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幽霊女と独身男がただ話すだけ  作者: 宇宙梨
ただ話すだけ
2/57

2日目

「おはようございます」

「…………」


「?」

「…………おはようございます」


「かなりタイムラグがありましたが」

「いえ」


「どうかしましたか」

「いえ」


「朝起きたら目の前に女性が」

「そんなところです」


「よく眠れましたか」

「おかげさまで」


「今日もお仕事ですか?」

「そうです」


「頑張って下さいね」

「ありがとうございます」


「留守はお任せあれ」

「ありがとうございます。……失礼」


「煙草ですか」

「苦手ですか?」


「いえ、大丈夫ですよ」

「寝起きの習慣でして」


「美味しいんですか?」

「ただの格好付けです」


「カッコイイですよ」

「ありがとうございます」


「すんすん」

「どうしました」


「香りは好きです」

「匂い、わかるんですか」


「わかりますよ」

「そういうものなんですね」


「なのでお気になさらず」

「ありがとうございます」


「その代わり、というわけではないのですが」

「どうしました」


「実はひとつだけお願いが」

「何でしょう」


「お水だけ頂いてもいいでしょうか」

「もちろん」


「お願いします」

「わかりました」


「ありがとうございます」

「そういえば、飲み物だけでいいのですか」


「実は」

「はい」


「すごいお腹空いてます」

「なんと」


「ここに来る前まではそんな事は無かったのですが」

「それは難儀ですね」


「すごいお腹空きました」

「少しだけお待ちを、有り合わせでよければ。水と同じ要領でいいのですか?」


「それで大丈夫です、お手数掛けます」

「いえいえ」


「料理されるんですか」

「時間がある時は、ですね」


「カッコイイです」

「ありがとうございます。昨日作ったおかずの余りがあるのでそれと、ご飯はおにぎりにしておきます」


「なんて豪華なラインナップ」

「それほどでも」


「ラップはかけておいて下さいね。もったいないです」

「自分で後から食べる事になりますからね」


「本当にありがとうございます」

「いえいえ」


「留守はお任せあれ」

「ありがとうございます。では、準備して仕事に向かいますね」


「行ってらっしゃい」

「行ってきます」



──────────────────



「おかえりなさい」

「ただいま、です」


「どうしました?」

「いえ」


「ただいまを言う久々の習慣にまだ慣れが」

「そんなところです」


「お仕事お疲れ様です、頂いたお料理もとても美味しかったです」

「ありがとうございます」


「いつもこのくらいの時間なんですか?」

「何事も無ければ、ですね。留守中は何かありましたか?」


「お昼頃に配達の方が」

「それは」


「一応出ないでおきました」

「懸命です。再配達の手配しておきます」


「何が届く予定なんですか?」

「食器です」


「食器」

「食器です」


「入用だったんですか?」

「はい、1人分しかありませんでしたので」


「来客の予定でも?」

「ああ、えっと。貴女のです」


「アナタさんですか」

「わざと言ってますか」


「失礼しました。……えっと、予想外でして」

「必要かな、と。ご迷惑でしたか」


「とんでもないです。嬉しいです、ほんとに」

「それは良かったです」


「お供えが捗りますね」

「そう言われるとちょっと」


「話してたらお腹が空いてきました」

「では晩御飯にしましょう」


「やった。何か手伝いましょうか?」

「横で応援しておいて下さい」


「わかりました」

「いいんですか」

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