手合わせ終了
受けたのはいいけど、やっぱりやめとくべきだったかもしれない。
私ミーナ、ただ今大苦戦中。ライト様相手の手合わせなんて、まだ受けるべきじゃなかった。でも、あそこで断ったら、弱い人みたいで嫌だったから、仕方がない。それにしても、なんでこの人、こんなに強いの!?私は、ほぼ毎日稽古しかしてないから強いと思うけど、ライト様は、国王としての仕事もあるはず。それなのに、どうしたらこんなに強くなれるの!?
「おや?動きが鈍くなってきましたよ、ミーナ。」
「くっ、そんなこと、ないです!」
キンキンと剣と剣のぶつかり合う音。回を重ねるごとに重くなる一撃。少しでも気を抜いてしまったら、剣を飛ばされてしまいそうだ。
「さすがは、団長。相変わらずお強いですね・・・。」
「それはあなたもでしょう。まだ、話せる余裕があるみたいですし。でも・・・それもここまで、です。私もそろそろ本気を出しましょう。はっ!」
「っ!」
ガキンッ、と今までにないひときわ大きな音。それとともに、飛ばされる剣。さっきまで手にあった、確かな重みが消える。さらに、周りの声が大きくなったのは、勝敗が決まったことを意味している。
「お疲れ様でした。なかなかでしたね。前より強くなったと思いますよ!」
「はぁ、ありがとうございます。でも、結局負けましたから、強くなったかどうかわかりません。」
「いいえ。前は、すぐに倒れてしまっていましたが、今回は、あと一歩だったじゃないですか。」
「そうですけど・・・。」
「では、私は仕事が残っているので失礼します。また後で来ますから、皆さんも稽古のほう頑張ってくださいね。」
「やっぱり団長は強いな。」
「さすが、憧れの的だな。」
「しかも、国王と団長を両立しているし。」
「いやー団長はすごい!」
「もう!そこ、団長団長うるさいです!稽古始めますよ!ここからは、団長じゃなくて、副団長の私とベイナール様の指示に従ってくださいね!!」
―*―*―*―*―*―*―
「また勝てなかった・・・。」
(ほんと、剣を飛ばされるなんてありえねぇ。ちゃんと持っとけよ。てゆーか、あの攻撃は避けるべきだろ。なんで受けようとしたんだ?)
「うーるーさーいー。わかってるよ!あの時は、そこまで頭が回らなかったの!もう、レイのばか!なんで忘れかけてたのに思い出させんの!?」
(忘れんの早いな・・・。まあ、悪い。ほら、なんかおごってやるから機嫌直せよ。)
「・・・本当?なんでもいい?」
(も、もちろんだ。そのかわり、"外"に出せよ?)
やはりライトは強いみたいです。ライトは金髪です。すごいサラサラ(たぶん)
ベイナールは茶髪、レイは黒。そんなかんじです。