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【ナガレボトケ】夢枕に立つ溺死した夫は「仏壇に水は供えるな」と訴える。しかも遺体は【ヱビス神】へと神格化され、巨大なアイツに乗って町にカツオの魚群をもたらす

作者:尾妻 和宥
私の夫は8カ月前、嵐明けの海へサーフィンに出かけ、そのまま帰らぬ人となった。遺体は今も見つかっていない。
いつしか夜ごと夢枕に夫の幽霊が立つ。たっぷり潮水を飲んで死んだのだから、仏壇に水は供えないでくれというのだ。どうやら千葉の南房総には、海で亡くなった人の仏壇には水を供えるべきではないっていう風習があるらしい。

夫の幽霊は訴える。――遺体はある連中に盗まれたといい、私に取り返してくれと泣きついてくる。
亡骸を奪ったのは、なんと地元の刺網漁イセエビ専門の漁師。
漁師の言い伝えによると、漁に出かけ、もしも水死体を見かけたら、好むと好まざるとにかかわらず拾ってあげるべきだという。その見返りとして船は豊漁に恵まれると信じられていた。これをナガレボトケといい、もしも拾わないと、逆に不漁になるとも恐れられているらしい。

私は漁師のトモさんを尾行し、山の祠に祀られているのを見届ける。
トモを問い詰めると、夫は【ヱビス神】として神格化させたという。
夫自身は、神として祀り上げられたことにまんざらでもなかったのか。
町に福をもたらすため、夫はとんでもない巨体に乗って、カツオの魚群を引き連れ帰ってくる……。


※本作は夏のホラー2025企画作です。お題は『水』。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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