煙の向こうで観覧車は煌めいていた
冬の朝
ホテルの窓から遠景を望む
昨日の夜に棲息していたのは
あの辺りだろうか
眼下を探してみても
煌びやかな灯やネオンは鳴りを潜め
モノクロの塊が並ぶだけ
もう日は昇って
燦燦と朝の光が降り注いでいるのに
土曜の朝は
行きかう人はまばらで
電車だって
まるで過疎に陥ったみたいに
拍子抜けするくらいの空腹で
視界の右から左へと
横切って行った
ゴタゴタしている平日をなんとかやり過ごし
はめを外し過ぎた夜をしょい込んだ私は
その帰結として
こうして外を眺めてため息をつく
すると、追い打ちを掛ける様に
間抜けないびきが耳朶を打ち
私の心はますます苦くなる
まったくどうしたものかと
目を伏せると
もくもく白い煙が
屋上から上がっていた
あれは湯気なのだろうか
だとしたら
街はやっぱり目覚めていて
今日の支度を始めているのか
そうだな
そうだね
仕方ないから
私もどうにかこうにか
気を取り直して
朝の支度を始めよう
ついでにあいつの分の
コーヒーも淹れてやるか
そうやってもう一度目を上げたら
煙の向こうで
朝日に煌めいている
観覧車が見えた
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