君がいなくなって。
君がいなくなって。
いつか、君がいない世界に慣れてしまうんだろう。
それが、怖くて。辛くて。悲しくて。
君がいなくなったこの世界で、僕は平然と生きていくんだろうと思うと許せなくて。
残されたものを見て、君が本当にいなくなってしまったことを思い出す。楽しかった記憶がある分、余計につらくなる。
戻って、きてよ。
『お疲れ様。じゃあね。』
じゃないんだよ。
『またね。』
って言ってよ。
『またね。』
たった一言添えられるだけで、いつも安心できた。また次があるから。また、会えるから。
あのときは違った。あれが、最後だった。
思ったよりも普通で、いつもと変わらなくて。いつもみたいに、くすっと笑えるような話をしていて。このまま一晩を明かすんじゃないか。いなくなるなんて嘘だったんじゃないか。そう、思った。
零時丁度に君はいなくなった。僕の目の前から。
もう一度、会いたい。
一度と言わず、たくさん。