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対策対策

⭐︎⭐︎⭐︎ 【延戦刀士】 オール・フォルタム






ザクリ、ザクリ。



「……」

『……』




ザクっザクっ。



「お、オー、ル?」



『あぁ……(諦観)』



ふっふっふ。そうそう、こういうのだよ。



今、私たちは森のとある一角にいる。特に木が密集しているわけでもなく、開けているわけでもない。ただ、強いて言えば……、その辺が大体()()()()()()()()()というところか。もちろん、これは全部私がやったことだ。ベフェマもヴェイガーもやってはいない。というか引いてる。完全にこれは引いてる目だよ。特にヴェイガーなんかさっきまであった信用してますオーラが消えそうになってる。



まぁ、いきなりこんな状況なってたらそりゃどうしてこうなったってなるわな。あっちの2人はもう事情を把握してる上で引いてるんだから理解が足りてないんだね。全く、これが一番いい方法なのに……あぁ、そうだそうだ。何があったか、だね。



少し長くなるけど、まぁ昨日決めた捜索を実行した結果、今のこの行動に行き着いたのさぁ。






⬜︎







ヴェイガーを仲間として加えた後。私たちは改めてざっくりとした方針からより細かい方針を決めている最中だった。とはいえ、白虎に関する詳しい情報はまだない。



強いて言えばベフェマが白虎が光っている時に触ると消滅するかもしれないとは言っていたが、よくわからないしそもそも触れただけで消えるとかどんなチートだよって思うし、ちょっとそれだけじゃ条件が不明すぎて脅威度を正しく測れない。




というわけで、白虎の観察という名の戦力調査をすることになったわけだ。そしてそうと決まれば話は早い。一度休んで、次の日から白虎の捜索を開始する。でも、見つかったら即死なので、『気配感知』などは綿密に行うこと。



という感じで始まった今日からの捜索。まぁ分かってはいたけど、彼方に見つからずに此方だけ観察するなんてのは難易度が超高い。私は望遠鏡をそれっぽい感じで変成できたからいいけど、他の2人は自前の技術でなんとかするしかない。



『……いや、そもそも望遠鏡なんて使えないーの』



とは、念の為望遠鏡を複製して持っていくかと問うた時のベフェマの反応である。因みにその後ろでは私が腕から望遠鏡を作った攻撃に若干……いや、かなり戦慄していたヴェイガーが顔を引き攣らせながら首を振っていた。あの顔はトラウマ刻んだな。ふっ、また私の存在が他者に強く残ってしまったか……。美少女は辛いぜ。



さて、そういう刻み方するんじゃないという苦言にはスルーをしつつ、望遠鏡を使えないというのなら仕方ない。え?お前は美少女じゃない?ははは腐敗した(汚物)は洗浄せなばならないなぁ?後で洗濯物体験会だな。こう、ドラム洗濯でぐるりぐるぐる、と。



まぁベフェマもヴェイガーも手がないと使えないし、しょうがないわな。でも、ベフェマは素の隠密能力が高いからね。そういう面での信頼はしているさ。まぁ、ヴェイガー君はそれもないからちょっと今回では活躍できなさそうだけど。



とにかく、ベフェマが隠密で『気配感知』を使いながら地上から捜索。私が望遠鏡で遠くから捜索。ヴェイガーは周りのスキルでの雑音にしかなり得ない雑魚を蹴散らしてもらうという方針で固まった。



そして、実際に捜索を開始してから早二時間。



「……なんでこういう時に限っていないのさ」



そう、全く見当たらない。遠目にどっかで見たことある木相手に無双してるヴェイガーや、馬鹿みたいに厳つい体躯をした熊さんの横を目の前から当たり前のように過ぎていくベフェマは見かけたけど、肝心のバチバチ言ってる白い虎さんは全く見当たらない。



「これやっぱ物欲センサーあるでしょ」



くっ、やはり先に「見つかるはずないやー」と考えておかなければ目視することは叶わないのか……っ!うーん、いやそんなジンクスとか信じたりはしないんだけどなぁ。やっぱ物欲の女神いるよね?というか物欲っていうか欲望自体の神がいるのでは?知らんけど。私あんまり神話詳しくないんだよねー(棒)。厨二病とか経験ないっすね、はい。



「……このままだと見つからなそうだなぁ。流石に考えが甘かったかな?でも他にいい案とかなかったしなぁ。うーん。まとりあえずー、一回招集し」



『オールさん!やばい、やばい〜の!!』



「て?」



これは、ベフェマの念話かぁ。うん、焦ってるってことはなんかあったんだね、まぁクソ雑魚基礎体力のベフェマだし看破能力に優れた魔物にでも見つかっ



『白虎!!白虎いますーのぉおおおお!!?』



「なんなのこの展開?」



『いぃいいやぁあああああ?!?掠った!!掠ったーのぉお!!』



『ヴェイガーーーーっっ!!出番!早速出番きたよ!近くいるんだからなんとかしてぇええ!!』



『ちょっ、まっ、え、こ、この、流れで!?お、俺?!無理無理無理無理!!』



『えぇい、逃げるな!チャージ!チャージ!チャージ!!』



『それ玉砕も同然なのぉ!!』



『と、という、か!!オール、も!た、助けっ!??』



『びゃあああぁぁぁあああ……!??』



……一応、言っておこう。今の会話は全て念話という距離を置いても使える通信で行われた会話がゆえに、私は現場をよくは把握していないが……。



「なんでバレてるのさぁっ……!」



とにかく速攻で現場に向かってあいつらを回収せねば。ベフェマの隠密能力を看破されてるってことは、やっぱり白虎なんだろうなぁ。あぁ、うん。正直言って体が震える。トラウマなんだよぉ……。でも、やるしかない。一応こうなった時の保険はあるし、最悪でも逃げることはできるはず。でも、万が一を考えて此方も救助に向かおうか。



「この位置からすると……あの辺りだね?」



事前にどのあたりを探索するかは決めておいた。だから、ベフェマが今いるあたりは把握……しているはず。それに、あの調子だとヴェイガーも見つかっているはず。どっちも見つかってるってことは……まぁ、向かうしかないよね。臨戦態勢のまま丘を飛び降り、森の中を突っ切る。



「……」



きしょい色の林の中を通りながらも、到着した時にありえるケースを考えておく。今は通信が途絶えているが、まぁそんな余裕もないってことでしょう。あるいは……まぁ、それはないかな。保険用意しといたし。そして、保険を使ってるなら通信が出来ないのも辻褄が合う。



「……ここからは隠密行動だね。ベフェマが保険を使ってるなら、私には見えるはず」



そうして隠れながらも歩き続けて数分後。不意に極大の悪寒を感じて即座に存在感を消す。自然と一体化するように、肉体変成も駆使して可能な限り自然に隠れる。



ーー

種族:雲耀虎光   Lv:125/125(MAX)


状態:通常 ランク:A +


称号:【無尽爪拳士:Lv9】 副:【輝光術師:LvMAX】


HP:245 MP:592


STR:481 VIT:188 AGI:1023 INT:601 MND:190 DEX:333


技能:『粉塵圏LvMAX』『斬塵圏LvMAX』『残塵圏LvMAX』『連打連撃Lv9』『ゴゥジ・ガトリングLv4』『秒割・六十:LvMAX』『省:LvMAX』『光魔法:Lv5』『光無効:Lv--』『光明転身:LvMAX』『貴き光:Lv2』『知覚同調:Lv3』『拳術:LvMAX』『ホワイトアウト:Lv7』『物理耐性:Lv1』『魔法耐性:Lv5』『身命:Lv2』『魔蔵:Lv5』『天走Lv1』『護法:Lv4』『エンジェルラダーLv4』『神速の一閃Lv8』

ーー



『条件を満たしました。特典『分析』レベルがMAXへ上昇しました。』

『条件を満たしました。特典『分析』が特典『解析』へ変化しました。』




『……』



直後、目の前に光が着地した。虎の形をした光は、そのまま周囲を見渡して少し首を傾げた後……コマ落としか何かのように消えていた。まるで元から何もいなかったかのように。



「……はぁっ、はぁっ」



ほんの少しの極小の音で、息を荒らげる。トラウマを刺激された。やはり、いた。



前とは全く違う姿。物理的な体ですらなかろうと、はっきりとわかる。それが、白虎だと。私が用意しておいた気配遮断用のパターンに肉体変成しておかなければ、後一瞬でも遅れれば勘づかれて終わっていたのは私だった。……、これはまだ調査の最初だってのに、先が思いやられる。



……ひとまずは、ステータスだけでも見れておけたのをよしとしよう。なんか上がったけどちょっと今はそれより先にやらないといけないことがあるから。



『お、オールさーん……』



念話とは明確に違う、脳ではなく心に響くような声がした。ということは……。



「ここにいたんだね。……保険を使えていたようで何より」



少し離れた木の根の方に、そうとわかっていなければ判別できないだろうほどの違和感があった。違和感は程なくしてペロリと剥がれ、布のようになっていたそれを押し除けてベフェマが出てきた。……あと後ろから水みたいになったヴェイガーも。まぁ元が水だからできるんだろうけどさぁ……。人間やめすぎだろ。今更か。



『ふぃー。間一髪でこの布使えたからよかったーの。それにしてもこれすごく使えるーの』



「それは何より。記憶掘り起こして熱遮断とか電気遮断とか、気配を感じるにあたって必要になるだろうなーって思うやつは全部遮るやつだからね、それ」



いや、ほんと苦労した。別に記憶力がいいわけでもないから必死こいて人間が気配を感じるのはなぜかーみたいな記事の内容掘り起こして、それを遮るにはどうしたらいいかーってんを捻り出した結果ですから。



「まぁでも、正直三割くらいは機能しないかもと思ってた」



『!??』



「……マジ、かぁ……」



『全幅の信頼を寄せていた布が急に穴だらけの継ぎはぎ布に見えてきたーの』



ま、まぁ!なんとかなったしいいじゃないか!今を乗り切れりゃとりまよし!!さぁ気分を乗り換えて対策を始めよう!



「そういうわけでなんか案ない?」



「何が、そういうわけ?」



『あぁ、オールさんの病気なーの、これは。わたしが会った時にはもう手遅れだったーの』



「おい、処置なし、みたいな顔で呆れるのやめろください。それは置いといて、見たんでしょ?白虎。どんな感じだったかなんか情報ある?」



『うーん。最初の方は隠れたまんま観察できたけど、とりあえずオールさんに報告しようとして『念話』使おうとした瞬間にバレたーの。あれは絶対スキル持ってるーの』



なるほど。バレたのはあっちの看破能力がただ高かったというわけではないと。それもこっちが確認した瞬間にあっちも気づいたとかいうわけでもないなら、案外常識的な範疇にあるのかな?



⚪︎コマ落としのように急に現れる超スピードとかの次元を超えた移動。

⚪︎バカみたいに規模が大きい光の柱(複数あります)。

⚪︎あからさまに「物理攻撃効きません」みたいな顔した光の肉体。



どれもこれも常識天元突破してるなぁ!




『まぁ、常識天元突破はあのレベルでは当たり前だからなーの』



「???」



「常識は破るもの、とな……」



「え、っと。話が、つか、めない、ぞ?」



『まぁつまり、白虎はとんでもなく強いっていうことの再確認なーの!』



「あぁ、それ、なら、わかる。俺、も、不死鳥、と戦った、からな」



「『なんだって?』」



「っ!??え、あ、っと。っすぅー……。言って、なかった、か、な?」



「言ってないよお馬鹿さん!」



『お説教の刑なーの!』



「……(゜ω゜)」



なんつー顔してんのさ……。まぁその話は置いといてー。



「うーん。でもまぁ、いける気もするんだよなぁ」



『それって、白虎討伐に関してなーの?マジなーの?本気と書いてマジと読むあれなーの?』



「うん。はめ殺しすればいける」



ベフェマ、「この人の頭もしかして人のそれじゃない?」みたいな顔されても反応に困るだけだよ。勝てるならなんでもいいじゃぁないかぁ!!だって、青龍が全力でよくわかんない覚醒パワー使っても勝てなかったんだから、あぁいえ違います。勝ったんです。決してあと一歩のところで気絶したとかそんな事実ありません。デマですそんなの。



あー、でとにかく青龍と同格の白虎は……まぁ予想通りであれば、意思とかなはないはず。なんせあったら前回私たちが戦った……あれ戦いだったか?まぁとにかく戦った時にあんな好奇心に任せて私の行動を見逃すみたいなことしないでしょう。



それは、より純粋になったということであり……相手の経験がない状態が故に、罠にかけやすいという話でもある。



「まぁ青龍があんな流暢に喋ってたから白虎も同程度の知性を持ってる……って考えるのは早計だからなぁ。何より、白虎は明らかに自分の感情だけで動いてる節がある。打算とかなさそう、というかあれはほぼないんだよね」




『えー……と?つまりー、白虎は純粋で青龍ほど賢くないから、罠にはめ殺しできる、と?……いや想像したのわたしだけどそれナチュラルに外道行為しようとしてないなーの?』



「いくら、生存優先とは、いえ……それは、ちょっと」



「えぇー?外道かぁ?今までの私の行動を見てきた上で……」



⚪︎開幕添い寝宣言。

⚪︎初対面からほぼ脅迫じみた協力をさせる。



アウトだったよ。法律を瓦割りするように破砕してて草。



「信用ゼロじゃないか。好感度マイナスかな?」



『え、今更なーの?いや好感度は高いけど信用はないでしょなーの』



「同意、だ、な?」



あ、好感度はあるんだ。よかった。うーん。



「よし、つき抜けちゃえ!」



『更なる外道行為を宣言したーのこの人!?』



「人道を、直角に曲がっ、て、いくタイプ、か……」



あぁー好感度が削れる音がするー。でも仕方ない。生きるためには犠牲が必要なんだよ!



「ま外道云々はみんな今更だからとりあえず作戦説明します」



『まるでわたしたちも外道みたいに言うの止めるーの』



「法律は、守る、ために、ある。破る、違う。いや、マジで」



「ひどい言われようだな!?後でこりゃ会議だな……さて、説明を始めます」



さて、まずは話し始めるとしたら、まぁ私がさっき見たステータス結果を共有してからのほうがいいかな。



「えー。まぁ結論から言おう。このまんまだと勝てません!あいつの速度千を超えてました!捉えらるわけないね、なんつーチートだ全く」



『んー。やっぱりなのねー。だから進化が必要ってことなーのー』



「……まぁ、予想通り、だな」



うんうん、流石に今の状態で勝てるとは思わんよなぁ。私だって準備ができてないこの状態でトラウマに挑むとか絶対お断りだし。断固拒否だよんなもん。



「はい、と言うわけでそんなやべー超越者に立ち向かうには二つの手段があります。一つ、ベフェマの言う通り進化すること。基礎能力を上げると言うわけだ。そして二つ。私たちが知性ある存在だからこそ知恵を絞って策を使ってあいつを倒す」



『まぁ、道理なーの。……はめ殺しはちょっと、いやかなりどうかと思うけどなーの』



「……まぁ、予想通り、だな」



「と言うわけで私の提案はこの二つ、どっちもやろうと言う提案。まぁ言ってみればいつも通りだね!ヴェイガーは初めてだけど」



『できることなんて限られてるしねー、なーの。わたしは異論ないなーの。外道なのは色んな異論ありだけど、なーの』



「……俺は、そちら、に、従う。ここ、で、自分の、意見、出すほど、愚か、違う」



「なんでヴェイガーはカタコトになりかけてるんかねー?まぁ同意してくれるなら詳しく説明を開始しよう。まずは罠作りからだね。白虎との決戦場の作成をするよ。これに関しては私が適任だから、どこか適当な場所に作っておく。ここは任せてほしい」



『あいよー、なーの』



「そして、私が戦場を完成させる間に、2人はレベル上げしといて。ベフェマは奇襲なら大体の奴はワンパンできるだろうし、ヴェイガーは普通に強いから」



『適当なーの……』



「……まぁ、単純、で、いいな?」



「そして完成したらこっちから呼ぶから、そのあとは皆んなでレベル上げさぁー」



「なん、か。ず、さん?では?」



『ヴェイガーさん、この人は考えてるようで考えてないから九割九分九厘聞き流すのが定石なーの』



「そ、れ、聞く意味、ある?」



なんて奴らだ。人の話を聞かないなんて最近のやつはなっとらん。この私がせっかく最高の作戦を立てていると言うのに。



「じゃぁそう言うわけだからとりあえず2人は狩りに行ってきてー」



『え、どこに戦場を作るーの?』



「さぁ、とりあえず狩りに行こう!!」



『……人の話を無視するななーの』



時には聞き流した方がいいこともあるよね!!!



「マジ、なは、なし、どこ、作る?」



「ん?そうだねぇ……じゃぁ、私がさっきまでいた丘のところに作ろうかな。あそこなら森にもなってるし、高台だからできることもある。案内するからちょっとついてきてよ」




と言うわけでみんなで一緒に移動すること十数分。さっき走ってきた時とは違い、まぁ遅くはないけど歩く程度の速度だったからそこそこかかった移動時間の途中で、私はさっき進化した技能の、というか特典の『解析』について内容を確認していた。



『特典『解析』:視界内に存在する生物、非生物問わずそれらの情報を開示する。但し、情報開示を指定した存在が自分よりもステータス、もしくは技能で上回っているほど『解析』成功確率は下がり、成功時の情報開示率が下がる。その性質上、非生物、即ちステータスを持たぬものは無条件で完全な情報開示に成功する。尚、特典『解析』は常時アップデートを続けているため、表記が自動的に変化することがある。』


『『解析』。知識と対象の特徴をすり合わせ、対象の情報を推測し、組み立て、対象を解析する人間の心を映し出した特典。それは言葉を交わし、会話を元に相手の思考を推測していた『分析』よりも、より発展した特典。人の本性を恐れ、危険を避けたいという臆病な心の現れである。』




『解析』。私が最初期から持っていた最古のスキル、『分析』の進化した姿。基本的には。グレードアップしたということでいいのだろうけれど……。



「臆病、かぁ……」



『?どうしたーの』



「臆病、とは?」



「いやいや、なんでもないっす」



笑って誤魔化しながら、考える。私が私を理解するのは、大事なことだから。



考える間に、丘に辿り着いた。きっと便利なのだろう進化した特典は、それまで安らぎを与えてきたとは打って変わって、私に何故か暗雲を運んできていた。それでも、周りに不安を持たせるわけにはいかないから。表面上では、ヘラヘラしながら私は作業を開始した。



「お、オール……?」



『あぁ……(諦観)』



いつも通りの景色と、何かを訴える私の心と共に。






きっと、その正体は近いうちにわかるだろう。

Tips:『解析』

長い期間を過ごして、よりオールの本質に近く表し始めたスキル。生きることを目的とし、それと共に仲間との日常を望むオールに心の深層領域の断片を直視させる。それは、封印した過去の開示にも近いこと。ワンが己ごと閉じ込めた記憶を開ける行為にも近しいことである。

Tips:特典

特典。それは、なんの能力も持たない元人間たちの生存を少しだが上げるためのお助け能力、の、訳がない。この箱庭を作った存在たちはそのような優しさなど持ち合わせていない。

もう一度言おう。特典とは、お助け能力などではない。それは、生存者たちの心を映すもの。それは、【神道】へ彼らを誘うもの。オールに夢であった女性は言った。君なら【神道】に届くと。それは、オールの本質が故ではない。この特典が存在するからである。

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