No.37柳の龍
( ):恐らく33から35まで新しく追加されています。理由は投稿ミスです。
(裏):まだの人はそっちからどうぞなのですわ。
( ):キャラが変わっている……じゃなくて、そういうわけで三日追加したのでちょっち三日投稿は休ませて欲しく……。
(裏):なんで自己中な奴なんだ……。
◆
「きょぁああ……」
最後にそう鳴いて崩れ落ちた怪鳥、もとい鶏肉orベフェマの憑依体。ちなみにこの怪鳥、私たちがここに来た最初の敵と同種だ。あいつらが複数で行動した時の厄介さと、その飛翔性能を加味して、単独行動している怪鳥を仕留めさせてもらった。
『……ごくり』
ベフェマ!?食べないよね?!ちょっ、流石にそこまで野生化進んでたか?!ていうか野生化ってなんだ?なんでそうなるんだ!!?
『……はっ!そ、それでは『強制同調』はじめますーの!』
私のゴミを見る目に気がついたのか、びくりと身を震わせたベフェマ。そんな彼女は次の瞬間光の集合体となって怪鳥の傷口へと吸い込まれていく。
光が傷口に触れると怪鳥の裂傷が塞がり……しばらくすると、閉じていた怪鳥の目が光を灯して開いた。
「きょあー?」
『ちょっ、これどうなってるーの?なんか視線の場所が変わった気がするけど……なーの』
「……おぉう」
なんか今までは蛇の鳴き声がなかったから聞きづらかったが、鳥の姿となると鳴きながらになるのか。
『おぉ!体がかるいーの!今なら文字通り空を飛べるーの!!』
「ちょっ、ばか!翼バッサバッサするな!当たる、当たるぅわぶっ!?」
『あ、ごめーん⭐︎なーの』
ははははは、私は大人だからね?怒らない、怒らないとも!相手は高校生だ!未成年相手にガチギレするほど大人気なくないからなぁ!!
『待って!?まつーの!!早まるなください!ないから、目にハイライトがないからなーのぉ!!?』
何を言っているんだベフェマ。私はこんなにも冷静だぞ?今も手折れそうな翼を優しく摩ってやってるじゃないかぁ。
『痛い!?折れる、折れちゃうぅ??!』
「仕方ない、私も度量が広いからね」
『いや年下にガチギレしてる時点で器狭「んんん???」なんでもないなーの!!』
はっはっは………聞かなかったことにしてやる。
「……まぁ、その様子だと飛ぶのは問題ないんだね?」
『ばっちこーい!なーの。これならオールさんを乗せても問題ないなーの』
それは朗報だ。これなら移動時間は大幅短縮できるし、天空城塞にもたどり着けるだろう。
「むむむ……それなら、さ。試運転も兼ねて」
上を指差して打診する。
「あの城、見るだけみてみない?あの雲の、中からさ」
ごくり、とベフェマが鳥の姿で喉を鳴らす。その顔は驚愕に満ちている。
『まじなーの……?』
「うん。今ベフェマが憑依しているその鳥は、あの中に侵入できるための高度にまで到達できるかはまだわかっていない。もしダメなら、これからの準備期間にまた別の憑依体を探さないといけないしね」
『……まぁ、一理はあるけど……でも、それにしたってもう少し後でもいいんじゃないなーの?』
「それもそうなんだよねー……。安全策を取るならそっちがいいんだよなー。ただ、この城塞、動かないとは限らないでしょ?」
『それは……あぁ、ラピュ⚪︎だからねなーの。』
「実際今もさっきより東に城の影は動いている。こういう検証自体が限られた機会しか得られないと思うからさー」
『うーん。そうなんだよなー、なーの』
「ま、ちょっと見てみるだけだから、大丈夫っしょ」
『え、いやそれフラグーー』
「さぁ行こうか!レッツゴー!!」
◆
「うっひょーーい!」
『いやー、これは確かに壮観なーのー』
見渡す限りに一面荒野。赤黒く照らされたそれは、今は小さくなっている。
そう、ここはすでに標高200メートル以上。渦巻雲は既に近く大きくなっている。
「やっぱりこの雲に入るには上から行くしかないのかな?」
『そうみたいなーの。他の側面も見てみたけど、ダメ見たいなーの。一面分厚い雲なーの。これは周りの普通の雲を抜けて上から行くしかなさそうなーの』
きょえぇ、と気の抜ける声で鳴いてベフェマが答える。今のところはベフェマが墜落する様子もない。ここから雲を抜ける時に、無事に抜けられるといいけど……。
『そろそろ渦巻く雲の周りにある雲に突入なーの。シートベルトをしっかり着用するなーの』
「キャビンアテンダントですかって……」
おっと、そんなこと考えてたら雲に入った。う、ちょっと寒いか?感覚死んでるからわからんけど。雨みたいな水が顔にかかって少し鬱陶しいな……。
『はいっ、雲上到達ー!』
「おー、流石に雲の上は……うん、赤黒いねー。爽やかさが全くない。どうなってんだこれ」
見渡せば一面の雲海。壮観だねー。……これさっきも言わなかったっけ?
それはまぁいい。目標がついに見えたね。目の前にあるのは渦巻雲、の上部。そして、そこから覗く微かな城の影……。
『……あ、あのー。もうこの高度でもわたしが飛べることは確認できたし、もう戻ってもいいんじゃないなー?』
「ばかねベフェマ。ここまで来たらちょっと見ようとは思いませんこと?天空城ですわよ?ファンタジー代表なんですわよ?それに、敵情視察は必須なのですわ、れっきとした戦略的行動なのですわ。のっと物欲」
『溢れんばかりの物欲に塗れてますーのー』
くっ、だって見てみたいんだもん!安全も大事だけど人生には彩りも必要なんだよぉっ!私人生終了してるけどなぁ!!
『はぁー……仕方ないなーの。わたしもオールさんが生きやすいように助けたいだけなーの。……そんなに行きたいなのね?』
「いぇす、まぁむ!」
『……ふぅ、了解なーの。本当にちょっとなーのー』
しゃぁおらぁ!
『ほら、もう上に到達したなーの。ここからならよく、見え……!?』
「え、どうした、って……あー、まじか」
視界に入ったものを見て、ほんの一瞬だけ停止する。心臓がなった気がした。だって、あんまりにも想像と合致する姿だったから。その覇気すらも、あの白い虎と同質のもので。
笑ってしまう。あー……そっか、徘徊型か。油断してた。
『オールさん、あれって、あれって……!!』
「そうだね、ベフェマ。言いたいことはわかるけど、今はとにかく退避するよ。『強制同調』解除の準備はしておいて。さぁ早く!』
ベフェマの背中から下を覗けば、何が居るのかすぐにわかった。
それは、長い体を持っていた。
それは、鮮やかなまでの青と周りに緑のオーラを纏っていた。
それは、それは何よりも強いという自負を持つが故の気高い目を持っていた。
すぐにわかった。こいつがーー青龍だ。
「死ぬ気で行くよ!ベフェマ!」
理解した瞬間に、この場の絶対強者が天に吠えた。
( ):ということですついにご登場、ラストダンジョン徘徊型魔王こと柳風青龍。
(裏):いや、でも今は戦力的に敵わないんだろ?
( ):はい、そりゃもう勿論。ですので、この場で最善の行動を選ばなければ、オールたちは瞬殺です。
(裏):えぐぅい……。
( ):あ、話は変わるんですが、オールの感覚は基本的に機能しているものが視覚と聴覚以外は結構曖昧です。設定的に。なので、うん?こいつこの感覚死んでたんじゃ?って思っても受け流してください。
(裏):ガバいの?ちゃんと設定練ってるの?
( ):……さて、どちらでしょう。
Tips:柳風青龍
撃破目標のうち一つ。実力は未知数。しかし、現段階でオールらよりも圧倒的に強いことはわかっている。天候を操る力などが確認されている。鬱病患者です。王者っぽい雰囲気してますけど、そういうことだってある。そうでしょう?
(裏):誰に同意求めてんのさ……。




