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恋と台風

作者: the August Sound—葉月の音—

君を一目見たとき震えた心


そのときから僕は今までの僕じゃなくなった


君に一歩でも近づきたくて


でも恥ずかしくて近づけなくて


話しかけたくてもできなくて


意気地がないと思い知らされて




そんなとき君は僕に話しかけてきた


それは夢のような瞬間だった


たった一言の会話なのに僕の心は満たされて


この一瞬が長く続けばいいなんて思わなくて


ただもう一度だけ話せればいいと思って


もっと君に夢中になった




気づいたら僕らはただの友達になっていて


でも僕の気持ちには気づいてくれなくて


僕の心の中は君と話せる嬉しさと


僕の心に気づいてくれないもどかしさでぐちゃぐちゃで


昔は顔を見れるだけで嬉しかったのに


今は顔を見ると思い悩んでしまって




秋の台風がもし現れるなら


僕の恋心をその雨で洗い流してほしい


綺麗さっぱり跡形もなく流して


水溜りで僕の空いた心を満たしてほしい


秋の台風が現れるなら


強い風で僕の恋心を吹き飛ばしてほしい


あの空の向こうのもっともっと遠くに


二度と手が届かない場所へと飛ばしてほしい




なんてことを考える帰り道


たまたま入ったコンビニで君を見つけて


そこで君はファッション雑誌を立ち読みしてて


僕が声をかけると驚いてでも嬉しそうで


二本入りアイスを一本買って


コンビニ前のベンチに座って食べたんだ


一本どうぞって笑って渡す君が輝いていて


君から一瞬目が離せなかった




今年は台風来ないねって


君はアイスを食べながら言って


台風来たら授業なくて楽だって


でもみんなと遊べないのは嫌だって


少しワガママな君は笑って


でもやっぱ授業を受けたくないなって言ったんだ



二人で歩いく帰り道


不意にそういえば好きな人っているって君は尋ねて


僕はなんて答えればいいかわからなくて


少し困ったような顔をして僕に


君は私はいるよって言って笑って


僕もいるよって言って


でも確かに僕の恋の終わりを感じた




秋の台風がもし現れるなら


僕の終わった恋をその雨でぐちゃぐちゃにしてほしい


水で形作れないくらいにして


洪水で僕を溺れ殺してほしい


秋の台風が現れるなら


強い風で僕の終わった恋を吹き飛ばしてほしい


君をあの空の向こうのもっともっと遠くに


二度と手が届かない場所へと飛ばしてほしい




でも忘れられなくて


君に対して持った恋心は簡単に消えなくて


台風の目の中の晴天のように一瞬でいいから


君にこの恋心を知ってもらいたくて


僕は台風の中を走ってあのコンビニに向かったんだ




君はまた雑誌を立ち読みしてて


僕がずぶ濡れで入ってくるとやっぱり驚いて


でも雨でびちょびちょな僕を見て笑って


タオルを貸してくれたんだ


二人でコーヒーを買って


イートインコーナーに並んで座った




君はそんなにずぶ濡れになってどうしたのって聞いてきて


僕はなんて言えばいいかわからなくて


まあいいやって君は笑って


台風で授業受けなくて済んで


しかも友だちと遊べてラッキーって言った




意気地のない僕だけど覚悟を決めて伝えよう


今日は君に伝えたいことがあるんだって


僕は


君のことが


「好きです」




君は驚いてコーヒーを落としちゃって


慌ててナプキンで拭いていて


顔は真っ赤になっていて


僕は変なこと言ってごめんって


その場から走って去ろうとした




そしたら君は僕の手を掴んで


そしてこう言った


「私も君のことが大好きです」


顔を赤くして見つめ合う僕ら


叩きつけられる雨の音が拍手のように聞こえた




台風が過ぎた後の晴天の


暖かく強い日差しが僕らを包み込んで


二人の影がゆっくり重なって行く


君の手の熱と暖かい風と僕の熱が溶けていく


僕の片思いの恋心が両想いの恋心になる


まるで台風の発生のように







いやー詩って難しいね。なかなか頭使いました。

気が向いたら短編小説にしてみます。

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