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No.28いざや叛逆、輝晶砕々

( ):作者絶対厨二病拗らせてるだろ、ってサブタイ見て思ったやつ。正直に手を挙げなさい。



(裏):バッ(全力で手を振る)

なんだろうね、この感情は。怒りにもにた昂りがある一方で頭は非常に冷めている。矛盾してるなぁ我ながら。



『ーーーーー!』



おっと、そうだった。水晶くんは今状態が膠着していて痺れを切らしているんじゃあないかな?上層にいる魔物たちがこのままじゃあ支配から解放されちゃうからねぇ。



きっと早く目障りな私たちを潰して上へ向かいたいんでしょう。でないとここまで圧倒的なゴリ押しをする訳がない。



そう、今この水晶くん、すなわち【指揮官】の周りには戦闘前まではほぼ姿が見えなかった魔物の、それも大群と呼べるほどの数が密集し、私たちの攻撃から【指揮官】を守る肉壁として、そしてゴリ押しのための攻撃手段として私たちに相対している。



正直一体一体はさほど強くない、というか普通に刀でも銃でも2回程度攻撃すればあっさり倒せるほどだが、なんせ数が多いときた。




ーーー

種族:パシファイアー・クリスタル   LvMAX/71


状態:通常 ランク:B -


称号:【指揮官】 STC:


HP:150 MP:381


STR:95 VIT:178 AGI:55 INT:239 MND:336 DEX:44


技能:『魔力洗脳Lv8』『金魔法Lv6』『光魔法Lv3』『アド・ハンドLv9』『ペトロ・ハンドLv8』『連携Lv4』『統率Lv6』『物理耐性Lv2』『光耐性Lv1』『魔法耐性Lv1』『石化耐性Lv1』『勲章授与Lv5』『護法Lv4』

『増魔Lv2』


ーーー


水晶くん……パシファイアーはこの戦いが始まってからすぐに『分析』した。魔法の内容を除けばスキルも知っているものばかりだ。まぁ、『ハンド』二つに関しては外見からも合わせて予想がついたが。



これ、『アド・ハンド』はパシファイアーから伸びる幾つもの光の帯。それにつかんであった色んな物体っていうのがここに来るまでに『ペトロ・ハンド』で石化させた魔物だったんでしょう。実際今はそれが解けて私たちに襲い掛かってるし。



まぁとどのつまりあの光の帯に触れちゃダメってことだ。だから必然あいつの近くには寄れない。『共鳴』は試して、ちょっとは効果はあるようだ。だが、直接攻撃が難しい以上、例によって例の如く相性差でベフェマでは打点を取れない。



と、言いたかったのだが……実はベフェマ無双が起きている。



ベフェマには代わりに周りの雑魚の対処を頼んでいる、のだが。何度も言うが『共鳴』は壊れている。よって、周りの雑魚処理……この場合は、無力化だが、それを簡単に成し遂げている。お陰様で近付くものは全て足元に転がっている。



「ガアアァアーーグッ!?グ、グォァア?!!」



今も、目の前で襲いかかってきた魔物が崩れ落ちた。本当に、見た目だけなら死屍累々だ。実際には死んでいないのでそうではないが、本当に、ベフェマがいてくれて助かった。



でないと今頃とっくに処理しきれずに、数で圧倒されるか石化されるかしてたからね。



そういえば、周りの『魔力洗脳』で、操られている魔物たちと、私たちとの違いってなんなんだろうか?内容は読み取れたけど、範囲内の生物を魔力を用いて洗脳する、って感じだし。



あー、これもしかして私たちが魔力0だから効いてないとか?だとしたら今だけは魔力に感謝だね。だが魔法は使わせろ。いやまじで。



まぁともかく、周りの雑魚はチートヘビさんがなんとかしてくれているので、やはりネックは大将の水晶。私も近づけないのに変わりはないので今回採用するのは銃。はーい狙って狙ってー、はい発砲。



うん、通じないねー。f⚪︎ck、あいやこれ言っちゃダメなやつだ。忘れて忘れてー。



いや本当に硬いやつ多くない?なんでこうも銃が使えないような相手が多いのさ?地球だと武器の代表だよ?文明の利器なんだよ?



あーうん、愚痴吐いてもしゃーない。やれることをやるのみ。ひとまずは周りの雑魚から排除しようか。幸いなことの準備は整っている。



それじゃー周りの魔物からのヘイトをうまくいじって……はいはいそこのあなたたちー、こんなところに絶世の美女。みないと損だよー?ん?美女なんていない?



……ははは目が見えていないのかな、それじゃあもっと目立ってあげよう。



近くにいた魔物を足だけ撃って背中を踏み抜く。ジャガーみたいな見た目がどこかの白虎を思い出して少し力が強まった気がするが気のせい気のせい。え?出血量が多い?いやー、あはは。



さて、見なかったことにして目標の様子を確認。うんうん怒ってる、同種が嬲られて腹立つよね?私をぶっ飛ばすためにもこっち来ようか。



なんだか前世でこんな血とは無縁な生活してた私がなんでこんな冷静に戦闘できてるのか、改めて不思議だな。なんかセーフティとかでもかかってんのかね?ここに送り込んだ邪神(冥王)の性格的にこっちの事情考えるとかなさそうだけど。



さて、こんなことを考えているうちに目標が指定ポイントに到達。準備完了だね。じゃあ、



「ーー起爆」



私の言葉をトリガーに私があえて傷を負った場所、正確には私が血を撒き散らしたところが爆発する。できるだけ効率よく爆発させるためにも魔物を誘導させておいたから、効果は覿面だね。



みた感じ、私が直接戦闘で害した魔物も含めて、八割はぶっ飛んだかな。うん、残り二割か。これなら後は私への奇襲はベフェマに対処してもらってもタスクオーバーになることはないはずだ。



というわけで私はパシファイアーのみに集中する。



「そういうことで頼んだよ、ベフェマ」



『言いたいことはわかる気がするけど脈絡がないーの!?』



「あら分かってたんだ。それじゃあ他の魔物が接近してたら対処お願いするね」



『それを!先に言うべきなーの!?』



ははは、連携って大事だよね。さて、それではここからが本番だ。相手が硬いことは理解している。そして、今回は弱点もなさそうだ。どう考えても中に空洞があるとは思えない設計してるしね。



さて、銃でどうやってこの状況を打開するべきか。溜め込んだオタク記憶を開封しつつ、同時に光の帯を回避しておく。暫くはこれだけでも時間を稼げそうだ。パシファイアーが増援を呼ぶことは……魔物はだいぶ上にいったからないと思いたい。



まぁ保険は残しておくけどね。さて、それじゃあ銃で対処できる方法は何があるか?



この場合私の銃の基本形であるピストルを変化させないとまず相手には通じない。



こういう時は万能性が羨ましいね。こんな状況に持ち込まなければいいだなんて一体誰が言ったんだか。避けられないことなんていくらでもあるんだよ、本当、そいつはきっと考えが足りなかったんだろうナー。



よし、過去は振り返らないようにしよう、少なくとも今は。



さて、変化させるならスナイパーとかかな。狙撃銃ね。これだったら普通にあの防御を抜けれると思う。問題は、それは重いってことだ。重武器だからね、扱いづらい。



本来ならそういうのは遠くから打てばそのデメリットを打ち消せるんだけど、今はあいにくの中距離戦。使うのは難しい。



「よっと」



魔物が邪魔をしてきたな、左にずれようと思ったけど、お陰で右に思っきし動くことになった。ベフェマも頑張ってるけど、いかんせんリーチが足りないな。『共鳴』使ってもこの状態じゃあ殺害までには至らない。



うーん、ショットガンとかならどうだ?でもあれも散弾銃。威力は高いけど、近距離じゃないと意味ないからそれこそ刀に変えたほうがマシ。



「むっ、おっと」



さっきから妙なタイミングで打ってくるな。最初は機械的だったのに。まさか戦術を組み始めた?でも、明らかに無機物然としたパシファイアーが戦闘中に成長するとは……なっ!?



この瞬間に起きたことを順に説明すると次のようになるだろう。



まず、急にパシファイアーの動きが増した。理由はおそらく『金魔法』だろう。ゲームとかで身体能力強化に使っていたのを思い出した。だが、それにしたってここまで早いとは予想できなかった。



体感的にはいきなり速度が五倍程度になったほどだ。そして、あの水晶はその勢いで同じく速度が増した光の帯でこちらの周りを覆った。



それと同時に三方向から魔物が光の帯を通過してこちらに襲ってきた。もう10体もいなかったはずなのに、なぜいきなり三体も同時に、と思ったら他の魔物たちは逃げていた。どうやら『魔力洗脳』をこの三体だけに絞って使ったらしい。



そして魔物が石化しながらも私の両腕に狼特有の牙で噛みかかり、私の腕を貫くほどではないが、阻害する程度のことは十分にした。



そこまでして、私の逃げ場をなくして、必ず私が避けられない状態で、パシファイアーは……変形をした。



それは、三角錐が四つの小さな三角錐に分裂し、その尖った頂点同士を一点に向ける……即ち、明らかに一点に力を集中するような形になり、この時点で私は最悪の行動が予見できた、というかしてしまった。



そのせいで私の動きは一瞬鈍り……結果として尖った頂点同士の中心点から放たれた光のレーザーが私の首を貫いた。私は死霊だ。痛みは感じない。だけど、ここに来て初めて人体で言う致命傷を負ったからだろう。本来なら支障は無いはずなのに、体が完全に止まった。



……光魔法。光線系はあると思っていたが、このタイミングで使うとは……こいつの知能を見誤っていた。もう本当にまずい。急いで体を動かすがもう遅い。首の傷を急いで治しにかかるが、その間にお腹の辺りをいくつか穿たれた。



だが、それでも今の攻撃で私を削り切ることができなかったな?この時点で私はもうこれと同じ手にはかからない。HPが減ってきたから短期決戦をしないとまずいが、瀕死にまでは達していない。なんとかなるさ。この程度で、私が死ぬとでも……



ーーあれ?なんか、頭が、重……。



そのまま、私の意識は急速にシャットダウンされた。






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