表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/22

見たもの、それは予想以上

シルエットを頼りに見つけた人は、確にライト様だった。

しかし、まるで別人かと思うほど、彼とその周りの状況は酷いものだった。


彼は、服の大半を赤く染め、周りの敵と思われる人は既に息絶えている。それだけなら私も驚くことはない。しかし、死体の腹部は中が見える程荒らされ、彼が自分の顔にかかったと思われる返り血を舐めていれば、いくら血を見慣れていても流石に驚く。


「ライト、様…」


どのような状況なのですか?

そう聞こうとしたが、それ以上声を出すことは出来なかった。


「ミーナ、走ってきたのですか?お疲れ様でした。でも、この通り、もう終わったので大丈夫ですよ。」


「ぁ…」


いつも通りの笑顔を浮かべて近づいてくるライト様に、少しだけ心が落ち着いたが、相変わらず声を出すことは出来ない。


(おい、大丈夫か?)


大丈夫なわけがない!今何をすべきなのか頭が回らない。


ライト様の"中"のことについて確認しなきゃ。騎士団の皆を呼んで、足下の味方の回収もしないと。いや、ここは危険かもしれない?


もうわけがわからない。心の準備はしてきたつもりだったが、実際こうなると、そんなものは意味の無いことだった。


「ミーナ?」


(早く聞けよー。もし何かしてきても、オレは準備できてるぜ。)


「……わかった。」


「え?」


ライト様の疑問を無視して、大きく深呼吸をする。


「ライト様、足下の敵をその様な状態にしたのはあなたですか、それとも、"中のもの"ですか?」


「なぜ…そのことを、」

「"中のもの" だったらどうするんだ?」


「っ!」


今、確に殺気を感じた。


「私が人ではないと断言できるか?私がライトではないとなぜ言える?見た目はそのままだというのに。」


わかるに決まっている。口調、雰囲気がまるで違う。今の彼をライト様と言うのは無理があるだろう。それに、


(どう考えてもオレと同じ部類のやつだろ。)


レイもこう言っている。


(でも、まずいな。国王様の意志が全く感じられない。そいつは、言葉通り乗っ取ってる。)


「あなたは…なんですか。ライト様を返してください。」


「ん?私か?私は、」


彼は、不敵な笑みを浮かべて言う。


「死神だ。」











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ