は、白髪半分、黒髪半分、とてもじゃないが、若白髪とは言えない程の白髪の量だ。
さっきまで遊んでいたのだろう。所々服には泥が付いていた。
友達と別れ、淋しげながらも満たされたような笑顔で少年は自分の家の玄関に手を掛けた。
その瞬間、少年の笑顔が凍り付く。なぜなら、少年にはまだ分からない本物の殺気伝わってきたからだ。
大人でも踏み込むのを躊躇うような殺気に少年は全く怯まずに玄関の扉を開け放った。
ここは――どこだ?
目の前が……紅い。
ああ、そうか、またこの夢か――。
俺は、以前住んでいた家――そしてまた住みはじめたこの家を進む。昔や現実とは違う紅く染まり、壁や床が割れぐちゃぐちゃになった廊下を進む。もう何度目だ? この夢を見るのは……。
結末なんか分かりきっているのに……。
それでも、夢の俺は、紅く血まみれになったボロボロの床を走る。
走っても結末は変わらないのに……。
間に合わないんだよ、父さんや、母さんは助からない。
夢の俺は、そんなことなど知るはずもなく、リビングへのドアを開ける。
「――っ!? 父さんっ、母さんっ!?」
目の前に広がっていた光景は、廊下と同じように紅く染まり、バラバラになった家具、陥没や亀裂の入った床や壁、ずっと住んでいた家とは思えない凄惨な姿だった。
そしてバラバラになった家具と一緒に中央に倒れている二つの身体。
この家を紅く染めたモノ――俺の両親……。
ほら、間に合わなかった。
当たり前だ。
過去は、変えられない。
この時、父さんや母さんが生きていたらどんなに良いか、いつもの悪戯の時のように笑って
「今、リフォーム中なんだ」って言っていたらどんなに良いか−−。
だけど、その”If”に意味はない。
過去は変えられないし、俺は二人が生きていたらなんて想像できない。生きていたら俺はきっとこんな道は歩まなかったはずだ。
「カッ! てこずらせやがって、だがまあまあ楽しめたぜ。さすがは俺様と同じ裏七闇家の二人だ」
「っ!?」
夢の俺が振り返った。
そこに立っていたのは、ニメートルを越える巨体、短い茶髪の青年だった。白いTシャツは紅く染まり手には刃渡り20センチ程のナイフを持っていた。
潰重 壊――俺の大切なモノをいくつも奪った男……そして――俺がついこの前、殺した男。
「お前が――殺したのか」
「あん? ああ、なんだ、ガキか。そういや言ってたなぁ。コイツらの子供が一人いるって。ざ〜ねん♪ チミのパパとママは、天国へ飛び立ちました♪ 解りまち――」
「黙れぇ! よくもっ! 父さんや母さんを!!」
潰重は、血の付いたナイフを軽く払いながら面倒臭そうに返事をし、夢の俺を視界に入れた瞬間、厭らしい笑みを浮かべ愉快そうに口を動かす。
夢の俺は散乱した家具の中から金属の棒を手に取り、短髪の男、潰重へと殴りかかった。
「あ? 殺すぞ、ガキが」
潰重は素手で受け止め、ドスの効いた声で脅す。夢の俺は、金属棒をすぐに引き、もう一度殴りかかった。
「もう一度言うぞ、ガキ。こ「夢違現っ!!」ろっ!? グッ」
潰重は、頭上からくる鋭い打ち込みを両腕で受け止めながら、最後の忠告を言おうとしたが受け止める瞬間に脇腹に衝撃を受け、顔をしかめた。
鋭いが視認できる程度の速さで打ち込み、相手が受け止める瞬間にできた隙間に打ち込み、ガードしている場所に再度打ち込む。
夢違現−−夢とは違う現実。
俺が最初に覚えた奥技。
「ガキイィィ、今のは、ちょっと効いたぜぇぇ。しかし――成る程、アイツが言っていたのはこのことか」
潰重は、脇腹を右手で押さえながら、それでもまだ笑って喋っている。しかし、夢の俺は、潰重の言葉に聞く耳を持たず、攻撃を続ける。
「天墜」
背の小さい夢の俺は、2メートルを超える男の肩口へ一撃を入れるために跳躍し、振りかぶって金属棒を垂直に潰重の肩口へ叩きつける。
「ガァッ、調子に乗るなよクソガキがぁああ!」
潰重は、叩きつけられた金蔵棒を掴みそのまま、夢の俺ごと壁へと、投げつける。
「ウアッ」
夢の俺は、呻き声を上げながらも、再び潰重に殴りかかる。
――ずっと繰り返し観た夢、この先どうなるかも簡単にわかる。
「ハッ、この程度で俺様を殺せると思ってるのか? 笑わせる」
潰重は、殴りかかる夢の俺に左手をかざす。その左手に何か透明な炎のようなモノが揺らめき、次の瞬間、夢の俺は何かに弾かれたかのように、再度壁へと叩きつけられる。しかし、今度のは、先程の投げられた時とは比べ物にならない程の威力だ。
「グアッ」
夢の俺は倒れたまま、痙攣して動かない。――否、動けない。懸命に立ち上がろうと手を動かすがやっと指先が動く程度だ。金属棒は、再度叩きつけられた時に手放し、今は指先から1,2メートルは、離れたところに転がっている。
「じゃあな、クソガキ。あっちで、パパやママと遊んでるんだな」
潰重は夢の俺の近くに立ち、頭に手をかざし再び透明な何かが揺らめく。
「さようなら、不幸な少年」
そこで、世界が変わる――。潰重が、夢の俺が、グチャグチャになった家が混ざり合い黒く染まっていく。
そして、俺は目が覚めた。
五:小説初めて書くのにいきなり、戦闘シーンを書いた愚者、五色影でございます。
煌:稚拙という言葉すらもったいない文章力で何やっとるか
五:すいません。ここは、ボクがある程度力がついたら改訂するんでご了承下ださい
煌:ちゃんと力付くといいがな
五:ウッシャ、次からコメディいくぞ、コメディ! っつーかテメエ設定とキャラ違うんだよ。
煌:次回も、よろしくお願いします
五:無視!?