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No.8遊びは終い、映る世界はもう曇らない

( ):区切り上せざるを得ないけど、文字数は一律にしたいところ。

⬜︎






あの後、どうしたのか自分でも覚えていない。錯乱しかけた頭の中で、とにかく必死に走った。走って、走って、走って……そして辿り着いた。まだ1日程度しか使っていないこの洞窟。



なのにそれは憔悴仕切った私に安心と、落ち着きを与えてくれた。転送場所の小さな洞窟まで戻り、身を縮める。今は、食事を必要としないこの身が好ましかった。



あの時、私は肉体変形を行使した。それで、自分を分子レベルにまで分解させて、それで分解されている脳が限界に達して意識を失う直前までそうしていた。



要はジョジ⚪︎のスティッキー・フィンガーで体を分割したようなものだ。わからなかったら、体を粒子状に分解したと解釈してくれればいい。



だとしても、あの時の分解レベルは尋常じゃなかったけれど。正直に言って、今、私があれをまたできるとは思わない。



「……っ、……っは……」



あのまま意識を失っていたらどちらにせよ私は死んでいた。どうしてあんな危険な賭けに出ようと思ちゃのかわからない。……けれど結果として、こうして私は生き延びた。



そして、理解した。



ここは、私がヘラヘラ笑いながら生き残れる場所じゃない。夢ではないと思っていたはずなのに、結局はどこかで自分は大丈夫などとゲームをやっているような感覚で生きていた。



「……甘かった。そうだね、そうだったみたいだ」



そんな甘くて縋っていたい夢は虎の覇気によって砕け散った。



知ってしまったのだ。ここは、地獄だと。もう、私は逃げられず、絶えず生きるか死ぬかの究極の2択に飛び込み続けるしかない。



どちらがどの場所に行き着くかわからない中、常に2本の分かれ道を正解の方に突き進むしかないのだ。一度でも間違えれば、呆気なく……死ぬ。



「……さいあく」



そして、あの時私は悟った。鼓動が、いやでも知らせてきた。私は何がなんでも死にたくない。今もまた、生きたいと願った瞬間、冷め切ったこの体に脈打ち、鼓動した。



だから、私は死なない。生きてみせるさ。もうこれは、ゲームじゃない。立派な立派な……反吐が出るような生存競争だ。原始的で、単純で、血に塗れたサバイバル。



虎さんや。いや、体色的に白虎と呼ばせてもらおう。私は生きるよ。あなたに教えてもらった。だから、絶対に、




勝つ。完膚なきまでに。



罠でも奇襲でもなんでも使ってやるさ。卑怯?よろしい、ならば正々堂々やってくたばりなさい。私は生存競争はそんなご立派なものじゃないと考える。



「価値観の強要はよくないからねー……は、は。…あー。駄目だ。笑えない」



まぁ、あの感じはどっちにしろ倒さないとダメだろうし、ゆっくり倒し方を考えるさ。



さて、覚悟は決めた。物語の勇者はみんな高尚な信念があるんだろう。だから私もそれにあやかろうと思う。そう、何をやっても生き残るっていう、信念をね。そんなものは信念じゃないっていう人も多いだろう。それならこっちはこう言おう。



「私の生き方は私が決める」



ってね。これが法に縛られた現代社会なら、こちらが合わせなければならないでしょうね。でも、ここはもう原始世界。法に縛られた社会のメリットを私は受けない代わりに、私は私の思想を押し通せる。押し通して見せる。



やるべきことは見えた。今はただ、力を蓄える。虎は私を見逃した。きっとあいつは私を見抜いてた。でも、見逃したってんなら今はその事実に安堵しよう。それで、その事実から貴方を倒すという事実を作ってやるさ。……ふぅ。極限の状況で、少し疲れた。今日は、一先ず、寝、と……し……







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