No.39どうも、さっきぶり
( ):え?まさか今日の分投稿したとか勘違いしていたやつがいるだなんて、まさかwおいおい、そんなパンにジャムの代わりにふりかけかけるよりも笑えないジョークはよせよジョニーはっはっは。
(裏):ジョニーってだれだよ。
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「あー……私、生きてるー?」
『声が出てるなら元気なーのー……』
墜落して、落ちた鳥の影に隠れた私と、鳥から再び光の粒子として戻ってきたベフェマでなんとか鳥を盾にして乗り切れた。とはいえ、あのままでは普通に落下死しそうだったので肉体強度的に滑空が限界だった翼を作って凌いだが。
「……うん、何はともあれ生き残ってよかった。選択してくれて助かったよ」
『…………う、ん』
「?どうしたの」
『……いえ、ちょっと嬉しかったので、あ、なーの』
「……ふーん。死にかけたのに嬉しいとはまた異なことを。それはそうと、今回はすまなかった」
『え、なんでなーの?』
「私が城を見たいからって、好奇心で危険な目に合わせて申し訳ない。好奇心猫を殺すとはまさにこのことだったね」
『……、いえ、いらないなーの。わたしも興味はあったし、何よりわたしも城に行くことを許容したなーの』
「そう、か……よし!湿ったい話はここまでだ!ポジティブに考えよう。あそこであいつの姿、その能力の一端がわかったからね!ひとまずは、戦力増強に努めつつ、対策を立てるとしよう」
『……いぇす、まぁむ!』
「さて、そうなるとやっぱり今の私たちでは絶対にあの龍には敵わない。もう一度進化してからがいいだろうね」
『のっ。進化しても敵うかは微妙だけど……、種族次第では目もありますーの』
「そうだね。そういうことだから……早速経験値稼ぎと行こうかな?」
『……オールさん『気配感知』のスキルレベルはそんな高くないなのよね?なんでわたしより先に把握してるーの、野生の勘なの、蛮族なーの」
失礼な。私は清く正しい現代人だぞ。そんな勘は鋭くないぞ……多分。なんとなく何かいるなーってわかる気がするのは気のせいだ。
「グゥゥウ……」
ん……あの狼、何処かで見た気が……あっ、そうだ。あいつ私がこの箱庭に死霊として転生?した時に会敵した記念すべき二匹目の狼に似てる。そういえばあの狼地面に耳だけ出したまま埋めて置いたまんまだったな。今頃どうなってんだろ?
『まぁ、やることに変わりはないなーの。はい『強制同調』どーん……ってあれ!?うそ、通じてない!?スキル進化して失敗する確率は下がったはずなのにぃ??!』
うっそぉ。もしかしてあの狼強い?……あー、そういえば、そうだった。ここって私たちより格上が闊歩しているんだった。ベフェマの『強制同調』が壊れすぎていて忘れていた。
『ど、どうしましょうなーの!?わたし、何すればーー』
「ステイステイ。君の持ち札は何もそれだけじゃない。冷静になって、ほら」
『ぁ……』
そうか、ベフェマは今まで『強制同調』が完全にいなかったものはほぼいなかったろうからな。しかも、スキル進化してその強化具合を目の当たりにして、よりそれに頼るようになったのだろう。そんな時に、こう言ってはなんだが強敵ではない相手に当たり前のように『強制同調』を防がれたらまぁ揺らぐものがあるわな。
でも、だからこそこれは必要なんだろうな。スキルに頼ることは間違ってないし、頼るべきだろう。でも、依存までしちゃあだめなんだろうな。だから、ここでこのことを発見できたのは喜ばしい、ね。まぁベフェマからしたら敗走直後にこんなダメ出しなんてたまったものではないだろうけどね。
……あとで、必要ならメンタルケアをしておこう。私がやって効果を得られるかはわからないけど、嫌だからね、ベフェマに精神的傷を与えるなんて。
「自分をしっかり持ちなさい。君はスキルがなければ何もできない弱者ではない。積み重ねてきたその軌跡の結晶こそがそのビルドだ。君が紡いできた選択を見くびるなよ」
『ッ、わたしは……いえ、なんでもないなーの。頑張るなーの』
……。何か、地雷を踏んでしまっただろうか?私としては励ましたかっただけなのだが……。
『それじゃあ、わたしは奇襲のために別行動するーの。陽動をお願いするーの』
もう、先程までの悔しそうな暗い顔はない。まぁ蛇顔だから表情読み取りずらいけどさ。……私の発言でありそうなのは弱者?何もできない、ってところか?あとは積み重ねとか?……うーん、わからない、わからないけど、放置はできないな。あとで事情聴取か。
「……何れであろうと、今生き残れたらのお話だ。そういうわけで、君も土へと還ってくれ」
まずは銃で牽制射撃……っちょぉ!?
「グルゥア!?」
いきなり眼前に現れた狼に咄嗟に反射で発砲はできたものの、傷は浅い。怯ませたけど、おそらく純粋な肉体性能でここまで来たこいつ相手に肉弾戦は反応速度で劣るだろうからまずい、かな。
攻撃とかが上回っているだけならいいんだけど……、速度なら別なんだよね。だってタコ殴りにされるし、反撃もままならない。そんな相手にはとにかく遠距離からなぶり殺す。
え?外道?何言ってるかわかんないなー。勝てばよかろうなのだぁ!
そうと決まれば続く狼の攻撃はいなしてその勢いのまま後ろへ飛び退く。『風水刀然』に統合はされたけど、やっぱり『枯葉舞』自体は使えるみたいだね。
よし、距離は取った。そしたら今度はあの捉え切るだけで難しいワンコロ共の動きを把握しないとなんだけど……
『ーー『不意討ち』』
「ゴッ!?」
充分だね。ベフェマにちょうどいいタイミングで動きを止めてもらった狼一号をご臨終。そして突然現れたベフェマにびっくりした狼2号もさよならバイバイ。冥界にご招待だ。え、そんなのいらない?残念、強制です。
『条件を満たしました。個体名:オール・フォルタムの種族レベルが34から35へ上昇しました』
おっし、あと2体。さらにレベルも上がった。種族レベル全然上がらないから助かるね。そして……薄々気づいてたけど、君が指揮官だね?統率されてるわけだ。
「グゥゥウ……」
私の視線が集中されてることに気づいたんだろう。指揮官狼が悔しげに口を歪める。驚いたな、意外と知能が高いのか。まぁ、知能が高かろうが、もっと活かせないと意味ないんだけどね。
『どこ見てるーの、『不意討ち』』
その時に、いつのまにか気配を消していたベフェマが再び指揮官狼の後ろに出現。そのまま首筋を噛みちぎった。
血をダラダラ流してそのまま息絶えた指揮官狼。それを見た残った狼は尻尾を巻いて逃げていった。辞書に載せられそうだな。例として。
「……ベフェマ、大丈夫かい?さっきはまずいことを言って悪かった。……できれば、何が悪かったのか教えてくれないかい?」
『……あー、あれはちょっと自分の不甲斐なさを悔しく思っただけなーの。自分の問題だから、オールさんが何かする必要はないーの。でも、気にかけてくれて嬉しいなーの』
それだけとは思えないんだが……、うん、ベフェマが話したくないというのならば、いずれ彼女が教えてくれるまで待つべきか。
「そっか。そしたら、ご飯は抱えて、拠点に戻ろうか。今日はいろいろあったからね。早めに休みましょう」
『……あいあい、キャプテンなーの』
「そこは閣下と」
『キャプテンの方がいいなーのー』
ざんねーん。
まぁ、そうして歩くことしばし。
「おー、森が見えてきたぜぃー」
『鳥さんがいればもっと早くつけたのに、なーの……』
ないものねだりはしゃーないからね。こういう時に限ってなぜ出ない鶏肉。
「森ー、モリー、もりもりー……ん?」
ふと上を見上げたら、真上に渦巻雲があった。うん、なんでぇ?




