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心の奥  作者: 遠藤 敦子
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 今日の夜ご飯をどうしようかなと考えながら、私は大学から家に歩いて帰宅していた。その道中にパン屋があり、おいしそうな香りにつられて入ってみる。ゆったりしたおしゃれな雰囲気で働いている人たちの雰囲気も良さそうだ。くるみパンとメロンパンを買って帰ったけれど、入り口のドアに


 アルバイトスタッフ募集中

 製造/レジ

 時給1100円〜

 8:30〜20:30の間で3時間、週2以上入れる方歓迎!

 学生さんや主婦さん活躍中!


 と書かれた貼り紙が貼ってあるのを見つけた。左下に「応募はこちらから」とQRコード付きで書かれており、私はそれを自分のスマートフォンで読み込んでみる。ちょうどアルバイト先を探していた私としてはタイミングが良かったのだ。

 アイナビバイトというアルバイト求人サイトに行き、そこから必要事項を入力して求人に応募する。するとすぐに

梅岡(うめおか)(めぐみ)様のお電話でお間違いないでしょうか。私、マーメイドベーカリーの店長の小出(こいで)と申します。アルバイトの求人に応募いただいた件でのご連絡なんですけれども、ぜひ梅岡様に面接にお越しいただきたく……」

 と、店長を名乗る女性から面接の日程調整に関する電話がかかってきた。私は大学からもらった手帳とにらめっこし、いくつか面接の日程を提示する。では5日後にお越しくださいとのことで、面接日が決まった。そんなすぐに面接することになるとは思わず、私は驚く。


     *


 面接当日を迎え、私は白い襟付きのシャツと黒いパンツを身にまとい、黒いスニーカーを履く。髪の毛は後ろの低い位置で1つ結びにし、後れ毛が出ないようにする。爪(マニキュアもジェルネイルもしていない素爪)もなるべく白い部分がはみ出さないよう短く切った。筆記用具と透明のクリアファイルに入れた履歴書とメモ帳をバッグに入れ、面接時間の10分前にはお店に到着するように家を出る。

「こんにちは。14時から面接することになっている梅岡です。小出様いらっしゃいますか?」

 私は近くにいたスタッフさんに声をかけ、店長を呼んでくるのでしばらく待つよう言われた。すると小出さんが出てきて、私をバックヤードに案内してくれる。ここで面接を行うらしい。簡単に自己紹介をし、小出さんに履歴書を手渡しした。面接では、

「他にもパン屋さんがたくさんある中で、なぜマーメイドベーカリーを選ばれたんですか?」

 と聞かれる。

「以前お客さんとして貴店に来たことがありますが、雰囲気やスタッフの方の対応が良く、貴店で働きたいと思いました」

 と答えるも、緊張していてあまりうまくできた気がしなかった。これは落ちたかなと思う。私は小出さんとの面接を終えた後、不採用だった時に備えて他のパン屋さんの求人も見ようと決めた。

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