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凡庸  作者: 雪涼
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小銭が溜まる性分でした

買い物をする時大きい方を出すと細かい小銭が手に入る。ここまでは他の方と同じです。ですが次に買い物をする時小銭を使うことが出来ないのです。人間社会を生きていけている世間様から見ましたら何故か分からないと思いますが今回のことに関しては共感を抱く方が多いのではと思います。レジで並んでいる時小銭をちまちまと取り出していたら自分の後ろに並んでいる人になんて言われるのか怖くてたまりません。

経験論で語るときっと何も言われないのですがそれでもやはりじっと凝視はされるでしょう。そんな些細なことでも僕は注目を浴びたくないのです。ですので大きいのを出し気づけば小銭だけがジャラジャラなる財布となっていくのです。

なぜいきなりこんな話をしだしたのか不思議でしょう。なぜなら僕は今人っ子一人居なくなった駅のホームでただただがま口をジャラジャラ鳴らして遊んでいるからです。スマホの充電は切れているが何がなんでも勉強だけはしたくない。そうなった結果がま口ジャラジャラしかできることがないんです

ですが面白いことに小銭の大きさや穴の有無などのせいか強さや向きによって少し音が変わるのです。時に激しく時にストンと落とすように音の違いを楽しんで何とか次の電車まで待っていようと思います。と小説なら書きますが現実はそう甘くなく実際音の違いなんかねぇよ。ただただジャラジャラだよ。

ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ

ひとつの芸しか仕込まれなかった猿のよう僕は耳元でがま口を振り続けた。ふと見上げると防犯カメラと目が合ったので決めた顔でピースをひとつやってやりました。


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