確かめる術
「ちょっと、レイが出るって…そんなに危険なやつなの?」
「中のやつにもいろいろいる。それに、どうやって中にいるかにもよるしな。」
「どうって、勝手にいるだけでしょ。あんただって、私の中に突然来たんだし。」
レイは、まだ私が12歳の時に、朝起きたらいた。特に身体に異変があったわけではなく、なんとなく、何かが私の中にいる、と思った。皆(といっても、どのくらいいるのかわからない)は違うのだろうか?
「オレたちは、実は特殊だ。なんでかはよくわからないが…。だいたいは、契約をするのが普通なんだ。まあ、たまに意気投合して一体化してるやつもいるらしいけどな。」
「ふーん。よくわかんないけど…、とりあえず、ライト様のこと確かめたい。」
もしそうなら、私のことも隠さなくていいかも。
「そうだな。勝負する機会があればな。もしくは、近くでアイツの戦ってるところが見れればわかるだろ。」
「うーん、あるかなぁ?」
そもそも、ライト様と手合わせすることはほぼないし、誰かが攻めてくるという事もあまり無い。ってことは、確かめられる機会は当分無いことになる。
「仕方ないか。機会がきたら確かめよう!」
「てか、そろそろ帰ろうぜ。おまえ、食いすぎ。オレの金が無くなるだろ。」
「えっ!?…あぁ、本当だ。でも、お詫びなんだからいいでしょ。さあ、帰ろ!中に戻って。」
「えー、もう?」
「ところでさ、アイツのことわかったらどうするんだ?自分のことも言うのか?」
「そのうちは言うけど、すぐには言わないと思う。びっくりさせてしまうだろうから。それに…」
「好きだから、嫌われたくない?」
「ち、違う!そういうんじゃないから!ほら、早く中に戻って!!城に着いちゃうでしょ!」
「わかったよ。」
びっくりした。突然変なこと言ってくるのはやめて欲しい。ありもしない事を言われるのは、反応に困る。ライト様は命の恩人であって、好きとかそういうのとは違う。それに、私は…
「ミーナさん、戻られましたか!」
いろいろ考えていたら、城に着いていたらしい。門番の人に声をかけられて気づいた。なんだか、すごく慌てている様子だ。
「あの、何かあったんですか?」
「今、騎士団の方々が、突然攻めてきた隣国の騎士と戦っています!!」