11話 おいかけろ!あのゴールへと!
はあああ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
1人廊下をとぼとぼと歩きながら。大橋さんのクラスへと歩く翔太。
「まぁしょうがないか・・・」
そうこうしているうちに着いてしまった・・・。
「あ!先輩!!」大橋が翔太の姿を見つけると一目散に駆け寄ってくる。
「あの返事は考えてくれました!?」
「わかったから、ちょっと来てくれ」
そういうと翔太は人気のないところに連れて行った。
「先輩?」
大橋はかわいい顔を向けながら、聞いてくる。(あーきっついなー!この顔見てるといえねぇ)
「あの・・・・じつは・・・ごめん」
この後とても大橋の哀しい顔があるだろうなぁと思っていた・・・。
が!
「そうですか・・・でも自分の思いを伝えられたんでいいです!!」
と、笑顔で言った。
「ごめんな」と俺は精一杯の笑顔で答えた。
「いいんです・・・・あのこれを・・・」
大橋が手の何かを渡そうとしたとき、チャイムが鳴った。
「わりい、授業だから」
と言って俺は走って教室に戻った。大橋をおいて・・・。
授業も終わり、翔太は冬華と話しながら帰っていった。
「で、ちゃんと返事したの」
「あ、ああ」あいまいな返事だが冬華にはしっかり話したと感じ取ったようだ。
「そうか・・・・・・」
そういってその後に冬華の話した言葉に俺は耳を疑った。
「たまにはメールぐらいしてあげなさいよ」
「はぁ?なんだよそれ?」
とたんに冬華は怖い顔をして。
「あんたにメルアド書いた紙わたしたんでしょ」
そうだった、冬華は同級生からそのことまでを聞いていた。もちろん冬華は翔太のことが好きだが、それぐらいは・・・という気持ちだったのだ。
「い、いやチャイム鳴って戻ってきちゃった」
その瞬間、冬華に雷が落ち、翔太には思いがけない言葉が飛び込んできた。
「何言ってんのあんた!あの子もうすぐ転校するんだよ!」
「へ?ほ、本当かよ!」
俺はさすがにそれは知らなかった!そんなことならしっかりと受け取っとけば・・・。
「でも、また学校くんだろ」
「はぁ、バカじゃないの!あの子、今日は挨拶に着ただけでもうこないんだよっ!!」
「え・・・・・・・・」
俺は絶句した。
その後互いに気まずくなり、何も話さないまま家に着いた・・・。
部屋に入り・・・・俺はずっと考えていた。
俺は後悔の気持ちでいっぱいだった・・。どうすればいいんだ・・・せめて・・・・あ・・・そうか!
俺はおもむろに携帯を取り出すとある人にかけた。
短いコール音の後、そいつはすぐにでた。
『はい!幸先!』相変わらず元気のいい奴だ。
『あのよー俺だけど』
『ああ、翔太かどうした』
俺はいきなり切り出した。
『大橋の転校先わかるか?』
『ああ、隣の○×県だろ』
『いつ、そっちに行くかわかるか?』
『あのなー俺の情報網なめんなよ、確か明日の朝8時に中央駅だったかな』
『OK!センキュウ!!』
そう言って俺は幸先の言葉も待たずに電話を切った。
次の日の朝、俺は冬華と一緒に行かず学校とは逆の道を走っていた。
くッそー!今7時45分!俺は脚をフルスロットルで走った。
早くしないと!!
大橋はその頃駅で切符を買っていた。
「ほら早くしなさい!先行ってるわよ」母の声がいっそうさびしさを募らせる。
大橋が改札を通ろうとしたときだった。
「待ってくれ!!!!!!!」
「待ってくれ!!!!!!!」
翔太は大橋に向かって叫んでいた。
「先輩・・・・・」
「大橋だったな」
そう言って翔太は大橋に歩み寄って手を差し出した。
「なんですか?先輩?」大橋はもううれしい気持ちだけだった。
「メルアドの紙、くれるんだろ」
「え・・・・いいんですか」
「ああ、女の子の気持ちを踏みにじるわけには行かないからな」
その瞬間だった大橋の目から涙がこぼれ始めたのが。
「せ・・・んぱ・・・・い・・・」
「泣くな!!なっ!泣くなよ!」翔太はあわてて言った。
「あの・・・・・・これです・・・・・・・・・ありがとうございました」
そう言って大橋はかわいいメモ用紙を差し出した。
「そうか、あ、やべぇ!!」
そう言って翔太は時計を見た。8時25分、やばい・・・。
「じゃあな俺は学校行くけど、メールするからな!!」
「あの・・・先輩!!」
走ろうとする翔太を大橋は呼び止めた。
「なんだ?」
「やっぱり先輩の好きな人って神崎さんですか?」
翔太は少し考えた後思いっきりの笑顔でうなずいた。
「ああ!そうだよ!」
「おっそ〜い工藤君!!」大崎の声が響く。
現在8時55分。間違いなく遅刻だった。
「どうしたの!!こんなに遅くに!」
その答に翔太はこう言った。
「メモもらってました」
みんな首をかしげていたが冬華だけはわかっていた・・・。
「全く、あのバカ・・・・」
冬華の呟きは誰にも聞こえることはなかった・・・。
おつかれさんです・・。おれ・・・。
後あけましておめでとうございます。もうそんなこんなで2008!俺は受験期!死にたい・・・。
さて次回は学校で参観日!ついにあの男がやってくる!
次回「親父への殺意2」です。