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アンネリーゼとお義母様~ダメパパ放置します!~  作者: 渡 幸美


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4/12

4.やっぱり何かがおかしい

そしてその絆されどうこうの心配は、嵐の前に飛ばされる。


「いや~ん、本当にかわいい!やだもう、この世界はイケメン美女しかいないの?や、アンネリーゼちゃんはまだ美少女ね。いや、美幼女?どっちでもいっか!ね、ね、アンネリーゼちゃん、気づいた?わたしたち、リーゼ、って同じなのよ?リーゼちゃんって呼んでもいい?わたしのことはリズで!どう?ママでもいいわよ!キャッ!なんてね!早いかしら?」


え、えぇ~~っと?

自分の部屋に案内されたリーゼロッテは、わたしと早く遊びたいと言って、楽なデイドレスに着替え、すぐにわたしの部屋に突進、いや、訪れてきた。そしてその私は今、リーゼロッテにぎゅうぎゅうに抱き締められている状態だ。く、苦しい。


「お嬢様、いえ、奥様。地が出過ぎでございます。アンネリーゼお嬢様もそこのマリアンも大変困惑しております。そしてアンネリーゼお嬢様が苦しそうです。さらに3歳のお子様に言葉を投げかけすぎです」

「はっ!つい!リーゼちゃんのかわいらしさに当てられて!」


リーゼロッテが公爵家から連れてきた侍女…エリーに窘められて、リーゼロッテは腕を緩めた。ほっ。


「アンネリーゼお嬢様、申し訳ございません。うちのお嬢…奥様は少々変わっておりまして」

「今から慣れてもらえれば誤魔化せるかなと思って」

「また勝手なことを……」


エリーは額に手をあてて、やれやれと言わんばかりに項垂れる。ちなみに、マリアンは驚き過ぎて固まっている。


アンネリーゼ戦記にこんな愉快なやり取りなんてあったっけ?いや、何度も読み込んだのよ、なかったわ。それにエリー。彼女も出て来ないはず。確か誰もが嫌がって、いろいろな理由をつけて、公爵令嬢なのにリーゼロッテは一人で嫁いできたのだ。この時点で、物語とちょっと違う。


「あ~、でもリーゼちゃん本当にかわいい。放っておけるとか、マジ信じられない」

「ですから奥様。話し方」

「あ、あにょっ。り、リーゼかわいいれすか?」


怒涛のように語られたけれど、リーゼロッテの本心を確かめたくて、確認してみる。それに、この話し方って。

リーゼロッテは「かわいすぎて腰が砕けるぅ」と悶えた後、私に向かってにっこりと答えた。


「あっ、リーゼちゃんて呼んでもいい感じかな?かっっっっわいいわよぅ!宇宙一!」

「奥様。うちゅういち、とは?」

「あ~、宇宙は宇宙よ!世界より広いのよ!」

「はあ……。申し訳ございません、アンネリーゼお嬢様。奥様がお嬢様をかわいいと思っているのは本当ですよ。マリアンさんもごめんなさいね。後で説明させてもらえるかしら」

「は、はい!」


これは……確定だよね。


ぐいっと聞いてしまおう。


「ねぇ、りじゅしゃんもてんせいしゃ?」


わたしの言葉に、今度は二人が固まった。 


その後、常に一緒にいることになるマリアンとエリーも交えて、リーゼロッテと私は前世持ちであると話をした。エリーはリーゼロッテのことを聞いていたらしくて、すんなりと、マリアンも驚きつつも受け入れてくれた。


「最近のお嬢様は大人しいなと思っていたんです」

「うちの奥様は人格が変わりすぎて信じざるを得ませんでしたよ」

「ひどっ」


ただ、リーゼロッテはアンネリーゼ戦記は読んだことがないらしく、意地悪継母ポジにショックを受けていた。


「この、かわいいリーゼたんを虐める…?ありえん!例え同情する立場のリーゼロッテであっても、ありえん!」

「まあ、しょれでも?わたしはりじゅより年上だったし、がんばれるけど?」

「くぅ~っ!そんな舌足らずでツンツンされてもかわいいだけなんですけど!頼りないだろうけど、ママ業も頑張るからね。一緒に幸せになろう?」


リーゼロッテはまた私をぎゅっとする。子育てしたかったんだって。リーゼロッテのぎゅーには愛情がたっぷり感じられて、3歳のわたしが顔を出してきて、とても満たされた気持ちになる。


「せっかく子どもなんだから、子ども時代を楽しもうよ、リーゼ」


リーゼロッテが優しく微笑む。


その瞬間に、私の何かがかたっと崩れたのが分かった。……きっと、いい意味で。


「ふ、ふぇぇ~、り、りじゅママってよんでっ、いい?」

「当たり前じゃない、わたしのリーゼ」


ほっとして身体に引っ張られて、もう完全に気持ちは3歳児だ。涙腺が簡単に大崩壊だ。「わああん!」と、リーゼロッテにしがみつく。リーゼロッテは優しく背中を擦ってくれる。


気を張っていても怖かった。前世でいくら耐えたといっても、あの痛みをまた味わうのは怖かったんだよ、私。


マリアンとエリーも優しく見守ってくれている。


マリアンにも、辛い思いをさせずに済んで、本当に良かった。



……そういえば、私が聖女のチカラに目覚めるのは、リーゼロッテから私を庇ったマリアンが大怪我をしたからだったけど……と、頭をふっと過ったけど。


そんな未来はきっと来ない。


聖女がどうなるか、とか一瞬考えたけど。


いいや、3歳だし。まだ、3歳で。

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