何時かきっと謝りたい
高校まで一緒な幼馴染が2人居た、音楽の才がある女子と、スポーツが出来る男子だ、俺には才は無かった、話を聞き応援することしかできない奴、他にも応援する奴は居る、正直言って要らない奴だ、他人が言った「お前邪魔だ」と、そんなのは分かっている、分かっているんだ…だから距離を置くようにした、招待状が来た、何でも自作曲の発表会だと言う、また私に聞いて欲しいと言う、私ははにかみ言った「分かった」それしか言えなかった、当日行って聞いた、素晴らしい恋の歌だったが、恋心を抱く相手が居るのだとその音が自分との友人関係が分不相応で邪魔だったかを、強く教えてくれたようで、少し、泣いてしまった、刳りたく成るほどに。それからは人に合わせ笑う様になった、例え自分の笑いと相手の嗤いが違うものと知っても笑い続けた、仮面を被り続け高校最後の春が来たまた、招待状が来た、高校最後の卒業コンクールだそうだ、断る事にした、恋心を抱く相手に聞いてもらえば、きっと私と言う邪魔がそこには無いから、1回くらい想いを寄せる人に聞いてもらって欲しいといって、そこからは連絡先を切り話す事もなくなった。
ある日ばったり会った、バイト終わりに店前を通りがかりのその人が、肘を組まれ連れてかれた、女性に触られる機会は無いが、女性に欲情が湧くほど気力も体力も無い、拉致監禁で訴えたら勝てるだろうか?、連れて行かれたのは近所の焼き鳥屋だった、席に着き何も話さず私は空き時間にやっている絵の構図や設定を考える、酒を飲む、胸ポケットに入れた煙草ケースとズボンポケットのライターが煩わしく啼いている、「何してんの?」その言葉が嗜虐的に思わせんばかりに私に刺さる言葉だった、「何時もの習慣を欠かすまいと」と少し皮肉気味に言った、「そう」と終わらせた他人の目は冷徹で呆れている、私は逃げるようにテキトウな話題を振る、「さ、最近どんな曲作ってるんですか?」「恋愛、そっちは?」淡泊な声だ「東京藝術大学二浪中です。」一度大学は出たが藝大を目指し勉強中なのは違いない、言葉は最低限、酒も金をかけたくないため最小限、相手は暇なのかペースが速い、「なんでさ、最後来てくんなかったの?」そんな事を聞いてくる、「私は、あの時間違いなく邪魔者だったと思いまして、もう私は貴方様に迷惑をかけたく無かったので」そう言うとやはり「そう」と他人は言った、私は気まずくなり1杯だけのビール代を机に置いて帰った、なにか沢山質問を最後された気がする、「住所どこなの」「一応連絡出来るようLINEを交換しない?」会うことはもうないんだから、と言って答えなかった、私は明くる日の朝一番に昨日のバイトを辞め、これで自由と暇を手に入れたと思った、私は近くの山に植わっている柿の木に会いに行く事にした行くことにした、たしかこの季節は柿の花が綺麗に咲いていたはずた。
数日後、誰も居ない部屋にはつけっぱなしのテレビから音がひとりでに流れている『男性が一昨日、自宅近くの山で遺体になった状態で見つかりました、一昨日遺体で見つかったのは東京都八王子市に住むの安井祐介さん(24)、近所に住む人によりますと「優しい人だった、自殺する様な人じゃ無かった」と話しています、警察は事件性は無いものとして調べています。』