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第5話 地獄のブラック軍隊式修行、開幕!

次の日の朝——


「ヒーロー、おはようの時間だ!!」


バァン!!!!!


重厚なドアが木っ端微塵に吹き飛び、俺の幸せな睡眠は強制終了した。


「……夢じゃなかったんか……」


目の前には昨日の美人騎士長レオナ・ブラッディスカーレット。見た目は美女、口調は鬼、勤務態度は完全ブラック。


「本日よりお前は我が“鬼軍曹特訓メニュー”を受ける!サボりスキルは無効化済みだ!」


「嘘だろオイ!!??」



訓練場に引きずられた俺の目に飛び込んできたのは、恐怖のスケジュール表。


✅午前:全力モンスター狩りマラソン100km

✅昼:スライム素手討伐(ノーガード戦法限定)

✅午後:騎士団式筋トレ(終わるまで帰れまテン)

✅夜:魔王軍偵察シミュレーション(リスポーンあり)


「人間の労働じゃねぇ……」


「安心しろ、ヒーローは人間の域を超えた存在だ!」


「よく考えたら俺まだレベル1なんだけどおおおお!!!」



そして始まる地獄の修行。

午前のモンスター狩りマラソンはスタート3分で全身筋肉痛。

昼の素手スライム討伐はプルプルしたスライムに逆に弾き飛ばされ、顔面泥まみれ。

午後の筋トレは腕立て10回目で腕が天に召されかけた。


「ヒーロー失格の烙印を押される日も近いな」

レオナが鬼のように笑う。


「……こいつ、本気で俺を潰しに来てるな……」



しかし俺は社畜時代を思い出した。

「何時間でも残業できたあの精神耐久!」「理不尽上司の無茶ぶりにも耐えたメンタル!」

異世界の労働ぐらいで負けてたまるか!!!


「燃えてきたぜ……レオナ教官、次は何ですか!!」


「フッ……意外と根性はあるようだな。だが夜の特訓が本番だ!」


レオナが不敵に笑い、俺の目の前に一枚の地図を突き付けた。


「これより魔王軍領土・偵察任務に行ってもらう」


「やっぱり無理ィィィィ!!!」



こうして俺の労働環境は異世界でも相変わらずブラックだった。

でもちょっとだけ、心はスッキリしていた。

俺の心の中の社畜魂が叫んでいた——


「クソ上司でも美女なら許す!!!」


【続く】


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