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13話 親父の恋愛美学

ふぅ・・・・。


俺はため息をつきながら、学校に行くために靴を履いた。今日は参観日だ・・・。


「ほら翔太ネクタイ曲がってる」


冬華が俺の首に手をかけネクタイを結びなおしてくれた。俺はもう顔の熱さがピークになるのを感じた。


「若いねぇ・・・・」


「そうだな」


そう言ってんのは俺の親父と冬華の父さん。お調子者だったんだな冬華の父さん・・・。


「全くパパったら、さっ翔太行こう!」


「あ、ああわかったよ、行くか、行ってくるよ!」


俺は元気に家にいる家族に言った。


「「「行ってらっしゃい!」」」


見事に俺の母さん、親父、冬華の父さんの声が一致した。




「おっ!なんだなんだ!また夫婦で登校かよ!かーっ見せ付けてくれるねぇ」


「うっせーよ」


俺は仙田の言葉と幸先のニヤつきを適当にあしらいながら席に着いた。


「翔太、今日は参観日だ」


座ると同時に下田の声がした。


「あ、あぁそうだな」


相変わらずこいつは音もなく移動してくる。夜道とかで会いたくはないタイプだ。


「俺は夜歩くことはほとんどない」


ゲッ!こいつ俺の心まで読めるのか。


「今のセリフもさっきのも全部言葉に出てたぞ」


「そのとうりぶつぶつと独り言を・・・」


仙田が腕を組みながらやってきた。幸先はというと大方、大崎先生に会いに職員室に行ったところだろうか。


「まぁ翔太の母さんなんて来ないんだろ」


「それが・・・・・」


俺は今までのことを包み隠さずに話した。仙田は目を丸くしていたがまぁ大方予想どうりの反応だ。


「まぁよかったじゃねぇか、来るなんてよぉ!」


「そんなもんじゃねぇよ、むしろ来なくていいって」


「大崎先生が来たぞ!」


幸先がわくわくした声でクラスに良く響く声で叫んだ。


そこで俺たちは会話を中断して席に着いた。




俺は普通の学校生活を満喫しながらすごしていた・・・。




が!




やってくるものだ!参観授業というのが。


ギュルギリギリグオオーン!!!!!


参観授業まであと1時間というところで俺は車のエンジン音を聞いた。


「翔太あれって・・・」


あぁ、間違いない俺の親父だ(いや、俺の親父たちか)。


見事なドライビングテクニックでしっかりと駐車してドアから出てきた人物。


そう、それこそ俺の親父だった。




ついにやってきた。参観授業が・・・。


「どうもあなたが先生ですか?私工藤翔太の父の工藤・ジョセフ・ジーンといいます、どうです今度お茶でも・・・」


担任の大崎をすぐに口説いている奴が恥ずかしながら俺の親父、そしてその後ろで核兵器並みの殺気を出してるのが・・・。


(親父死んだな・・・)


もちろん俺の母。親父はその殺気を感じゆっくりと振り向いた。顔が引きつっている。


「は、はは・・・、冗談ですよ先生・・・では」


そういってそそくさと親父は母の隣に並んだ。冬華の父さんは優雅にたたずんでいる。


(ううーん冬華かわいいなぁ、全く早く翔太君にもらわれないかなぁ)


そんなことを考えているのは翔太も知らないが・・・。




まぁ参観授業自体はそれほど問題がなくすすんだ(幸先が大崎が口説かれたのを見て終始不機嫌だった)。


ふぅ、終わった終わった。


「いやー工藤君のお父さんってかっこいいよねぇ?」


「うんうん、でもその奥さんみたいな人、なんかもう絶世の美女みたい」


クラスの女子が話してる。本性を知らないからいえるんだよなぁ。


「翔太!かーえろっ!」


元気にこっちにやってくるのはもちろん冬華。今日は冬華の父さんが来たのでうれしいんだろう。


「あ、あぁ帰るか」


「そういえばもうちょっとだね」


???なんかあったっけ???


「もう!私と翔太の誕生日じゃん!!」


ああ、俺は思い出した。冬華が12月18日、俺がそれより3日後の12月21日。


「誕生日プレゼントは期待してるから!!」


ふう。全く忘れてたな。どうしよう。


そんなことを話しつつ2人は家への道のりを歩いた。




参観日も終わり俺の親父たちも明日には帰るそうだ。


「眠れないな・・・」


俺は1人夜中にリビングに行った


「翔太?どうした?」


そこには俺の親父がいた。


「いや、ちょっと眠れなくて」


「そうか・・・・・・」


そういった親父の言葉を背に、俺は冷蔵庫からジュースを出して親父の向かいの席に腰掛けた。他の人はみんな寝ている。


「ところで・・・・・」


俺がジュースをグビグビと飲んでるときに親父がいきなり切り出した。


「冬華ちゃんとは付き合ってないのか?」


ブヴォア!!!


俺は飲んでいたジュースを吐き出した。


「なにすんだよ!あーっきったねぇなぁ」


「いきなり何言いやがる!!」


この親父は突拍子もないことを言いすぎだ。


「好きなんだろ?」


いつにもなく親父が真剣な顔だ。こんな顔を見たのは久しぶりだな・・・。


俺はよく考えた。時間が長く感じる。親父も黙っていた。


・・・・・俺は冬華が好きだ・・・。


もう一人の俺が問いかけるような気がした。心の中で。


・・・・・でも冬華は君の事が好きなのか?


わからない。


もし冬華が他の人を好きだったら?


それは・・・・・辛い。


ならすぐにアタックかけるんだ。


ん?何かおかしい。


前を向くと親父が小声で俺の声色をまねて話していた。


ボグッ


俺は親父の頭頂に拳をぶち込んだ。


「痛ぇー!てめぇ!」


「あんたが俺で遊ぶからだ」


しかし親父は急に真顔になって言った。


「好きなんだろ」


おれは、うっ、と言葉に詰まったが何とか言った。


「ああ・・・まぁ・・・」


親父はまんざらでもなさそうに言った。


「やっぱりなぁ、うーんいいな。若いってのは」


「そうかい」


「ああしかし翔太」


「なんだよ急に」


「・・・いや、アタックするなら誕生日になーと思って」


「考えとくよ」


「そう俺と母さんはな・・・・・・・・・・・・」


そう言って俺の親父は過去の自慢話を語った。しかし俺は楽しかった。親父と話をすることが。


「・・・・・・・・・・・・ん?もうこんな時間か」


「あ・・・・・」


気がつくともう夜中の2時。


「寝るか・・・」


「ああ・・・」


俺はそう言って部屋に戻った。


また明日になれば・・・そして学校から帰ってきたら・・・もう親父たちはいないだろう・・・。


しかしそれもいいんじゃないかと思った。


他の人は中学生が同棲なんて・・・。と思うだろう。


でも俺は言いと思う。


なぜって?それは・・・。





親父を心の底から信じて、尊敬してるからだ・・・。


月明かりが翔太の顔を幻想的に照らした。

はい遅くてすいません!!真龍です。

いやー皆さん!そろそろ受験シーズン、がんばって欲しいですねぇ!!

最近の真龍ですが・・・。

もう友達とは今でもEVAの話ばっかりです。皆さんは去年にやってた「序」見ましたか?

小説感想にそういうことも書いてくれてもいいです。

むしろうれしいです・・・。はい。

後この話時期外れですね。いや、パチンコが出たんでね。やりたいなぁ・・・。

さて次回はいよいよフィナーレに向けて。些細なことで喧嘩した二人。冬華の誕生日3日前から冬華の誕生日までを書きます。まずは翔太サイド。

次回「離れる二人・・・これって家庭内別居みたい?(サイドS)」です。

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