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No.21ヤクザ猪vs騙し討ち死霊

(裏):騙し討ちかこれ?

( ):大体あってれば正解と同じなので。

(裏):数学でゼロ点取るタイプの人かな?


⬜︎







その後も私の(案内人)を殺そうとするアホどもを射殺、もといお還りいただいていたところ、猪はようやく目的地についたようだ。私たちに気づかないのはいいけど、敵に気づかないのはどうなんだろうね?まぁ、私たちが気にすることではないか。


猪の目的地は、そうとわからなければ本当に見つけるのが難しい類のものだ。意図的なまでにそれを隠すように配置された岩は、特定の角度、特定の位置から見ないとただの岩肌にしか見えないようになっている。


そんな場所に慣れた様子で猪が入っていくのを確認したあと、私たちは慎重にその中へ続いていく。どうやら中は結構広いようだ。


なんとここ、驚いたことに僅かだが水が流れている。洞窟を横切るように細いが水の流れができている。流れている液体はどうやら水よりも青いように感じるが、今のところどういうものかはわからない。


毒かによるが、水の問題が解決できそうなのはありがたい。そして。


ガブリガブリと、死体を食べているのだろう音が奥から聞こえてくる。というか猪の存在自体はもう見えている。薄暗いが、こちらから真っ直ぐ視認できる状態なのに、こちらを察知している様子がないのはまさかわざとなのかな?


……相手の意図が読めないけど、今のところ本当に気付いていないようにしか見えないからなぁ。奇襲、やりますか。一応通じなかった場合も考えてやるけどね。


パン!と乾いた音が響く。まっすぐに飛翔した銃弾が猪に突き刺さら、ない。



「ブゥモ……??」


『ひょえっ』



な、なんかヤンキーを幻視したんだがなんでだ……?ウチのモフ蛇が威圧感だけでたじろいだぞ?これでも死戦潜ってんのに。


なんというか、心なしか、「何してくれんだテメェ……?」的なことを言っているように感じる。と、とりあえず近くにきたし分析しましょう、そうしましょう。びびったからではない、断じてない。




ーーー

種族:黒剛猪 Lv:13/61


状態:通常 ランク:C


称号:【守衛Lv4】 STC:


HP:230/230 MP:56/56

STR:78 VIT:201 AGI:39 MED:43 DEX:20


技能:『硬化Lv1』『猪突猛進Lv2』『徹底防衛Lv1』『HP自動回復Lv1』『噛みつきLv5』

ーーー



おぉう……なんという防御型……それに地味に称号もちは猩々以来だな。危機感を持って挑まないといけないだろうな。こんな防御力があれば、そりゃあ敵を警戒する必要なんてないか。やっぱりちゃんと原理があったってわけね。


そうだね……、この猪は多分だが私と相性が悪い。なんてったって、この猪、スキル欄を見るに、字面だけでも防御型っていうのは見て取れる。そして、今の私はどちらかというとカウンター型に近いだろう。


だから、猪も私もどちらも受け身なこの場合では余り戦闘は上手く噛み合わない、と思う。


正直、まだ私が使っていない刀の術理は他にもたくさんあるが、私はあんまり自分から攻撃するタイプのそれは得意ではない。というか普通に苦手である。


「つまり、今回はモフ蛇に討伐をお願いしたいってことだね」


『何がどういうことでそうなるなーの!?』



全く、相手の気持ちも汲み取れないとは、これだから最近の子は。


え?胸に手を当ててよく考えろ?……い、いやーなんのことだかねー???


なんだか頭にブーメランという言葉がよぎった気がするが、気のせいである。そうだと思う。


というわけで本日の三分クッキングのお時間です。材料はこちらの黒猪。黒豚を見ているようでそそられますねぇ。おっと涎が。


モフ蛇が私を認識外に位置する何かを見ているような驚愕の視線を送ってきたが無視する。


それではまず第一ステップから。まずはモフ蛇を華麗に肩に担ぎます。するとなんということでしょう、私の考えを汲んで肩に巻きつ……



モフ蛇が肩から降りようとしたので首根っこを掴んで元の位置に戻す。



『……』



ーーなんということでしょう!私の考えを汲んで首に巻きついてくれました。若干首がきつい気がしますが誤差ですねー。尚、この間十秒。


この工程の間に猪が突進してきたので避けつつ銃弾を放つ。目を狙ったんだけど、瞼で防がれた。やっぱ硬いな。まぁこれは予想内。



猪が急に、そう手足が動かせなくなったかのような動きで崩れ落ちる。いやーホント味方としては心強いスキルだよねぇそれ。


特典『共鳴』。今の所これは絶対に遙か格上である白虎にも一部とはいえ効果を与えている。適性がないとその効果は通じないらしいけど、それすらも今のところは通じない相手がいないためデメリットとはなっていない。


今回の場合は、手足を持たない蛇の体の感覚を猪と同調させて動きを止めたようだね。そして……


右腕を刀へと変成。……ふぅ、『神刺(かんざし)』。



蹲ったまま動けない猪に刀による突きが襲いかかる。寸分違わず首の動脈を貫いたそれは、吹き出した黒と見間違えるほどの暗い赤で染められる。



『条件を満たしました。種族レベルが13から18へと上昇いたします。』

『条件を満たしました。技能『神刺Lv1』を獲得いたしました。』



動かなくなった猪と、聞こえたメッセージでようやく一息をつく。攻撃系の刀の型は正直自信がないんだけど……今回はなんとかできたようだ。


体に盛大にかかった返り血を、また肉体を変成して振り落とす。肉体を変成しているのだから、当然というべきか、何回も体の構造をいじると相当な疲労感だ。



『な、なんとかなったーの……相変わらずすごいなーの』


「いやぁ……買い被りだと思うけどね?」


『わたしからすれば死霊さんはなんであれすごいーの。ところで……これはもう、ここを拠点とするということですいいなーの?』


「まぁお肉も手に入ったし、水も多分使える。ここは拠点としては十分位置的にも機能的にもいいと思うからね。返答はイエスだよ。まぁそれは猪を倒した時点でほぼ確定なんだけどさ……」



うん、とにかくこれで拠点確保。そしたら、次にすることは……まぁ普通にこの洞窟の攻略かな。どうやったらここから脱出できるかまだ定かでないし、その方法だけでも分かれるように動かないとね。そうするとーーー



『……あの、死霊さん。洞窟に入って、余裕のない戦いを続けて……それで、ここでようやく落ち着いて、少し思いついたことがあるーの。ーーーその、お互いに名前を付け合ってはどうなーの?わたしは、連携がこれから必要になってくるとおもうーの。こんな魔境で……できることはするべきだと思うーの。それに……いや、これは違うかーの』



……モフ蛇も、彼女なりに色々と考えている。それはわかっていたけど、そこは考えていなかった。私は、自分自身については思ったよりもよく考えていなかったのかもしれない。そりゃそうだよね、名前がないと呼びずらいもんな。



「……うむ、いいよ」


『おお!やったなーの!それじゃあ早速考えるから死霊さんもわたしの名前を考えて欲しいーの!』


「りょーかい」



うーん。モフ蛇の名前、かぁ……。私も、拠点はできたんだし、一度気を抜いてゆっくり考えてみるとしよう。


洞窟の壁際に背中を預けると、一気に体が重くなった気がした。どうやら自分も精神的な肩の荷が落りたようだ。やはり自分のメンタルケアも必要か……ってそうじゃなくて。


ーー子供に名前をつける感じでやってみよう。


そんな後から考えれば「馬鹿野郎!ブラックなヒストリーに刻まれたいのか!」と即否定しそうな考えをなぜかこの時した私は、そのコンセプトに基づいてより深く考え始める。



『死霊さん、死霊さんの前世の名前はなんですーの?』


「ん?私?私は……秋亡。秋亡 ◼︎◼︎だよ」


『ふむふむ……参考になりましたーの。ありがとうなーの!』



手を振って応え、再び答えを探り始める。うーん。やっぱり意味を持ってつけるなら英名でつけるか?それとも漢字で名付けるか?いや、やはりここは英め『できましたーの!』……え、はや……?



「あー……ごめん、まだモフ蛇の名前決められてない、もうちょっと待ってくれるかな?」


『勿論いいなーの!でも、正直そんな色々考えて決める必要はないと思うーの。もっと気楽にやっていこうぜ、なーの』



なん……だと……!?まさかモフ蛇に諭される日が来るとは思わなんだ。明日は災厄が起きるな。戦車が降ったりとか。



『死霊さん、わたし共鳴で軽くなら考えていることわかるんですの。場合によっては表出ろなーの』


「モフ蛇に諭すことができたなんて思いませんでした。こんなに賢く育って私は嬉しいですっ……!」


『いや誤魔化せる訳ないなーの、後で蛇叩き100回なーの』



あっはっは。いやー流石に甘くみすぎてたか。ごめーんね⭐︎。……流石にこれは心の表層部分には出さない。蛇叩きとかわからないけど、深く踏み込んだら死ぬと私の勘が囁いている。


まぁ、深く考える必要がないってのは目から鱗だね。それなら私も純粋に、そう、純粋に願掛けの意味も込めて名づけをしようじゃないか。



『ごほん。それでは死霊さんのお名前発表しますの。それはー、でれれれれれれっデン!オール、なーの!どう思いますーの?』


「……参考までに名前の理由をお聞かせいただいても?」


『理由なーの?単純に秋亡の秋の英訳、フォールとオータムを掛け合わせただけなーの。……流石にシンプルすぎたーの?一応掛け合わせの他候補としてフォルタムとかありますけどなーの』


「いや、いいよ。それに……ふふっ、秋は私が好きな季節だからね。それにセンスも悪くない。それにしようじゃないか」



うん、ちゃんと考えていてくれてよかった。いや、正直名付けとかあんまり私はよくわからないから、どう名づけるのがいいのかはわからないが理由が勘とかだったら流石に胃が痛くなってたからね。



「あぁそうだ。私の名前なんだけど、そのオールって名前とフォルタムって名前、どっちももらってもいいかな?」


『もっちろんなーの、じゃんじゃん使ってなーの!』



ふふふ、嬉しそうで何よりだ。私が考えた名前も喜んでくれるといいんだけど……まぁ、今は自分の名前が先か。





「それでは……私は、改めましてオール・フォルタム。さっきまでは死霊さん呼びだったから間違えて呼んでも構わないけど、できればこっちの名前で呼ぶように頼むよ」




さて、これで次はモフ蛇の名前を……




『条件を満たしました。個体名デコス・ゴーストの名称設定が可能です。対象の名称をオール・フォルタムに決定しますか?』



「……へぇ、なるほど」




まぁ、正直に言えば少し予想はしていた。だってオタク知識にあるし。


タイミングは読めなかったが、やっぱり名付けはできたのか。これを決めたらどうなるのだろうか?デメリットとかがあるのはちょっといやなんだけど……まぁ、いいか。一度決めたんだ。最後までやってあげる。



『肯定の意思を確認。対象の名称を確定しました』



うんうん、これで大丈夫かな。おっと、モフ蛇には呆けているように見えちゃったかな。これについても少し知らせておくとしよう。



「モフ蛇、名前は決めたらシステム的にも確定されるらしい。気に入らなかったらちゃんと言ってね?一回しか決められないからね」


『あいさー!大丈夫だから名前を教えて欲しいーの!』



はいはい、正直私はもう少し考えるべきと思ったけど……まぁ決めたからね。君の名前は……



「ベフェマ。君の名前、ベフェマなんてどうだい?」


『……』



まぁ流石になんやそれ?ってなるよね、モフ蛇もこれには流石に呆けている『名前システムに登録したなーの』ふぁ!?



「……あぁー、モフ蛇、いやもうベフェマでいいのか?とにかく君は名前をそんな簡単に決めていいのかい?大事なことだよ?いや本当に」


『いやー、なんであれオールさんからもらった名前はもらおうと思っていたなーの、悪くない名前だとおわたしも思っているなーの。それに、なんか急に頭に響いてきた声からして名前変更はできないし、後悔とかしても意味ないのね』


「あぁ、うん。そう……」



後悔はないはずなのになんか罪悪感……。いや、もう決まっちゃったんだ。切り替えていこう!



「よーし!それじゃあ早速この洞窟の攻略を始めよう!とりま行き止まりまでノンストップじゃい!」


『なんかヤケクソ!?』


「じゃあそういうことで」




そういうことになった。

Tips:黒剛猪

焼いたお肉が美味しいことで有名。どこかの星では高級食品として嗜まれていることもある。因みにその星は食に命をかけた星で、それ以外の全てを捨てている。具体的には味を追求しすぎて栄養素が最悪になっている。カップラーメンよりも偏って悪い栄養素ってなんなんでしょうね。尚、味だけはマジで凄いので神界隈ではちゃんと人気。


真面目な話をすると、防御力に全振りしただけの猪。純粋なステータスでゴリ押してくるが故に、シンプルだが侮れない種族。格上に勝つことは余りないが、格下に負けることはほぼあり得ない、のだが、今回の場合は、オールが技術というか頭を使って攻略したため見た目で言えば楽そうに倒せた。


こんなふうに普通に戦えばオールたちでは太刀打ちできないものがうじゃうじゃしているが、人間の頭脳というバフありきで言えば、実際のところはそこそこ戦える。でも、楽勝とは言っていない。初見殺しが来れば死ぬからね!ステータスが低い分余計に!

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