7
「大丈夫ですか?」
「はい…。ありがとうございます」
同い年18の女今崎さん
石川県の皆が盲目になって目指す某国立大学に通っている八重歯の子。少しほんのりふくよかなんだけど全然僕は気にしない。いや多分その方が良いんだろうな
「最近多いんですよね。大学生になったからって少し前まで税金で助けられていた子供なのに自分が18を超えた途端にまるで自分が1人前かのように振る舞う人。ほんと嫌いです」
僕はこの人が好きなのだと思う。この鋭くとがれた竹槍のように殺傷能力の高い物言いや静かで少し暗いところ。ただ嬉しいが嫌なことに彼女の顔が可愛いので他にも男がいるのではと不安になってしまう。見られぬようコンビニ備え付けのに行かずわざわざ1度反対の西口へ行って喫煙所へ行ったり匂いを気にしてアイコスにしたり本当僕が僕じゃないのような気がして嫌だな
「あっファ〇チキ時間ですよ」
廃棄時間の書かれた紙を指さしながらそう言うと嬉しそうに今崎さんは
「貰ってっていいですか?」
と聞いた
これがまた良い。いつもはクールなのだが食べ物の話になると人が変わったように目をキラキラさせる。ふくよかな理由がよくわかる……いやそう考えるのはやめよう。頭の中を読まれたら嫌われるからな
トングでファ〇チキを取り袋に入れようとすると、やらかした。肉汁がとんと乗ったファ〇チキを床に落としてしまった。悲しき音と共に酷く肉汁が溢れる「すいません」必死に謝りながら落ちたそれをとりゴミ箱に捨てると今崎さん僕をじっと見ていることがわかっ
た。何か言わないと
単純な追い謝罪を口から出そうとした
「ドンマイ」
僕の方をとんと叩き笑った
これを好きにならないのは無理であろう、そんなこと人倫に反してしまう
だが酷いことに楽しい時間はすぐ過ぎるもので気がつけば2時間が経過し今崎さんはシフトを上がってしまった。僕の残りシフト時間は4時間だが交代相手は都会特有の陽キャギャルで積もる話も何も無かったのでここでは書かないことにしておこう
断言しておくが。NTRをこの物語で出すことは無い安心しなさい