公立高校置き勉事情 2023初夏
高校に入学して1月ちょっと。子どもの荷物もだいぶ落ち着いた。
かなりの部分を学校に置いてくるようになった。
私が高校の時は(教科書と副教材で子どもの半分だが)個人用のロッカーというものがなかった。当時はエナメルのスポーツバック1つまたは2つで済んでいた。針金で縛って薄くした学生カバン(「ビー・バップ・ハイスクール」あたりに出てくるアレ)を使っているヤツが普通にいた時代だ。個人用のロッカーなんてアメリカンなテレビドラマ(「ビバリーヒルズ高校白書」とか)の中にしか無かった(少なくとも森田健作の「おれは男だ!」には無かったと思う)。
定時制がある学校だったので、机の中に物を置いて帰ることは禁止されていた。
子どもが通う公立高校には、個人用のロッカーがある(何年か前に設置された、とのこと)。とりあえずは美術の教科書とか何時使うか分からない副教材とかを入れている、と。一方ではロッカーは小さく、鍵か掛からないので、個人持ちのタブレットなどは置けない、と。
過日、高校の保護者説明会に参加したときに、「荷物が多い」ことについて他の保護者からも質問(というか文句)が出ていた。しかし設備の関係で、「タブレットの充電設備もないし〜」等々のアレだなあ、言い訳がされていた。また、その際に個人用ロッカーを確認したが、確かに小さい物だった。
今の子どもたちには個人用ロッカーがある。しかし小さい。各社が出している「スクールロッカー」というのがこれに当たるのだが、外形が幅1800mm高さ880mm奥行き380mmで18人用(6列3段)だから、ひとりあたり内寸で幅260mm高さ240mm奥行き359mm、これではA4サイズの副教材やファイルを背表紙が見えるように並べることさえできない。さらに鍵も充電用コンセントもない(鍵付きは納入価が1割程度上がるようだ)。
これがオフィス用(個人の机を固定しないフリーアクセス方式のオフィスには必須の)モバイルロッカーであれば充電用コンセントが設置されているし、スクールロッカーであっても12人用であれば内寸で高さ352mmあるからA4ファイルも立てて収納できる。せめて鍵がかけられれば・・・。
どのように使うか、イメージが定まらないまま導入したのかなあ。それとも単に予算の関係なのか。
設備構造の問題としては、公立の小中高校には(ホームルーム制をとっているのに)教室内に個人の収納スペースが基本、無い。小中学校ではオープンな棚が割り当てられることがあるが、私の母校の高校では無かった。教室のサイズが(明治時代から)壁芯で8メートル×8メートルか9メートル×7メートルであることが多く、ここに40人(過去には45人とか50人)を収容していたためだ。また、更衣室はあるが、ここにも個人ごとのスペースは指定されていない。銭湯の棚状態の置き場所があるだけ。
単位制の高校ならば個人用の収納スペースは必需なのかなあ。学年制であっても選択授業もあるのだから個人用の収納スペースを配置するようにして欲しいものだ。
というか、都市部ではスペースが限られるかもしれないが、地方では子どもが減っているので教室が空いている。うちの子どもは小中学校の時、3学級分の教室があるのに1学年1学級か2学級なので、空き教室が「お道具置き場」になっていたそうだ。高校は定員削減で空き教室があるが、自習室とか教科研修室とか○○部の部室とか、名目を付けられて収納スペースとしては使えない状態になっている、とのこと。
1学級40人にこだわらないで、30人とか20人で運用すれば良いのにね(中学校なんて現状でも担任1人に副担任2人ついているんだけど)。
ということで学校に要求するだけでは何も解決しないので、軽量化にカネの力も用いている。高校のBYODタブレット(タッチ機能付きのWindowsパソコンかChromebookかiPadでBluetooth接続では無いキーボードとGoogle for Educationが使えることが要件)として学校斡旋のChromebookは2.1Kgだし厚いので、認定整備済みのiPadにSmart Keyboardをつけて800g、これを与えてみた。教科書とか副教材については、自宅用にもう1冊購入する、という方法もありえるんだよね(教科書ガイドを代替に購入する、という手も含めて)。
余談。
なろうの乙女ゲーム転生物で描かれる学園って選択授業が多く、アメリカンなテレビドラマの高校か、もしくは大学レベルの教育機関がモデルになっているけど、そういう学校って個人の収納ロッカーがフルサイズで完備している筈だよねえ。どうして「教科書を破られた」「私物を汚された」となるのだろう。「地下鉄の車両はどこから入れるか」レベルで気になって眠れない。