謎だらけ
「死神…?」
(死神…。国王様じゃなく、死神様ってとこか。どうする、ミーナ。こいつ結構やばそうだぜ。)
「どうするって…」
ようやく正体がわかったのはいいが、死神って何だ?鎌でも出してくるのだろうか。そんな物は持ってそうにないけど。だか、人ではない限り可能性はゼロではない。そうなれば、レイの力を借りても厳しいかもしれない。私の武器は長剣と短剣、それぞれ一本ずつのみだ。
「待て待て。私は貴様らとやり合う気は無い。敵ではないからな。」
「そんなの…信じられない。」
足下にある死体を作ったのは死神だろう。敵視しないほうが無理である。
「まあ、どちらでもよい。さて、そろそろ戻るとするか。こいつは私が出るのを嫌がっているようだからな。」
「ちょっ、待って!」
私が言い終える前に、彼は戻ってしまったらしい。声をかけると、ライト様の声が返ってきた。
「あ…戻りましたか…。ミーナ、すみません。」
「ライト様…。あの、彼は、」
「その話は後でしましょう。とりあえず、これをどうにかしないといけません。皆を呼んできましょう。」
こんな時でも、ライト様は冷静だった。
いや、そう見えるように努めていた。
それなら、私も冷静にならないといけないだろう。
「…そうですね。呼んできます。」
(何だかよくわかんねぇな。意志を乗っ取るとか…。)
本当に、その通りだ。