第91話 ウィッドレート王国
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「もう一度、ブレスを打ってみるか……」
俺は手を前に突き出した。
手のひらの前に魔素の塊を作り出し、魔素と魔力を
流し込んでいく。
塊はみるみる大きくなっていき、あっという間に30cmを超えた。塊を圧縮してブレスを放つーー。
ブレスを放つと急激な脱力感に襲われた。やはり燃費は良くないようだ。
「さっきよりすごく早くなってるよ!」
「あぁ……これなら使えそうだ。
さすがに魔力を使いすぎたな……今日は早く寝よう」
「おつかれさま。宿にゲート繋げるね」
ブレスを完成させた俺達は、宿の部屋に戻って、早々に眠りについた。
ーー次の日の朝。
俺達4人は、シェリーさんの防具屋に来ていた。
「はい!これが新しい防具よ!」
シェリーさんから、防具を受け取った。見た目は今までとあまり変わらないが、ツインドラゴンの鱗皮を使うことで、強度が上がっているそうだ。
ちなみに、色は今まで黒かったところが、鋼色のような、黒みがかった銀色になっている。
「カッコイイね!」
「ジンだけずりぃな! 俺も頼んどきゃ良かったぜ……」
「レン様の防具は国宝なんですから、勝手に変えないでくださいね!」
レンの防具は国宝だったらしい……その話はいずれ聞くとして、俺は受け取った防具を着てみることにした。
「あんたは……」
「あ、え……ジン様!?」
「ちょ……ジンくん、ここで着替えるの!?」
俺が着替え始めると、女性陣が騒ぎ始めたが、気にせず、着替えた。
「サイズも着心地も完璧ですね!
シェリーさん、ありがとうございます!」
「任せなさい! 今回も代金は素材の余りでいいわ!
アンジュのいい教材にもなったし!」
アンジェリカも手伝ってくれたらしい。アンジェリカはまだ、顔を赤くしてこっちを見ている。どんなけ免疫がないんだ……
「それじゃ、これはお礼ってことで」
「え!?」
俺はシェリーさんの手に、金貨を5枚握らせて防具屋を後にした。
「それじゃ、先ずはギルドで、東のダンジョンについて聞くか」
「それなら、僕が説明しますよ?」
俺がいつも通り、情報を集めるためにギルドに向かおうとすると、ユダに止められた。
「もうダンジョンの情報が入ってるのか?」
「はい。東の『ウィッドレート王国』にある、イーストと言う町にダンジョンが出現したそうです。町の名前はお二人が言われた通りでしたね!」
「情報が早いな……」
「情報は大切ですからね!
ウィッドレート王国には陸から向かえるので、リオさんのゲートで王都付近に行ってから、魔導船で移動しましょう!」
「それじゃ、ギルドに挨拶だけして向かうか」
俺達は、ギルドに顔を出してから、東へ向かうことにした。ギルドでは相変わらずの朝のラッシュの中、数人が見送ってくれた。
仕事の邪魔にならないように、俺達は早々に退散した。
※ ※ ※ ※
「もう少し進んだ先が、ウィッドレート王国です。
国境には検問所があるので、この辺りから歩いて向かいましょうか。魔導船の説明は色々と面倒なので……」
俺達は王都付近にゲートで移動した後、ユダの運転する魔導船で東へ向かっていた。
ユダが嫌がるので、魔導船から降りて歩いて向かうことにした。
「検問所があるってことは、シグニンズ王国と仲が悪い国なのか?」
「そんなことありませんよ? 他の国にも検問所はありましたが……あ、ジンさん達は自分の船で海を超えたり、西の森を抜けたりして、正規ルートで他国に行ってませんでしたね……」
正規ルートというものがあったらしいが……
「正規ルートから外れれば検問所を通らなくてもいいってのは大丈夫なのか?」
「普通の人は正規ルート以外では他国に渡れないんです。海は魔物が出ますし、西の森なんて抜けれた人がいませんでしたからね」
「それもそうか……今までの検問所はどこにあったんだ?」
「コダパウア王国は陸の道と港町にありました。ウリタカント王国は海と川の境目辺りですね」
そんなことを話していると、検問所が見えてきた。
検問所には5m程の壁がそびえ立っていて、壁の前に小屋が建てられていた。小屋の中に3人居るようだ。
「止まれ! ここから先はウィッドレート王国だ! 身分証はあるか?」
小屋に近づくと、中から男が出てきて止められた。たぶんこの男はシグニンズ王国の国境の警備兵なのだろう。制服なのか、小屋の中にいる2人も同じ服装をしている。
俺達は、それぞれの身分証である、ギルドカードを見せた。
「冒険者か……Aランクだと!?
ウィッドレート王国に行く目的はなんだ?」
警備兵は驚きながらも、俺達のギルドカードを確認しながら、聞いてきた。
「俺達はダンジョンの攻略者だ。入国目的はウィッドレート王国のイーストに出現したダンジョンを攻略するためだ」
「あのダンジョンを攻略してる奴がいるのは聞いてきたが、お前達か……この書類を壁の向こうの小屋にいる警備兵に渡せば通れるはずだ」
警備兵から紙とギルドカードを受け取り、壁に向かった。壁には貨物馬車でも通れる程の大きな扉があり、小屋にいた警備兵達が開けてくれた。
壁の向こう側にも小屋があり、先程とは違う制服を着た、警備兵が立っていた。こちらの小屋にもあと2人待機していた。
「止まれ! 通行確認書類と身分証を提示してくれ!」
ウィッドレート王国の警備兵に止められたので、さっき受け取った書類と身分証のギルドカードを提示した。
「よし! 問題ないな。
ようこそ! ウィッドレート王国へ!
イーストはここから南東に行った場所にあるぞ!」
ギルドカードを返してもらい、ウィッドレート王国に入国した。通行確認書類とやらに、イーストに向かうことなどが書かれていたらしく、警備兵がイーストの位置を教えてくれたので、お礼を言ってイーストへ向かった。
「毎回、あんな面倒なことをして出入国してたのか?」
「そうなんだ……一々面倒だが、ユダがうるさいんだ……」
「うるさいとはなんですか! レン様は王家専属冒険者なんですから、こういう事はしっかりしとかないと、後々面倒なんですよ!」
「はいはい、わかってるって……」
検問所が見えなくなったところで、魔導船を取り出して、移動した。
しばらく進むと、辺りの景色が変わった。今までは冬の枯れた草原だったが、いつの間にか、緑の小さな苗が生えた畑に囲まれていた。
畑は見渡す限り続いている。畑を見渡していると、巨大な塔が視界に映った。
「あれって、ダンジョンだよね?」
「そうです。この畑の先にある町がイーストです!」
※ ※ ※ ※
◆ウィッドレート王国……東のダンジョンの町イースト
イーストは小麦の生産が盛んな町らしい。町に来るまでに見えていた畑は全て、小麦畑だったそうだ。
町はのどかな田舎町で、風車小屋もいくつか建てられているのが見える。その中でも一際目立つのが、ダンジョンの塔だ。
「ダンジョンに向かう前に、ギルドに許可を取りに行くか」
「そうですね、僕達の許可証も届いていると思いますし」
俺達は一度、ギルドに向かった。
ギルドは町の中心にあり、他の建物より少しでかい建物だった。俺達がギルドの扉を開けると、ギルド内の冒険者達の視線が一瞬こちらに向けられた。すぐに視線は外され、みんなガヤガヤと話しはじめた。
ギルドの早朝ラッシュが終わった後らしく、カウンターには受付嬢が1人だけで、他のカウンターは閉められていた。
「おはようございます。僕宛てに荷物は届いてないですか?」
ユダが受付嬢に声をかけながら、ギルドカードを提示した。
「はい! えーと……こちらですね!」
受付嬢は本人確認を済ませて、封書をユダに手渡した。許可証が届いていたらしい。
ついでに俺達もダンジョン攻略許可を取る事にした。
「ダンジョンに入りたいんだが、許可はもらえるか?」
「あちらのダンジョンは、他のダンジョンを攻略した方でないと、挑むことが出来ませんので……!?
すぐにマスターを呼んで参りますので!」
俺が提示したギルドカードを見て、受付嬢が奥の部屋に入っていった。
「応接室にご案内致しますので、こちらへどうぞ……」
別の職員が奥から出てきて、応接室に通された。
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