第8話 異世界転生ヒーロー、人材争奪戦に巻き込まれる!
俺は今、椅子に座らされ、左右から美人に両腕を掴まれていた。
右手には王国直属・鬼軍曹ことレオナ・ブラッディスカーレット。
左手には魔王軍CEO・ルシファーネ魔王。
二人とも笑っている。が、目は全然笑っていない。
「勇者は我が王国直属の人材。身柄を引き渡せ。」
「いえいえ、こちらには正規のヘッドハンティング権がありますので♡」
「ヘッドハンティング権とかこの異世界どんな人事制度だよ!!」
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レオナが真っ赤なオーラを放つ。
「我が王国は【健全な体育会系職場】!目標達成型でスキルは無限成長!成績次第で報酬アップもあり!!」
「健全?朝5時から夜25時の勤務、残業代ゼロだったんですが!?」
ルシファーネがエレガントに髪をかきあげる。
「弊社は【フレックス制・福利厚生完備】♡試用期間中はリゾート地研修つき。なおその後は魂ごと回収します♡」
「そっちも落とし穴全開じゃねぇか!!」
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だが二人の口撃は止まらない。
レオナ:「何より我が王国は“伝統”がある!国を背負う誇りがある!お前のようなチンピラにはもったいない立場だ!!」
ルシファーネ:「あらあら♡弊社は“自由”がある♡毎日好きな時間に起きて、好きな場所で働けて、上司から理不尽な説教もありません♡」
俺:「理不尽なら昨日、剣でしばかれた記憶がまだ新しいんですが!!」
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すると突然、魔王軍から新たな刺客が現れる。
「ふふふ……新人研修担当の“スウィート・リリィ”です♡」
現れたのはふわふわピンク髪、胸がバグった悪魔系ギャル。手には“新人歓迎会プラン表”。
「初月は【スイーツ食べ放題研修】♡二ヶ月目は【温泉合宿】♡三ヶ月目は【リゾート勤務】♡」
「俺の魂、もう抜かれてんのか……?」
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それに対抗し、レオナも叫ぶ。
「なぁにがスイーツだ、ヒーローは汗と涙で育つ!!貴様は明日から【伝説の特訓三ヶ月コース】だ!!」
「それ絶対死ぬやつぅぅぅ!!」
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俺は震える指で【伝説のサボり術Lv.999】を発動しようとした……が、両サイドの美人上司からガッチリロックされ、スキル無効化。
「さあヒーロー、選べ!!」
「地獄式パワハラ王国」か、
「甘い罠のブラック魔王軍」か!!!
選択肢:
①もう働きたくない(New!隠し選択肢解放)
②もう働きたくない(New!隠し選択肢解放)
③もう働きたくない(New!隠し選択肢解放)
「詰んだァァァァァァァ!!!」
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【続く】