第96話 第2層の試練
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「この先が、祭壇のある試練の部屋だな」
俺達は、壁を蹴り破りながら進んで、門の前まで来ている。空は日が傾き、赤く染まりつつある。
「やっとだねー、壁壊さずに進んでたらどれぐらい掛かってたんだろうね」
「少なくとも、今日中には攻略出来てなかっただろうな」
俺達は、門を開けて中に入った。
試練の部屋は1層と同じで、かなり広い作りになっている。天井が無いので、かなり開放感があった。
俺達が中央に進むと、扉がゆっくりと閉まった。
「それじゃ、試練を受けるか」
みんなが武器を手に構えたのを確認して、瘴気の吸収を抑える。
空気中の瘴気が、徐々に濃くなっていくと、瘴気が1箇所に集まり、形を作り始めたーー。
「今回も1体だけ見てぇだな」
「そのようですね。ですが、1層のボーンナイトよりも大きくないですか?」
ボーンナイトよりも一回り大きい魔物が出現した。
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【ミアズマゴーレム】Lv.85 / Sランク
【スキル】ー
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魔物は、全身を魔素の鎧で固めた、ゴーレムだった。
「また硬そうなのが出てきたな」
「ゴーレムみてぇだ、ユダとリオちゃんは下がってた方がいいんじゃねぇか?」
「ゴーレムですか……僕達は相性が悪いですね」
「そうだね……」
ユダとリオが祭壇の方へ移動した。
「どういう事だ?」
「ジンは知らねぇのか?
ゴーレムには魔法が効かねぇんだ。それに、防御力が高いから、生半可な物理攻撃も意味がねぇ」
リオは魔法がメインなので、無効化させられる。
ユダも、拳に魔法を乗せて攻撃するので、ゴーレムには効かないという事らしい。
「そうなると、レンもあまり相性が良いとは思えないが?」
「俺の場合は、魔剣があるからな。
魔剣なら魔法を使わなくても、大体のものは斬れるからな」
「なるほどな。それじゃ、俺も魔法は能力付与出来ないのか」
俺達が話している間に、ゴーレムは完全に完成した様だ。俺達に向かってゆっくりと動き始めた。
俺は両手に血刀を構えて、闘気を発動させた。
隣を見ると、レンも闘気を発動させていた。手にはシラウ・ソラスが握られている。
「行くか!」
「行くぞ!」
俺達は左右に別れて、ゴーレムに突っ込んだ。近くで見ると、山のようにでかいのが分かる。
俺は足を崩しに掛かった。ゴーレムの右足を血刀で斬り付けるーー。
「硬いな……」
血刀は少しくい込んだが、弾かれてしまった。ゴーレムの体は魔素で出来ているだけあり、強度は血刀以上のようだ。
レンの方を見ると、クラウ・ソラスも弾かれているところだった。
「俺も魔素を使うかーー」
血刀に魔素を流していく。血刀の刃は黒くなり、闘気の湯気も黒く切り替わった。
俺は、魔素血刀で右足に斬りかかったーー。
ゴーレムの右足はいとも簡単に切断され、バランスを崩したゴーレムが、こっちに向かって倒れてきた。
俺は強化された身体能力で、レンの所へ移動した。
「レン、こいつの弱点は何処だ?」
「なんだその刀! 闘気も黒くねぇか?」
レンが俺の魔素血刀と闘気<魔素ver.>を見て驚いている。そういえば、今回見せるのが初めてだった。
「これは、魔素を使った刀と闘気だ。
それより、ゴーレムの弱点は無いのか?」
「魔素か……
ゴーレムの弱点は魔石だ。このゴーレムも魔石がコアになって動いているんじゃねぇか?」
「魔石が弱点か、壊したらリオが怒りそうだな……」
ゴーレムがゆっくりと立ち上がってきた。俺が切断した右足はいつの間にか、くっ付いている。
「魔石を壊すまで、修復するのか……」
ゴーレムが俺達に殴りかかってきた。体の大きさの割にかなり早い。
俺達は難なく、パンチを避けた。
俺はそのまま、手の上に着地し、血刀を引きずりながら、ゴーレムの肩まで駆け上がる。
腕は肩から切断され、地面に落ちていった。
俺は、感知スキルを使って、魔石の場所を探すと、頭の中に魔石があるのがわかった。
俺がゴーレムの頭まで跳躍した時だった、空中にいる俺目がけて、ゴーレムが左手で殴りかかってきた。
俺が血刀で受け止めようと、十字に構えると、突如、ゴーレムがバランスを崩して、尻もちを着くように倒れ始めた。
地上を確認すると、レンがゴーレムの足を切断したところだった。レンの持つクラウ・ソラスに魔力が流れている。
どうやら、魔力を流して強化したクラウ・ソラスでゴーレムの足を切断したらしい。
魔素には劣るが、魔剣として完成している武器に魔力を流すことで、さらに斬れ味を増した様だ。
俺は血刀に流す魔素を増やし、刀身を伸ばすと、真下にいるゴーレムの頭頂部に血刀を振りかぶった。
ゴーレムは頭から真っ二つになった。
ゴーレムの体が瘴気になって消滅していくーー。
「レン、いいタイミングだったぞ。助かった!」
「ジンの刀を見て、魔力を流してみたんだが、魔力でもかなり斬れ味が上がったみてぇだ」
「ジンくん! 魔石がー!」
俺とレンが戦いの余韻に浸っていると、リオが両手に魔石を持って走ってきた。
「ゴーレムの弱点だったからな、斬ったんだ」
「ゴーレムの魔石を真っ二つですか……先程の黒い剣は一体何ですか?」
俺はリオを宥めながら、ユダに魔素血刀について説明をしながら、祭壇へ向かった。
※ ※ ※ ※
俺は、祭壇の本を手に取った。魔力を込めると、壁が光ってゲートが出現した。
「次はどう言った階層でしょうか」
「そんなことより、次の階層でご飯にしようよ!
お腹空いたー」
ユダとリオがゲートを通って行った。
「ジン、次で実質最後の階層だ」
「ん? そうだな」
「願いが叶う攻略者は何人までだと思う?」
「さぁな……彼の人って奴に会って聞くしかないんじゃないか?」
「そうだよな……変な事聞いて悪かったな!
ゲートが消えちまう前に次の階層に行こうぜ!」
レンがゲートを通って行った。
レンが聞いてきた『願いが叶う人数』は俺も考えていたことだ。4つのダンジョンを攻略すれば、願いが叶うと言われているが、攻略さえすれば何人でも願いが叶うのか、それとも、初めに攻略した人だけが願いが叶うのかーー。
「やっぱり、考えても仕方ないな……」
俺はボサボサの頭を掻きながら、ゲートへ向かった。
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