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第46話 1層攻略と新たな敵


「来るみたいだ·····」


壁際に黒いモヤが集まっている

黒いモヤは俺達を囲むようにどんどん集まってくる


「何体出てくるの!?」


霧から形を変えてミアズマボアが大量に出現した


「かなり多いな·····リオは敵に近付けさせないように魔法で倒してくれ!」


「やってみる!」


「力加減を間違えないように注意しろよ!オーバーキルは魔力の無駄使いになるからな」


「うん!調整しながらやってみる」


リオが雷球を4つ浮かべながら言った

俺は血刀を5本創り出し、2本は手に持って3本を浮かべる

闘気と魔力強化は魔力温存のために使わないことにした

ミアズマボア達はこっちを威嚇しながら前足を掻いている


「行くぞ!」


俺はミアズマボアの大群に向かって突っ込んだ


『ッバーン!!』

後ろから光と爆音が響いてきた

リオが雷球で攻撃しているみたいだ


俺が突っ込むとミアズマボア達もこっちに突撃してきた

片っ端から近づくボアを斬りつけていく

確実に倒せるように、最低2本の血刀で同時に斬っていく


「くそっ!キリがないな·····リオ!真ん中に来てくれ!」


かなり倒したはずだが数が減る気配がない

一度リオと合流して体制を立て直すことにした


「なにかいい方法思いついた?」


「あぁ!一気に倒すぞ!とりあえず、自分たちを守るためにバリアをドーム状に張ってくれ!」


リオがドーム状にバリアを創るのを確認して、俺は5m程の火球を2つ創り、バリアの外側に浮かべる

次に、風魔法で創った竜巻を火球にぶつける

火と風が合わさって、火の竜巻が辺りを火の海に変えていく

ミアズマボア達は火の竜巻に巻き上げられながら燃えて霧になって消えていく


「すごい威力だね·····オーバーキルじゃない?」


「リオとレンの試合を見て思いついた複合魔法だ、低燃費でいい魔法だぞ?」


あの時はレンが回避のために風魔法を使っていたが、風魔法の使い方次第では火力をあげることも出来る

広範囲攻撃なので、1体に対しては使いにくいが、今回のように、1箇所に敵が集まっているなら好都合だ


しばらくして、ミアズマボアが全滅したのを確認し魔法を解いた

周りの石が焼かれて赤くなっているものから煙が上がっている

中には溶けてしまっているものもあるみたいだ


「先に消火だな·····バリアはまだ解かないでくれ」


俺は水魔法であたり一帯を放水で冷やしていく

湯気が上がり部屋がさらに熱くなる

湯気が無くなったのを確認してバリアを解いた


「魔石集めてくるね」


リオが魔石を集めに行った

石が溶けるほどの高温の中でも、溶けたり変形しているものは一切無かった

リオが魔石を集めている間に、俺は祭壇へ向かった


「ここから次の階層にいけるのか?教会と同じならこの本に書いてるはずだが·····」


俺は祭壇にあった本を手に取り、1ページ目開くと

『魔力を込めれば、道が開かれる』と書かれていた

他のページも、念の為確認したが、何も書かれていなかった


「全部集めたよ!とりあえず、全部異空間に置いといたけどよかった?」


「あぁ、ありがとな」


「次の階層に行けそう?」


「出口と同じでこの本に魔力を込めればいいみたいだ」


そう言って魔力を込めてみると

祭壇の奥の壁が白く光り始めた


「え?なに!?」


リオが驚いて俺の近くまで逃げてきた、壁は小さな光の粒になって消えてしまった

消えた壁の向こうは、通路になっているようだ


「ここに入れってことか?」


通路を進んで行くと、上に続く長い階段があった

俺達は警戒しながら、階段を登っていく

階段を登った先には、さっきの部屋にあったのと同じような大きな扉があった


俺が扉に近付くと大きな音を立てながら、扉が勝手に開いた

扉はゲートなっているようで、先が真っ暗になっていてなにも見えない


「これで間違いなさそうだな·····入ってみるか」


「うん·····」


リオが俺の服の裾を掴みながら頷いた

俺達は扉に入った·····その先には·····


木々が生い茂る森だった

湿度が高いのか、空気が湿っていて蒸し暑い

木や石には苔がビッシリと生えている


「2層目は熱帯雨林か·····」


まさにアマゾンを思わせる場所だった


「1層もそうだったけど、ここも静かね·····」


「あぁ·····異空間では生き物は作れないはずだからな、ここも例外じゃないんだろうな」


「でも、魔物は作れてるよ?」


「あれは瘴気の塊だから生き物じゃないのかもしれないな、リオもシロを作ったみたいに、異空間のルールに何かしらの抜け道があるのかもしれないぞ?」


「んー、魔素から魔物ができるだよね?ここの魔物は瘴気で出来ていて·····ここの魔物は生き物じゃないってこと?魔物ってなに?·····んー·····」


リオが無限ループに陥っている·····


「あまり深く考えない方がいいぞ?余計にわからなくなるからな·····とりあえず、次の目的地を決めたいんだが·····ちょうどお客さんみたいだ」


リオを無限ループから解放していると、近くに瘴気が集まり始めた


「今度はなんだ?」


瘴気が固まって魔物の形になっていく·····


「猿·····か?」


結構人の形に近いが、全体的に小さく中腰の姿勢だ

なにより、飛び跳ねて木にぶらさがっている

鑑定してみると·····


【ミアズマモンキー】Lv.45 / Cランク

【スキル】ー

【補足】瘴気の塊


「やっぱりそのままだな·····とりあえず、倒すか!」


俺は血刀を2本創り出して両手に持って構える


『ウキャーキャッキャッ!ゥキー!』

ミアズマモンキーが叫びながら木の上を跳び回って、木のしなりを利用してこっちに向かって飛んできた


「空中じゃ逃げられないだろ!」


俺はこっちに向かって突っ込んでくる猿の軌道に血刀を置くように斬りつける


「なっ·····」


血刀に当たる寸でのところで、猿がフォークボールのように落ちて軌道を変えた


『ゥキャー!』


俺の後ろに着地した猿が、俺の背中に飛びついてきた

猿の爪が俺の首元に届く瞬間、猿が爆発で吹き飛んだ


「大丈夫!?」


「あぁ、助かった!」


リオが火球で援護してくれたみたいだ

火球を受けた猿が標的をリオに変えたのか、リオを睨みつけている


「よそ見か?」


俺は縮地で近付き、2本の血刀で切り捨てた

猿は叫ぶ暇もなく、倒れて霧になって消えた


「今一瞬、霧になる範囲が大きかった·····敵も強くなっているってことか?」


俺が斬った瞬間、2本の血刀が当たる部分が霧になっていた

不意を付けたので、反応速度を上回れたのだろう


「魔石はボアのやつとあまり変わらないね!これも異空間に入れとくねー」


リオが魔石を拾って異空間に収納した


「さてと、目的地を探さないとな·····」


俺は魔力強化を使って垂直に飛び、周りを見渡す

見渡す限り緑一色、まるで緑の絨毯だ


「1箇所だけ開けている所があったぞ」


地上に降りた俺は、リオに報告する

一面緑だったが、1箇所だけ木が生えておらず、広場になっているところがあった


「木がないってこと?」


「結構遠くてあまり見えなかったんだが、それ以外は緑一色だったな·····とりあえず、向かってみるか」


俺達は広場に向かった

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