No.61 拝啓、今尚淀み行く貴方へ 其の十六
⭐︎⭐︎⭐︎ 【延戦刀士】 オール・フォルタム
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種族:柳風青龍 Lv125/125(MAX)
状態:通常 ランク:A +
称号:【気象予報士:Lv9】 副:【上級道士Lv9】 STC:
HP:348/1530 MP:765/1530
STR:991 VIT:847 AGI:633 INT:1037 MND:753 DEX:520
技能:『天気予報Lv8』『暴風魔術Lv7』『雨乞いLv5』『斬鉄爪LvMAX』『大剣術Lv4』『天龍圏・荒れ野原』『代行権限Lv--』『ヘビィボンバーLv5』『薙ぎ払いLv3』『噛みつきLv6』『雷魔術Lv3』『落雷Lv5』『竜鱗Lv9』『金魔法Lv7』『暴風耐性Lv6』『斬撃耐性Lv4』『物理耐性Lv6』『魔法耐性Lv5』『雷耐性Lv3』『悪纏香Lv2』『衝撃波Lv8』『強力Lv8』『堅牢Lv5』『疾走Lv9』『護法Lv7』『技巧Lv3』『増命Lv6』『増魔Lv7』『魔道Lv8』『勝利の風Lv7』『敗北の飄風Lv4』『HP高速回復Lv1』『MP高速回復Lv3』『自己再生Lv8』『MP消費緩和Lv6』『気配感知Lv5』『気配隠蔽Lv4』『魔法感知Lv3』『天宝肢体Lv2』『守護者Lv--』『念話LvMAX』
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やはりステータスの差はとてつもなく大きい。だが、今の私にはそれよりもはるかに大事なことがあった。ベフェマの体に触れてみる。まだ暖かいその体は、いつも触れていたようにふさふさとしている。
触っていると泣きそうになってしまう。今はそんな場合ではないというのに、堪えきれない。きっと、今の私は過去最大で愚かな行動をとっていることだろう。敵前で隙を晒しているのだから。
それなのに、青龍はこちらを攻撃してこない。それくらいの配慮はしてくれたのか。こんな状況で言うべきことではなかろうが、待ってくれることがありがたいことだ。あぁ、このやるせない気持ちは目の前の龍が原因なのだから純粋な感謝とはならないがな。
「-----」
声にならない声が漏れる。目が、正常に作動しているのに前が見えない。
…。今の心境をどう表せばいいものか。暗くて、どろどろしてる暗い怒り。苛立たしいとも言えるし、悲しいとも言える。それでも言えることは一つ。今のこの怒りは、とにかく目の前の相手にぶつけりゃいい。
「------」
そうだ、とにかく今はこいつぶっ倒そう。
『効かぬよ』
真正面。銃で牽制、動きを絞った上で一番入りやすい傷へ刀を差し込む……、なんてことは読まれてるだろう。だからそう見せかけて目を狙い、しかして見事に弾かれた。
身体能力にやはりというべきか大きすぎる差が存在する。でもまぁ、それでも逃げたりはしない。どうせこの迷宮からは脱しないといけないし、何より、私自身気づいていなかったが、生存欲求と比較してもあまり遜色ない程にまで大きく、私にとってベフェマ……というより、彼女と過ごした時間は楽しかった。
手のかかる子供のような扱いをしていたような気で、結構私の方が手を焼かせていたりしていた、なんていうそんな生活が好きだった。ただ生きているだけではそれこそ死んでいるようなもの。そう思って、ただ生きるだけでは行けないと思って、一緒に旅をし始めただけだったのに。
笑えてしまう。そんな小さなことが、いつのまにか手放し難い大切な思い出になっていた。もう二度と会うことはない、家族と過ごしていたような気分で。
「嬉しかったんだ」
失って初めて気づくなんとやら。
『っ……凄まじいな。近寄りがたい……が、それでも我は責任を持って、貴様と正面からぶつかってやろう!』
刀、右狙い。無抵抗読みでフェイクの口内狙いの銃弾に紛れて捩じ込むように刀で切る。
『……っ、ここにきて技術が上がっている……!ほ、本当に、我の予想を超えてくるな……!』
刀ですら見切られていた、ので急遽本命を変更。銃弾を口内と見せかけ抉れてる首近くの肉。トリックショット、命中。傷、多少。刀なら、いける?
だんだん思考が機械的になっていく。同時に意識が暗闇に呑まれていく。いつか見た光景だ。これは……緋血猩々の時のと同じ……つまり、動いているけど意識はなくなりかけている……?
暗くてよく見えない視界の中、少しだが見える自分の動きは、一人称の視点だとしてもわかるほど目に見えて熟達した存在の動きであり、普段の私のパフォーマンスを遥かに超えていた。
っ……だいぶ見えないな。視界がぼやけて見える。ほとんど目を閉じた時とおんなじような視界だ。
--また自分の出番か?
誰だろう。暗い海のような視界の中で、誰かが底に座っている……?
--はぁ。だから他者などと馴れ合うべきではないのだ。無駄に情を移しすぎだ。
……あんたなんかに何がわかるのさ。こっちだって、今辛いときなんだよ。労われよ。
--仮にも半身のお前のことを、自分が理解できないとでも?それに、貴様がこれから眠りにつくだろうから、代わりに自分がその皺寄せに対応するのだぞ?充分労わっているだろう。
……なにそれ。あんたが代わりにやってくれるの?じゃあお願いしようかな。
--元々今の状況では自分に拒否権などないのだ。せいぜい貴様が奴との関係に終止符を打てるよう場を整えるぐらいだな。では、行ってくる。
閉じかけの視界がとらえたのは、水底で立ち上がった暗い人影。私と似たような体格の彼女は、手に、刀をも、って……?




