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平凡な、非凡  作者: 凛
2/3

出逢い


「ふぅ。」


自宅に着き、エレベーターの中。

7階までのこのエレベーターの中の待ち時間わたしは結構好きだ。



0時を過ぎ、日を跨いだこの時間は、本当に静か。



表示が、1、2、3、と変わっていく。オレンジ色の文字。ただただ ぼぅっと眺めていた。


急に止まったエレベーター。

…あれ、この時間に誰か乗る、なんて珍しいなぁ。


そんなことを思いながら開く扉の先を見た。




「こんばんは。」


開いた扉から、乗り込んできた男性。笑顔での挨拶。


…なんか、すごく綺麗な人。見たことない、知らない人だ。


「こ、こんばんは。」


ここに住んでる方じゃなさそう。

少したどたどしくなりながら、挨拶を返す。



「何階ですか?」

「えぇっと… 」


何故か苦笑いを浮かべる男性。



「…実はここに住んでる彼女の家に来てたんですけど、喧嘩して、追い出されちゃって」


あはは、と言いながら言葉を続ける。


「ちょっと屋上で煙草でも吸って落ち着こうかなって。なんか怪しいですよね、こんな時間に屋上って。すみません、変な者じゃないんで。」


「あ、あぁ… そうなんですね」


イレギュラーな返答に、微妙な相槌を返す私。



へぇ、彼女さんと喧嘩かぁ。4階には誰が住んでたっけ。なんて、野次馬根性かな。

そういやこのマンション屋上に上がれるんだったなぁ。今度休みの日にでも那月呼んで、日光浴でもしようかな。

しかし、なんだろう。この人、雰囲気が独特で、しかも本当に綺麗な人だなぁ。つい、見てしまう。


そんなことを考えているうちに、自分の階に着く。


「あ、じゃあ失礼します」




もう少しこの人を見ていたいなあ、なんて自分でもよく分からない感情に包まれながら、エレベーターを降りた。




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