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第92話 許可証と第1層


いつも、読んで頂き、ありがとうございます

ブクマ、評価は励みになるので、どうかよろしくお願いしますm(_ _)m



「そちらの椅子にお掛けになってお待ちください」


 応接室にはソファが置かれていたので、座って待つことにした。2人掛けのソファだったので、リオとユダは職員が用意した椅子に座っている。


「マスター、こちらの部屋にお通ししてます」


「入るぞ!」


 応接室で待ってると、大柄な男が入ってきて、目の前のソファに座った。ニコニコとしていて人柄の良さそうな人だ。


「俺はここのマスターのカルロだ! 君たちが攻略者か! 噂には聞いてたが若い冒険者なんだな」


「ダンジョンに入る許可はもらえるのか?」


「許可も何も、ダンジョンに入れるのは君たちだけだからな。それに、早く攻略して欲しいというのが、俺達ギルド側の総意見だ」


「どういうことだ?」


「今、Bランク以上の冒険者の大半がダンジョンに挑んでてな……」


「高ランク依頼が処理されないってことか」


 ただでさえ、Bランク以上の冒険者は数が少ない。ダンジョンに集中すれば、依頼を受注する人がいなくなってしまうのだろう。


「ダンジョンが全部攻略されても、挑む奴はいるんじゃねぇか?」


「ダンジョンは攻略されても無くなるわけじゃないからな」


「君たちは、この依頼書をまだ見てないのか?」


 カルロが懐から1枚の依頼書を取り出した。ダンジョンの依頼書のようだ。そこには……


『東のダンジョンが攻略されし時、守護者が集いし場所に、彼の地への道が開かれん』


「君たちの情報によると、各ダンジョンに守護者がいて、ダンジョンの管理をしているとのことだったが、ここに『守護者が集いし場所』とある。つまり、守護者がダンジョンからいなくなるわけだ」


「守護者がいなくなれば、ダンジョンが無くなるということか?」


「憶測でしかないがな……どちらにしても、攻略されるまでは高ランク冒険者達が帰ってこないことは確かだ。君、許可証を渡してくれ」


「はい。こちらが、許可証となります」


 カルロが指示を出すと、近くにいた職員が許可証をテーブルに置いた。俺達は、許可証を受け取り、ギルドを後にした。



「早速、ダンジョンに向かうか?」


「すまないが、今日は休んで、ダンジョンに入るのは明日の早朝でもいいか?」


「ジンくん、体調でも悪いの?」


「そういう訳じゃないんだが、ちょっとやりたいことがあるんだ」


「そうか、俺達は別に構わねぇぞ。

それじゃダンジョンの近くで、宿でも取るか」


「はい。僕が取ってきますね!」


 ユダが宿を取るために走っていった。


 ※ ※ ※ ※


 俺は今、ブレスの練習をした異空間に来ている。


「やりたいことって何? この異空間に来たってことはブレスの練習?」


「ブレスは一旦、あれで完成でいいと思うんだが、ブレスを使えるようになるために、緋緋色金を能力付与(エンチャント)しただろ?」


「もしかして、体に異変があったの!?」


「まぁ、異変というか、副作用のようなものだが……威力の加減が出来なくなったんだ」


 俺は魔力回路に緋緋色金を能力付与(エンチャント)したことにより、魔力がいつも以上に通りやすくなった。そのおかげで、魔素の操作も早くなり、ブレスを完成させることが出来たのだが、魔力が流れすぎて、低威力の魔法を使うことが出来なくなってしまった。


「まぁ、慣れれば問題ないことなんだが、直ぐには難しそうだったからな。今日1日は魔力コントロールの修行に当てようと思ってな」


「なるほどね……ちなみにだけど、どれぐらい加減出来なくなったの?」


「そうだな……見せれば早いか」


 俺は右手を前に出して、火球を作り出す。イメージとしては、拳ほどの大きさの物を作ろうとするが……

 右手の前には、直径1m程の火球が一瞬にして出来上がった。


「この状態でダンジョンに入ったら、オーバーキルもいいところだろ……」


「そうだね……なんか必要なものがあったら言ってね」


「あぁ、またなんかあったら声かける」


 リオがゲートを通ってどこかに行った。たぶん、シロの所だろう。俺はドア型のゲートがあるので、いつでも出入りはできる。


「あまり時間がない、はやくこの体に慣れないとな……」


 俺はその場に座り、魔力コントロールの修行を始めた。



 ※ ※ ※ ※


ーー次の日の早朝


 俺達は、ダンジョンの前にいた。


「やりたいことってのは終わったのか?」


「まぁ、ボチボチだな……」


 昨日のうちに、50cmぐらいまでの火球を作れるようになったが、そこからは壁に当たっている感じだ。ダンジョンの中でも暇があればやろうと思っている。


「何をやってるのかは知らねぇが、あんまり根を詰め過ぎると良くないぞ」


「そうですよ。相談してくれれば解決策があるかもしれません」


 2人に心配させてしまった様だ。


「あぁ、ありがとな。そのうち話させてもらう」


「そうか。ジンがそう言うならその時まで待つか。

それじゃ、ダンジョンに入るぞ!」


 レンが、祭壇に宝玉を3つセットする。足元の魔法陣が光だすと、視界が白くなっていく。


◆東のダンジョン……第1層『荒野』


 視界がハッキリしてくる。

 辺りは大小様々な岩が転がっていて、所々に草が生えている。大地は荒れ果てていた。


「荒野だな」


「何もねぇな……マップにも荒野が広がってるだけだ」


 レンが言う通り、マップには目的地になりそうなものは何も無かった。


「どっちに向かうの?」


「そうだな、どうやって攻略しようか……」

読んでいただき、ありがとうございます!

読みにくい文章でほんと、すみません


『面白い』

『続きが気になる』


と、思っていただいた方·····

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