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No.3ぶいえす!ぺんぐぃん!

⬜︎◆




「ペァアアアアアァァ!!」


「待って待って待って待ってぇ?!」



現場からお送りしています!えー現在、私はやばばい魔物と交戦しております!やばい、じゃないです。やばばいなんです。ビッグとビッガーみたいな関係性のですよ!何言ってんだテメ!?




とにかく、応援を要請したい!はぁあ!?お前ぼっちだから応援なんてないよだぁ!?ぼ、ぼぼぼーぼぼーぼぼっちじゃねーし!?どもりすぎてたどっかで聞いたことある漫画の名前出ちゃったし!!




状況を説明しよう。いいですか?落ち着いて聞いてください。……私はいま、ペンギンと交戦していた。私が外に出ようと洞窟から這い出たその場所は、そこもまた洞窟であった。そして、便宜上本洞窟と呼ぶけれど、そこに私が出た時、こいつは本洞窟を拠点にしていたのだ。具体的には食事をしていた。



うん、まず突っ込みたいけど、なんで洞窟でペンギンいるの?南極へお帰り?驚愕のあまりじーっと見てしまったよ。真顔で。



そしたら、あっちも口を真っ赤なトマトソース()で汚しながらこっちを見てきたの。



やばくね?ペンギンのつぶらな瞳と鮮やかな赤い嘴。うん、普通にホラーだね?水族館へお帰り?



もうね、殺人鬼に出くわしたような感じだった。まさに目と目が合うっ⭐︎、ってやつだったね。




まぁでも、私は理性的かつ頭のいいお方なので、立ち直った私が無言で外に行こうとした。そしたら、どうやら乙女なペンギンははしたないところを見せてしまったのが恥ずかしかったらしく翼バッサバッサしながら追っかけてきたのだ。



ホラーゲームのチェイスシーンも真っ青だよ。迫力満載だよ。こえーよ。



何が怖いって、あれを喰らえばお母様からいただくビンタ百発分はあるだろう。つまり頭はドパンッ!である。




で、現在に戻ってくるんだけど、当然、そんなものを食らうわけにもいかず『静流水』で流しているけどいつまでもこんなんではいられまい。



初見殺しがあっても困る。ということで貴様の手札全部日の下に晒してやる!天日干しだ分析ィッ!!




『ステータス分析に失敗しました。』



はーっつっかえ……いえなんでもないですよ?ただちょっと肝心なところでそれどうなん?とは思ったりしましたけどね?ええ、ハイ。




まぁ、これで私が諦めると思ったら大間違い。効かないなら効くまで連打じゃぁ!分析!分析ィッ!!分析ァ!(Analyze )



______

種族;ケブペンギン  Lv6/13


状態:通常  ランク:D-


称号: SCT:


HP:20 MP:20

STR:20 VIT:20 AGI:20 INT:20 MNG:20 DEX:20

技能:『潜水Lv5』『風衝Lv1』

_____



よっし効いた!そして雑っ!なにさオールステータス20て。20日誕生日なんですか?おめでとう今日が君の命日だ!多分今日20日じゃないけど!そもそもここ暦なんてねーけど!




というか潜水ってなにさ。なんでバチボコに洞窟生活してる奴が水に潜るの?使い所なくない……?まぁそっちはいい。




問題はこっち。風衝だ。どう言う効果かいまいちわからない。と、言いたいところだが分析さん……?私、わかるんです。



これ、風ぶっ飛ばして相手ぶっどばすんでしょ?



『対象情報の完全開示には合致している情報が不足しています。限定開示を行いますか?』



「……………」




私はキョドッた。情報ください。




『技能『風衝』:風を全◼︎に◼︎い、敵からの◼︎◼︎を◼︎御する。』





むむむ……やっぱ肝心なとこがないなぁ……でも、受身だよな、敵からの、って。ってことは防御系?それなら防御『一定量の情報が合致しました。技能『風衝』の情報を開示します。』ねんばー?!



『技能『風衝』:風を全身に纏い、敵からの攻撃を防御する。』



急に出てこないでよウィンドウ……びっくりするじゃん…まぁ、それはいい。でもやっぱり防御なんだ。初見殺しじゃなくてよかった。




というかまんま鎧じゃん。どっちにしろ知れてよかったね。クックック……ペンギンくぅん……?君の手札はもうからっからに干されちゃったよ?干しすぎてお日様の匂いがするくらいにねぇ!



あれ?それっていいことじゃね?いやいやいや違う違う。



ふっ。私もいつまでもやられっぱなしは嫌でね。分析で能力値はわかっている。スキルも問題は風衝のみ。それもさっさとやればいい以上……負ける要因がないよねぇ?



「やってやるぞー!オラオラオラオラオラオラァッ!」



「ペァッ!?」




風衝が発動する前にさっさと殴って畳み掛ける。無事はないので拳はないが、代わりにスタープラ⚪︎ナのように超高速パワー連打する。




「ヘイヘーイ!体力が一割を切ったんじゃないかい?それじゃあワンパンできるかな?『死閃』!」




技能の光をともした拳がペンギンのお腹にブッ刺さる。そして、ペンギンはぐらりと揺らぎ、倒れた。……ひぅー。いや、倒せたのもスキル検証できたのもよかった。




拳もペンギンさん柔らかかったので血とかは出てない。そもそも血が通ってなさそうだけど。




私が言いたいのはそこじゃない。こうも軽々と敵を倒せてしまった自分に対して感じることがあるのだ。こんなことになっているのはなんでなんだろうなぁ……(遠い目)。




「ーーーアァッ!!」



倒したはずのペンギンが急にグインッと起き上がって頭突きしてきた。避けられなかった私は綺麗にぶっ飛んだ。そして頭から地面に逝った。




うん、着ている服ワンピースだからあれだね。淑女として見せてはいけない格好だね。



「っつぁあい!?」



超速で頭をズボッと出してペンギンを確認してみる。よかった、見られてはいない。見てたら殺すところだったよ。見てなくても殺すけど。それにしても、彼のすでに体はボロボロだ。ペンギンさんはなぜ立っているのだろうか?




どちらにしても負ける気はしなかったので身構える。対してペンギンさんは、そのボロボロの身でありながらも、まだ目に諦めが灯っていなかった。爛々と瞳に闘志を燃やしている。




だがペンギンさんは諦めが悪かっただけなのでそのまま倒れた。




今度こそどうっと倒れたペンギンさんをきっかけにメッセージが来る。



『条件を満たしました。種族レベルが7へ上昇します。』

『条件を満たしました。技能『死霊』レベルが2へ上昇します。』




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