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第85話 ダンジョンの守護者と帰還


いつも、読んで頂き、ありがとうございます

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 俺達は、5層に続く祭壇の前に集まっていた。


「やっと西のダンジョンも終わりだね」


「これから守護者に会うのに、リオさんは平気なんですね……」


「へ……?」


 ユダの一言でリオの笑顔が引きつった。どうやら忘れていたらしい。

 リオとユダの空気が重い……


「怒られたら素直に謝ればいいんじゃないか?」


「そ、そうだよね……許してくれるかな?」


「別に怒られるって決まってる訳じゃねぇんだ

クヨクヨしてても始まらねぇだろ」


「そうですよね! 守護者に会いに行きましょう!」


「それじゃ、行くぞ!」


 リオとユダが覚悟を決めたのか、少し元気になった。

 俺は祭壇の本を手に取り、魔力を込めていくと、目の前の扉が白く光り、5層に繋がった。



◆第5層……守護者の部屋


 扉を潜ると、他のダンジョンと同じく、真っ黒な空間だった。


「ここの守護者の見た目は何でしょうか……」


「そりゃあ、亀、鳥ってきたらーー」


 レンの声が轟音にかき消された。

 俺達が振り返ると、そこには大きな口があった……


「っな!?」


 俺達は、反射的に後ろに跳んだ。


『逃げなくとも良いであろう……いや、我が突如現れたせいで驚かせてしまったのかのぅ?』


 そこには、大きな()がいた。

 身体が透き通った白い鉱石のようなもので出来ている。大きな蒼い目がこちらを見ていた。


「守護者か?」


『うむ……我がこのダンジョンの守護者じゃ』


「ごめんなさい!」

「すみませんでした!」


 リオとレンがすごい勢いで、頭を下げた。


『む? 何故謝るのだ?』


「「え?」」


 2人は理解できずに、キョトンとしている……


 ※ ※ ※ ※


『フハハハハ、成程のぅ……あの程度(・・)の町など、いくらでも作れるから安心せい』


「あの程度ですか……」


 守護者に2人が謝った理由を説明すると、笑い飛ばされてしまった。


「それで、一つ確認したいんだが、3層の遺跡を俺達の近くに移動させたのは何でだ?」


『決まっておるだろう、早くここに呼ぶためじゃ。

放っておいても、攻略するのは分かっておったからのぅ』


「おいおい、次の階層の入口を探すのが、ダンジョン攻略の醍醐味だろうがよ!」


『む? そうなのか?

人間の考えることはよう分からんのぅ……

だが、興が冷めることをしてしまった様じゃな……悪かったのぅ』


「いや、別にかまわねぇんだが……」


 レンは素直に謝られて、調子を狂わされたようだ。


「それで? 何で俺達を早く呼ぶ必要があったんだ?」


『今まで攻略されなかったダンジョンを次々と攻略していくお主等に早く会いたくてのぅ。

それに、彼の人よりお主等に、預かった物があるのでな……』


「預かった物? 俺達にか?」


『そうじゃ、お主等には期待しておるそうじゃぞ。

ありがたく受け取るが良い』


 そう言うと、俺の前に赤く輝く綺麗な塊が目の前まで落ちてきて、止まった。

 俺はその塊を手に取った。見た目の割にズシリと重みを感じた。

 3人にもそれぞれ渡されたらしく、リオは青い石が付いたペンダント、ユダはグローブ、レンは1振りの剣を受け取っていた。


『お主等の今、必要としている物のはずじゃ』


 そう言われて、俺は手元の赤い塊を鑑定してみた。


----------


【緋緋色金】<魔力伝導強化>

魔力伝導率が高い合金。


----------


「緋緋色金っ!?」


 俺は声を上げて驚いた。

 緋緋色金と言えば、小説などで出てくる伝説の合金だ。本物を見る日が来るとは思わなかった。


「これが俺に今、必要なものなのか?」


 初めて見る緋緋色金に驚きはしたが、喉から手が出る程欲しいと思っていたわけじゃない。この世界に存在していたこと自体、知らなかったぐらいだ。


『使い方はお主に任せると言っておったぞ』


「使い方は俺次第か……」


 能力付与(エンチャント)での使用時の効果は<魔力伝導強化>だ。こんな効果がなくても、俺の魔力は日頃の魔力コントロールの修行によって、高速移動させることができるので、必要ない。


「武器として使うのか?だが……血刀を超えれるとは思えないし……また後で考えるか」


 俺はしばらく、緋緋色金を見つめながら、ブツブツと呟いて、アイテムボックスに収納した。

 3人もそれぞれ手に持った品を眺めていた。


「ジンくん……これなんなのかな?」


 鑑定スキルを持っていない、リオが聞いてきた。代わりに鑑定して確認してみる。


----------


【賢者の石】

魔力の生成を行う石。生成された魔力は貯蓄され、使用者の力となる。


----------


「賢者の石か……魔力が勝手に貯蓄されるみたいだな。リオが使いたい時に使えるらしいぞ?」


 賢者の石らしい。素材ではないので、能力付与(エンチャント)での効果は表示されなかった。


「どうやって使うんだろ……」


『その石を手に持って、体の一部だと思うのじゃ。あとは、魔力を引き出すイメージで石から取り出せるはずじゃぞ?』


 リオが使い方に困っていると、虎が親切に教えてくれた。

 あの石の中には一体、どれほどの魔力が蓄えられているのだろうか……



「俺のは闇の魔剣だったぞ、ユダは何を貰ったんだ?」


 レンは唯一持っていなかった、闇属性の魔剣を手に入れて上機嫌な様だ。


「僕はグローブですね。特に変わった感じはありませんが……」


『そのグローブに魔力を込めてみよ……

硬くイメージすれば、硬くなり、炎をイメージすれば、燃え上がるはずじゃ』


「なるほど……」


 虎から使い方を教えてもらったユダは、グローブを着けて色々な型を試し始めた。


 ※ ※ ※ ※


 しばらくの間、思い思いの時間を過ごしたあと、虎から白い宝玉を受け取った俺達は、ダンジョンから帰還することにした。

 俺は緋緋色金の使い方について、しばらく考えていたが、いい方法は思いつかなかった。


「それじゃ、帰るぞ!」


 俺が本に魔力を込めると、俺達の体が白く光り始めた。徐々に視界が白くなっていく……


『ふむ……確かに面白い奴らじゃったのぅ。あの様な合金を渡すとは、彼の人は一体何を考えておられるのか……ジン……どの様に使うか楽しみじゃのぅ』


 俺達が転移した後、真っ黒な世界で、白い虎が静かに呟いたーー。


 ※ ※ ※ ※


 視界がゆっくりと、ハッキリしてくる……

 俺達の目の前には、ウエストのギルドマスターのアストロが、ギルド職員を引き連れて立っていた。

読んでいただき、ありがとうございます!

読みにくい文章でほんと、すみません


『面白い』

『続きが気になる』


と、思っていただいた方·····

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