第05話 冷静と激情
次話です。
前回のコメントがもう凄かったですね^^
触れてはいけない扉があるのだと知りました。
入学して1ヶ月ほどが過ぎた。
まだ少し風が冷たいものの、気持ちのいい穏やかな気候の中で過ごしている。
ミリアと一緒に少し早めに登校すると、いつものように一番乗りは麦わら帽子を被った少女だ。
「おはよう、リーゼ」
「おはようございます、ソラ、ミリア」
「リーゼおはよーっ!!」
基礎魔術概論の授業の後、リーゼは「ヘンティ・クロウリーが憎いのは変わりません……でも、ソラはソラで別なんだと思うことにしました」と言って、普通に話すようになってくれた。
ミリアとも割と仲がいいようだ。
しばらく三人で雑談する。
「みんな、おはよ~!」
のんびりした声で現れたのは、ホビット族の少年。
名前はビノルト、みんなは"ビノ"と呼んでいる。
同じ魔具科の子で、小柄でのんびりした彼は"見ているだけで癒される"と評判だ。
あの授業の後、リーゼだけでなく魔具科のみんなの俺を見る目も少し変わった。
平民出身の生徒たちが、割とフレンドリーに話してくれるようになったのだ。
「でもさ、僕ホッとしたよ」
「何が?」
「クラスにいる魔具科の生徒はソラとリーゼでしょ? ソラは貴族だし、リーゼはピリピリしてたし、友達になれないと思ってた」
ビノは小さい体で大きな身振り手振りをしながら、俺とリーゼにニコッと笑いかける。
くっ……この癒し系めっ!!!
教室には続々と生徒が現れる。
と、一人の女の子が、教室に入って来た。
褐色の肌にボーイッシュな短い茶髪の、薬術科の子だ。
「ミリアちゃーん!!!」
ミリアに突進したかと思うと、ガシッとしがみつく。
「ちょっとシャロ!!!」
「はぁいい匂い……猫耳触らせて」
「ちょ……えっ……待っ……やめ――」
「はぁはぁ……」
うんうん、ミリアも薬術科の生徒と仲良くやっているようでひと安心だ。
そんな感じでしばらく談笑していると、教室に一人の生徒が入ってくる。
……魔術科の、リーゼの麦わら帽子を燃やそうとしていた少女だ。
リーゼの視線がスッと下がる。
「……今日も来ましたよあのクソ貴族の女がああ嫌だ嫌だシルフィに聞きましたけど私の気付かないところでも嫌がらせをしてたんですね人間のクズですよ本当にクズクズクズクズクズクズクズ麦わら帽子が燃やされてたら私たぶん抑えがきかなかっただろうなもしそうなってたら両手両足を別々の馬にくくりつけて――」
「リ、リーゼ!?」
「地獄の三丁目――はっ!? すみませんソラ、私ボーッとしちゃってました」
「う、うん……」
魔術科の女を見てみると、涙目になってガタガタ震えていた。
毎朝、教室に来る度にこの調子じゃ、いずれ登校拒否になってしまうんじゃないかと逆に心配になる。
「ソラのおかげで、最近は嫌がらせされなくなりましたよ!」
「リ、リーゼ自身の力じゃないかな……?」
「私は何もしてませんよ」
「……いやホント」
精霊のシルフィが、震えながら同じ精霊のネスカにすがりついていた。
過去に何があったのかは聞かないことにしよう……。
生徒が集まってくると、始業の鐘が鳴った。
ウリー先生が教室に入ってくるが……
……ん?
ウリー先生のうしろに……
……なにやら、半透明のオッサンが見える。
ポヨンポヨンに出たお腹。
薄い頭髪。
背中には、ネスカたちと同じような羽……?
ダルそうに耳を小指でほじりながら歩いてくる。
……なんだあれ。
「なぁネスカ……もしかして……すごく信じたくないんだけど……あのオッサン、精霊か?」
ネスカはコクリと頷く。
マジかよ……
オッサンの体は、普通の人間くらいのサイズがある。
きっとすごく力を持ってる精霊なのだろう。
なんだけど……
確かにそうなんだけど……
オッサンはセクハラな眼差しでウリー先生の胸をチラ見している。
誤魔化すように工夫しながらチラチラと。
全然誤魔化せていないが。
精霊は気まぐれに気に入った人間のところに現れることがあるらしいし……ウリー先生、気に入られたのかな。
オッサンが俺の方を見た。
俺とオッサンの目が合う。
オッサンは自分自身を指差し、首を傾ける。
"俺のこと見えるの?"って感じだ。
俺がコクリと頷くと、何やら慌てた様子で――
そのまま教室から走って出ていった。
……何なんだ、アレ。
「はーい、みんなおはよ~! 今日も1日よろしくね♪」
透明なオッサンがすごく気になる中、本日も学院の授業が始まった。
※ ※ ※
最近、昼ご飯は屋上で食べるようにしている。
……俺もミリアもいろいろと注目されてしまったから、どうも食堂だと落ち着いて昼食をとれないしな。
メンバーは、俺とミリアだけではないだけではない。
麦わら帽子のエルフの少女、リーゼと。
癒し系のホビットの少年、ビノ。
魔具科の2人を足した計4人が、ほぼ固定メンバーになっていた。
「レイアさんにはそろそろ直接お礼を言いたいです」
「僕も! 例のなんとか亭に連れてってよ」
実は、4人の弁当は全てレイアが作っていた。
リーゼもビノも寮暮らしで、生活費もギリギリ。
家でミリアとそんな話をしていたら、レイアが弁当を作ってくれると言い出したのだ。
「2つも4つも同じ……」
と、レイアは言っていたが……
個々の好みに合わせて中身を変えているため、労力は倍以上になっていると思う。
「私は、サンドイッチと野菜中心のおかず。 レイアさんさすがですね、美味しそうです!」
「僕のは……やった! チーズがいっぱいのピザパン、ヨーグルトも付いてる!!!」
「私は……お肉~っ! さっすがレイア!」
それぞれバラバラの要望に、本当によく答えてくれてるなぁ……
しかもそれぞれ、バランスを考えた副菜付き、だ。
今度労ってあげよう。
さて、俺も弁当を開けるか……
「俺のは……こ、これは……」
弁当の中身は。
海苔や玉子や野菜などを使って作られた"俺とレイアの顔"……だと!?
いわゆるキャラ弁って奴だ。
「うわ……すごいそっくりじゃない!!!」
「リアルですね……この顔がレイアさんですか」
「僕たちのとは気合いの入り方が違いすぎるよね」
これはもう、ひとつの芸術と言っていいだろう。
……そう言えばこの前、指先にマナを集める練習してたな。
コレのためか……
俺たちはなんやかんや話しながら、レイアの弁当を食べるのであった。
昼休みが終わり、3時限目は「魔具理論」の授業だ。
魔具を実際に作るのはまだ少し先の話。
今は座学の段階だ。
先生はホビット族のお婆さんである。
「"始祖の魔具師"ヤナギ……かの"ヤナギ魔具師国"の初代国王であった彼女も、ゼロから魔具を生み出した訳ではありませんでした。 皆さんは"魔方陣"というものをご存知ですか?」
「魔具史の授業でやりました!」
「あら、ウリー先生はずいぶん詳しいところまで教えて下さってるのね。 古代遺跡からは、今でも解明できていない様々な"魔方陣"が発掘され、調査が進んでいます。 魔術師がそこにマナを流すことで、詠唱では難しい複雑な魔術が発動する仕組みに――」
ウリー先生の授業でも聞いたが、魔方陣の文字を真似たものをミスリル銀で形作ることで魔具は生まれた。
「集魔石からマナを取り出すという発想は"始祖の魔具師"ヤナギのものですが、ルーンについては魔方陣由来のものです。 皆さんにはまず、古代の魔方陣について理解を深めて頂きたいと思います」
先生は教科書を開きながら、魔方陣の説明を始めた。
「そうそう、1ヶ月後の授業で、王都付近にある遺跡に潜ることになります。 本物の魔方陣はそこで見られますよ。 魔術科と合同になりますので……」
うわー、合同か。
また嫌なイベントだ。
遺跡には興味あるけど、魔術科とはあんまり関わり合いになりたくないんだよな……
実は、例の基礎魔術概論の授業でリーゼを助けた後、いろいろと面倒なことになっていたのだ。
俺を疎ましく思ってる連中は相変わらずで、相手にする気もないから別にいいのだが……
「数年前の"クロウリー家の天才"の噂はデマじゃなかった……!!!」
「君、魔術科に転籍しないかい?」
「アニキと呼ばせてくださいハァハァ」
「卒業したら我が銀狼騎士団に入団しないかい?」
「魔術研究所の実験台は君のために1つ空けてあるぞいヒヒヒ」
「私の養子に――」
「いやいや私の――」
「いや私こそ――」
四方八方から大変だったのだ。
しばらく魔術師の相手はお腹一杯だ。
――カーン カーン
授業終了の鐘。
「今日はここまでです。 よく復習しておくように」
先生が教室から出ていく。
「ソラー! 次なんだっけ?」
すかさず、ホビットの小さい体がちょこちょこと俺の前に現れた。
ビノだ。
「次は……呪術学だな。 薬術科と合同だ」
「ってことは、ミリアも一緒~?」
「だな。 一緒に行こーぜ」
「うん!」
俺はリーゼとビノと一緒に、次の教室へと向かおうと席を立ち上がり――
ゾクッ
何者かの視線を背中に感じた。
まさか魔術科の……?
俺はパッと振り返った。
――――そこには、透明のオッサンがいた。
オッサンと目が合う。
……これで精霊じゃなかったら、ただの不審者だ。
しばらく見つめあっていると、リーゼが俺の様子を不思議に思ったようだ。
「ソラ、どうしたんですか?」
「……いや」
「言ってください、友達ですよね?」
「ありがとう、本当になんでもないから……」
"透明なオッサンが見える"なんて言ったら間違いなく変人扱いだ。
俺が黙っていると……
リーゼの視線が下がる。
「……ソラは私のことを友達だと言いながら大事なことは何も私に打ち明けてくれないんですね分かりますただクラスが同じだけのなんでもないクラスメイトですもんねでも精霊が見えたりいろいろと助けてもらったり学科まで一緒なのにちょっと冷たいと思いま――」
「ちょ、ちょっと聞いてくれるかリーゼ」
「もっと積極――あ、はいソラ、なんですか?」
「あそこに精霊の気配を感じるんだが、何かいないか?」
俺がオッサンを指差す。
うーんと首を捻るリーゼ。
「うーん、特に声は聞こえな――」
オッサンが慌てたようにダッシュで逃げる。
「足音聞こえました!」
「うん!」
俺は足を強化して、オッサンを追いかける。
廊下の端を曲がったオッサンが見えて、俺もそこまで一気に跳ぶ。
「なんだなんだ!?」
「速っ!!! 武術科か!?」
「いやアイツ例の……!」
あぁもう、またいらん噂が立つ!!!
それもこれも、あのオッサンのせいだ!!!
階段をズンズン上がるオッサンは、だんだん息切れしてきた様子だ。
ってか……羽があるなら飛べばいいのに。
俺は一気に距離をつめると、オッサンの首根っこを捕まえた。
ネスカと遊んでいて覚えたのだが、精霊は意識を集中するとモノをすり抜けることができる。
が、こちらがマナを集中して捕まえると、それが出来なくなるようなのだ。
「オッサン、何者だ?」
オッサンがジタバタするのをやめたので、俺は手を離した。
こちらを向き口をパクパク動かすオッサン。
必死にいろいろ説明しているようだが――
「ごめん、全く聞こえないんだわ」
ズーンと膝を落とすオッサン。
すると、前方の扉が開いた。
アレは――
「学院長!?」
「ソラ・クロウリーか……あんた、あたしの部屋の前で一体何してるんだい?」
年老いたエルフのお婆さん。
入学式でファンキーな挨拶をしていた学院長が部屋から出てきた。
学院長を見たオッサンは、一目散に学院長のもとへと向かった。
オッサンは必死に何かを訴えているようだが……。
「な……おい、クロウリー。 今すぐあたしの部屋に来な! あんたに聞きたいことがある
俺は学院長に言われるまま、学院長室に足を運んだのだった。
※ ※ ※
学院長室に入ると、そこには高そうなテーブルとフカフカのソファがあった。
俺は奥に座る学院長の対面に座る。
「失礼します」
学院長はじっと俺を見つめる。
なんだろう?
――カーン カーン
「あ、授業……」
「後で教師には伝えておくから、補講でなんとかしな……」
学院長は、肩で息をしている半透明のオッサンに指示を出す。
「こいつの体を調べな」
オッサンは俺に近づいてくると、体をペタペタと触り始めた。
「オッサンに触られるのは気分悪いな……」
「どうやら、精霊が見えるってのは本当みたいだね」
「あ……」
「にわかには信じがたいが……」
オッサンは俺から離れると、学院長のそばまで戻る。
「精霊が見えるのって、そんなに異常なことですか?」
「異常も異常、前代未聞だよ。 そうだねぇ……あたしからの特別授業だ」
学院長がニヤッと笑いながら俺に尋ねてきた。
「あんたは耳でモノを見ることが出来るかい? 目で食べ物の味を知ることが出来るかい?」
「いえ、出来ません……」
「だろう? "どんなに優秀な目や耳を持っていても、本来の機能を超えたことは出来ない"……ここまではいいかい?」
うん、それはいい。
光センサーで味は分からないし、決められたモノ以外は認識のしようがないからな。
「それを大前提として、次はエルフの耳の話さ」
「はい……」
「少し話は変わるけど、あんた"音"の正体ってなんだと思う?」
音の正体。
前世では学校で習っていたが……
「……空気の振動、ですか?」
「……っ!? よくそんなマイナーな知識まで頭に入れていたもんだね」
学院長は軽く驚いている様子だ。
「そこまで分かっているなら話が早い。 いいかい、エルフのこの長い耳はね、見た目だけじゃなくて機能も他の種族とは違うんだよ。 細かく言えば、他の種族は"空気の揺れ"を検知する機能しか持っていないのに対して、エルフの耳は"空気の揺れ"に加えて"マナの揺れ"を検知する機能があるんだ。 この耳の尖った先端部分にね」
学院長は自分の耳の先をチョンチョンと触る。
「あんたたちも、"マナの揺れ"は肌で気配として感じているんだけどねぇ、それをあたしらは"音"と同じように感じるワケだ」
そうか……どんなに耳を強化しても精霊の声が聞こえないのは、精霊の声は"空気の振動"じゃなくて"マナの振動"だから。
そして、それを検知する器官を持つのは、エルフだけだと。
「そんな中、お前は"精霊が見える"という。 これはね、"目が良い"だけで済まされる事じゃないんだよ……これを異常と言わずになんと言うんだい」
「……まぁ、確かに」
俺の目は、構造からして普通の目とは違う、ということだな。
「あたしはあんたが魔具か何かを持ってると思ったんだが、調べさせても何も持ってないようだし……」
「……はぁ、持っていませんけど」
「ハズレか……? いや、もしかしてあんた自身が……」
学院長は立ち上がると、俺のそばまでやってくる。
「その年でいくつもの無詠唱魔術を使い、精霊を見る。 あんた……」
学院長が俺の肩を掴む。
「あんた、ヘンティ・クロウリーに何をされたんだい?」
……わかった。
そういうことか。
「俺は、何もされていません」
俺は学院長を睨んだ。
……数年前、ひとつの下らない噂があった。
"ヘンティが孤児を使って怪しい実験をし、平民から魔術師を生み出すことに成功した"
無根拠の噂。
もしかしたら、どこかの魔術師がプライドを保つために吐いたデタラメが元になってるのかもしれないが。
この学院長もそのクチか……?
当時ヘンティさんは笑っていたが、俺はこの噂に本当に腹を立てていた。
……ヘンティさんはかなりひどい嫌がらせも受けたのだ。
噂が落ち着くまで、無遠慮な言葉の嵐にさらされていたヘンティさんの背中を思い出す。
……正直、冷静になっていられない。
イライラする。
「そう睨むな……質問を変えるよ。 ヘンティ・クロウリーと新米教師のウリーが、何かやりとりをしている様子はないかい?」
「知りません。 知っていてもあなたには教えません、絶対に」
「嫌われたもんだねぇ……まぁいい、いずれ明らかになるさ」
「話はそれだけですか……失礼します」
俺は立ち上がり、学院長に背を向ける。
「ヘンティ・クロウリーが何か怪しい魔具を開発している様子は? 生活魔具はその課程――」
「黙れ」
「待ちなっ! このままじゃとんでもないことが――」
「お前にヘンティさんの何が分かるんだ!!!」
「あんたこそ、あの男の何を知ってるんだい……?」
――バンッ!
大きな音をたて、学院長室の扉を閉めた。
落ち着け、落ち着け……
頭で唱えても、一向に落ち着かない俺の心。
俺は熱くなった頭のまま、まだ授業途中の教室へ向かうのだった。
※ ※ ※
学院が終わった後、俺は"薔薇の香り亭"に来ていた。
今日はミリアだけでなく、リーゼとビノも一緒だ。
リーゼもビノも初めて連れてきたのだが、二人はものめずらしそうに周りをキョロキョロ観察している。
ローラさんはニヤニヤしているから、きっと二人をからかおうと画策しているのだろう。
レイアが俺の横に座った。
「ソラ……なんか怒ってる……?」
テーブルの上に置いていた俺の手を、レイアが握りしめる。
……なるべく見せないようにしてたんだが、よく分かったな。
「ちょっとな。 ……ヘンティさんを悪く言われて、腹が立ってたんだ」
レイアがポンポンと俺の頭を撫でる。
「なんだか頭がカッと熱くなってさ……いつも冷静でいないとダメだって、昔レイアを助け損ねた時に学んだハズだったんだけどな」
怒りをおさえようとしていたが上手くいかず、イライラしたまま思考が止まってしまった。
悪いクセだと分かってるんだが。
学院長の言葉には裏がありそうに思えるんだが、ちゃんと考えられるほどの冷静さをまだ持てない。
「冷静に、考えなきゃいけないんだ」
「ソラ、大丈夫……だよ」
レイアは俺のことをまっすぐ見つめ、ひとつひとつ言葉を紡ぐ。
「ソラが熱くなるのは……心が暖かいから。 頭を冷やそうとして、心まで冷やさないで……」
そういうと、俺の方にスッと飲み物を差し出す。
これ……
「ホットミルク……ソラが昔、私にくれた"心"だよ」
「……レイア」
「何があったか話して。 ソラは怒ったままでいいから……二人で一緒に考えよ?」
俺の頭を支配していた焦燥感が、スッとなくなった。
そうだな。
俺一人じゃ冷静に考えられないことも、一緒に考えれば大丈夫だ。
そう思った途端、先程までのイライラが嘘のように消えた。
今まで誤解していた。
冷静になるって、こういうことだったんだな。
……うしろから、視線を感じる。
「もう~妬けちゃうわ☆ウフフ」
「私もソラの話を聞かせてほしいです」
「僕も友達でしょ?」
ローラさん、リーゼ、ビノ……
「ソラ! 私もいるってこと、忘れないでよっ!?」
ミリア。
そうだな、みんな俺の友達……頼ってもいい、俺の仲間だ。
「みんな、ちょっと聞いてくれないか――」
最近、ヘンティさんの周りが何やらきな臭い。
俺たちは互いの情報を持ちより、状況を整理してみることにした。
さて、ここから少しずつ物語が動いていきます。
ご期待下さい^^




