No.25厨二病は永遠です
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Zzz……はっ?!
「ここはどこ!?私は誰!?私のコア⚪︎のマーチ苺味とピスタチオ味のマカロンとブルーハワイ味のかき氷とその他エトセトラはどこ?!」
『開幕一番重病患者のそれなーのー』
はははぬかしおる。お巡りさん不審者です。え?ブーメラン?見たまえこの血が通っているとは思えない青白く死人のような独特の雰囲気!まるで死んだ魚のように濁っているようにも見える灰色の瞳!その他etc全て完璧じゃあないか!
え?何がって?……なんだろう。
「よし、じゃあ次はベフェマの進化やろうか」
『いやいやいや!?どう考えても先に話すことがたくさんありますーの!あとサラッと最初の発言を流そうとするななーの!』
「ふぅううははは、こまけぇこたぁいいじゃないの」
『笑い方怖!?あとキャラが違う!』
能天気そうに見えたベフェマも意外に苦労してるんだなぁ。まぁ他人事っぽく言っても私が原因なんですけど。お巡りさん私です。
「まぁ真面目な話よ。進化に関しちゃ多分負担が大きいから一時的に意識をシャットダウンするとかそんなところじゃないかな?とにかく今の私たちが知っているべきなのは、進化には長時間無防備にならないといけないってことだ。」
『そ、それはそうだけど、なーの……』
「まぁこれに関してはだいじょうぶなんじゃないかな?私たちはソロじゃないからね。お互いに背中を預けようということさ」
『お、おぉ……!かっこいいなーの!わたし頑張ってオールさんが頼れるよう頑張るーの!』
「うんうん。そのためにもまずは進化だね。私は君の進化先まではわからないから、自分で決めるんだよ?」
『はいなーの!じゃあ早速始めますーの!』
よしよし、なんとか誤魔化せたぜ。私のインキャすぎる趣味を知られるわけにはいかないからね。
『あっ、そういえばオールさんの趣味って結構そういううわぁ』
何も聞いてない何も聞いてない何も聞いてない。
……よし、忘れよう!そうだ、まずは変化したステータス確認しとかないとなぁ。そうそう、大事だからね戦力把握!
では、分析。
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種族:デコス・フェアリー Lv1/55
状態:通常 ランク:C -
称号:『刀士Lv3』副:『銃士Lv1』 STC:
HP:56 MP:0
STR:34 VIT:72 AGI:40 INT:43 MED:91 DEX:33
技能:『刀術Lv6』『静流水Lv4』『死閃Lv3』『死霊Lv5』『旋風旗Lv4』『神刺Lv4』『枯葉舞Lv4』
『死背Lv1』『銃術Lv2』『毒耐性Lv1』『物理耐性Lv3』『斬撃耐性Lv1』『打撃耐性Lv1』『気配感知Lv1』『気配隠蔽Lv2』『堅固Lv1』『強力Lv1』『護法Lv1』
特典:『分析Lv6』『知識』
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ほあー……結構ステータスもスキルも上がってるなぁ。特にスキルのインフレがすごい。バンバン上がるじゃん。進化すごいなぁ。
あ、そうそう『枯葉舞』についてなんだけど、これそういえば獲得のメッセージ来てないなぁって思ってたら、いつのまにか獲得しててさぁ。これ多分ここに転送された直後、要は気絶してる間にメッセージ来てたんだと思う。
大体のスキルは字面でわかるだろうけど、この強力、とか堅固とかは単純なステータス補正らしい。
そういえば、ここに来た時気を失ってた訳だけど魔物には見つかってなかったんだよなぁ。あそこで見つかってたら普通に終わってただろうし、私ってやっぱり悪運が強いのかな。
まぁそれはともかくよ。1つ、素晴らしいお知らせがございます。
それはー?
「それはー?」
……これじゃあ反応してくれるベフェマが今は睡眠中だから壁に向かって話してるやべーやつじゃん。え?元から関わっちゃいけないやつ?ははは何を馬鹿な。
とにかく、いいお知らせというのは『死霊』っていうスキルに新たに追加された効果のことどぅえす。
えー、その効果は二つありまして、一つは『魂視』っていうただ相手の魂が見れるだけのよくわからない効果と、
ーー『霊体変換』とかいう一時的に物理を無効化するチート効果です。
これやばいわー。バランスも何もないわー。一応3日に一回しか使えなくて、尚且つ一分間しか霊体化できない、さらに霊体化中は攻撃不可とか途中で効果を停止してもその後のクールタイムは変わらず3日とか色々制限もあるけど、これは間違いなく壊れてるでしょう。
だって、これで少なくとも一回は致命傷回避できるからね。これは壊れと言わずになんというって感じだよ。
まぁ多分今回の目玉はこれだろうね。他の……あぁでもこの『死背』っていうスキルはなぁ……分析さんを使ったもののまだよく効果がわからないし。これに関してはもうわかるまでおいとくしかないかな。
そうそう、この分析さんもレベルは上がったけど何の効果が上がったのかよくわからないんだよなぁ。
基本的にスキルのレベルが上がったら私の『静流水』とかは多分動きに成功補正とかより私が思う理想の動きに近くなるように補正が加わるんだろうと感覚で思ってるんだけど、これに関しては今分析した限りでも違いは前とよくわからない。レベル2では新効果が追加されたのに……残念だ。
そしてMPは相変わらず貫禄の0。君さぁ、夢を見させてあげようっていう優しさはない訳?君、あれだよ?魔法に憧れる少年少女に現実を叩きつけるドリームブレイカーですよ?
かっこよく言っても普通にクズですよ?はい?お前もう成人してんだろって?………いやいやいや、高校生か大学生かはよくわからんかったから!高校生なら実質少女!少女ですよ!?
「あー……なんか別の意味で現実を見せられた気がする」
うーん。まぁ一個またぶっ壊れスキル、というか効果かな。これに対してまぁレベルが上がったけど効果の違いを実感できなかったり新スキルの効果がわからなかったりするからまぁプラスではあるんだろうけど、心情的にはちょっとマイナス気味だなぁ……。
とはいえ、客観的にみたらプラス要因しかないのは知ってる。そういうことだから複雑な心境はしまっておこう。
それで、だ。ベフェマの進化中、私はもうステータス確認しちゃったから他にやることはない。……ない、よね?
まぁどちらにせよ覚えていないならそこまで重要じゃないだろうし、大丈夫でしょう。それじゃああとは周りの警戒だけでもしておくかな。
ベフェマも確かそうしてくれたらしいからね。くっくっく、ここは私のじょしりょく、というものを見せてやろう。そこ、女子力はそんなことに使うものじゃないって言ったやつ、廊下に立ってなさい。
ふふふ、私の女子力は53万です。つまり、この程度のミッションなど容易にこなせるということ……!
刮目せよ、これが私のフルパワー……!!
⬜︎
『ーー?』
んぁ?んー、なんか忘れてる気がむにゃ……Zzz。
『ーー!?ーーーー!!』
ちょー、耳元で騒がないでー……あー、チョコレートケーキを掴もうとしたらケーキの下からチョコレート噴出して遠くへ飛んでった……残念。
『いい加減にせいあたーーっく!!なーの!』
「いやこれデジャゔべらっ」
こやつ、前よりも尾を叩きつける時の軌道が流麗になっておる。つ、強い……!
これが子供の成長を感じる親の気持ちか、などと考えていたらぶっ飛ばされて顔面もみじおろしになった。どっかのピンクの悪魔が同じようなことしてそうだな。
さて、と。ベフェマがお説教を始めたので真面目に聞くふりをしながらこれからの計画を立てる。といってもこれからするのはただ10階層のボス部屋へ突入してボスをしばき倒すということだけなのだが。
ああ、そうだ。せっかく進化も終わったしベフェマのステータスも確認しておくか。何気に今回初めてベフェマのステータスをしっかり確認することになるんだよな、今までは自己申告で大事なところだけかいつまんで教えてもらってただけだし。
ーーー
種族:ネレゾ Lv1/52
状態:通常 ランク:D +
称号:『暗殺者Lv3』 STC:
HP:30 MP:0
STR:29 VIT:20 AGI:46 INT:89 MND:44 DEX:95
技能:『隠密Lv2』『不意打ちLv1』『麻痺の魔眼Lv1』『致命穿Lv1』『麻痺耐性Lv3』『毒耐性Lv1』
『熱源感知Lv5』『物理耐性Lv1』『闇魔法Lv1』『毒牙Lv4』
特典:『共鳴Lv6』『虚染め』
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おぉう……なんか成長しすぎでは?流石に私より強いとまでは言えないはずだけど、強すぎでは?
……いや本当にいま戦ったらどうなるかな?技術的に勝てるか?でも共鳴持ってるしなぁこの子。まぁ戦うことはないだろうし大丈夫、か?なんか特典のほうちょっと不穏なのあるし。
まぁそれは置いといてよ。
魔眼。ええしっかり見えてますよ?魔眼の二文字が。
っはーーー?????いや別に悔しくないですし?言うて麻痺っつっても相手が動けなくなる前に私倒せるし?かっこいいなんて思ってないし?うらやまなんてそんなそんな……
きぇええぇああああああああ私もほしいいいいいイイ!なーんでいっつもこういうところでそういうことやるかな運命さんよぉ!?いやほんっとまじd
ピンポンパンポーン。しばらくお待ちください。
「あうあうあー」
『地面ゴロゴロしてる!?幼児退行してるなーの!?』
立ち直るまで三十分かかった。
( ):自分で書いててものすごく微妙な気持ちになったんですがどうしてくれるんですか?
(裏):誰にキレてんの?
( ):誰でもない誰か……つまり、誰だろう?
(裏):(バカだなぁ)




