3.そんなの入れないで!大腸内視鏡
ずっと汚い話のターン!
お食事中には見ない方がいいです。
大腸内視鏡検査、それは今も記憶に残る恐ろしい検査──。
さてさて、エッセイ内では10月に入りました。
体調が治ったらお寿司食べに行こっ!ってパートナーと話しておりました。
そして大腸内視鏡検査の前に寿司と鰻を堪能致しました。
まさか、鰻もトロも食べられない体になっていたとは知らずに……。
はい、それでは私が受けた大腸内視鏡検査について語りましょう!
まず、最初に受けた検査は大腸内をくまなく観る為、前日からお粥や素うどんを食べて消化を良くしておきます。
そして寝る前に下剤投下。
少し冷やした液体の下剤を100mlの水に溶かして飲む。
その方が飲みやすいそうです。
あらやだ、案外美味しいじゃない。
(※薄氷は悪食です。冷凍ピザを焼かずに食べるくらいの悪食です)
ドキドキしながら就寝。
朝4時起床。(怖くて目が覚めた)
念の為の入院セット(ティッシュ、箸&スプーン、下着、靴下、薬、お薬手帳など)をスタンバイ。
これは、万が一大腸内視鏡でポリープが見つかって切除した際に、出血が止まらなかったら当日入院になるのでその為です。
それらを持って、8時30分に病院に到着!
お腹が早くもゴロゴロ。
トイレに駆け込み、それから採血へ。
それから超音波検査室へ。
私が検査に行った日は私を含めて8人くらい患者さんが居たかな?
患者の取り違えを防ぐ為、入院患者用リストバンドを巻かれ、2人ずつ壁に向かって座ります。
机の上には、隣の人の物と間違えないように透明の衝立と、名前を書かれた下剤、同じく紙コップ、お通じの状態チェックシート、検査の説明用紙などなど。
下剤を飲んで腸を綺麗にしないと内視鏡検査を入れても何も見えませんから、まずお腹のお掃除からです。
血圧を測定後、9時から2時間かけて下剤「ピコスルファート」を1リットル投下。
ピコスルファートの味はポカリスエットの薬品入りみたいで個人的には美味しかったです。
(※何度も言いますが薄氷は悪食です。普通の人なら不味いか、飲めない事は無いが美味しくもないという感想でしょう。)
15分おきに下剤を用意された紙コップで飲みます。
2時間かけて下剤を飲んだあとは持参した水かお茶、紅茶(砂糖抜き)を1リットル飲みます。
何故でしょう。隣のおじ様の紙コップはシマウマの柄なのに、私の紙コップはゴリラ柄。まぁ、私は体型がゴリラみたいなものですからね。でも私の顔はゴリラよりも、聖剣伝説シリーズのラビに似ています。
ゴリラの紙コップに対抗心燃やしてないで話を進めましょう。
私は昔からお通じが良すぎて、トイレに行けばいつでもお通じが出る体質でした。
なので、初めての下剤・ピコスルファートはキツかったのでしょう。
飲むといきなり下します。
ところが、下剤!すごいです!お腹やお尻に痛み無く排便できます。
下剤で腸が綺麗になるまでの2時間の間、足踏みをしたり、体を捻ったりしてお通じを出しやすくします。
用を足したら、トイレットペーパーは便器横のポリ袋入りバケツに捨てます。
そしてナースコールで看護師さんを呼び、ここでもやっぱり看護師さんに排泄物を見せるという羞恥プレイ発生です。
普段からお通じの悪い人は不利どころの話じゃないです。
私が検査に行った日はおばあさんが1人混じっていましたが、なかなか便が出なくて大変そうでした。
汚い話ばかりですみませんが、検査可能なお通じの状態とは何も濁りの無い黄色の液体だけです。
私は10回お手洗に駆け込み、2番手でその状態になりましたので、他の人を待ちながらスマホいじってました。
大方の人が検査可能になったら、1人ずつ検査着に着替えます。
お尻の部分にスリットが20cmくらい入った不織布で出来た検査用パンツ(紺色)を穿いてから、検査着上下を着ます。
湿布もカイロもアクセサリー類も、勿論スマホも検査室には持ち込めません。
という訳で、私は替えのパンツと読みかけの鬼平犯科帳を持って更衣室を出ました。
これから自分がどんな痛い目に遭うかも知らずに、点滴されながら片手で斬った張ったの小説読んでる私は暢気オブ暢気。
そして────
私の順番が。来た。
(ここからは常体形体混じります)
看護師「うすらいさーん」
私「はーい」
看護師「こちらへどうぞー」
看護師の手には、私の名前が書いてある薬袋。しかし、そこには「麻」とデカデカと載っている。
私 (麻薬……いや、麻酔だな。普通に)
検査室に案内されたら、下の検査着を脱いで、検査着上と検査パンツだけで検査台に上がります。台は膝が沈む程フカフカ。
スポンジを敷き詰めてあるのでしょうか。
左半身を下にして、横になります。
膝は可能な限り折りたたむと、後に主治医になる女性の先生が優し気に声を掛けてきた。
先生「うすらいさんですねー、ごめんねー、お尻にゼリー塗るねー。気持ち悪いよー」
私「はーい」←まだ自分がまな板の上の鯉だと気付いてない。
先生「指入れるねー。気持ち悪いよー」
BLみたいに、つぷ、とかじゃないです。
遠慮なしに指を根元までねじ込んでくる。
がすっ!が正解である。
私「!! (ぐはっ、「アッー!」とか言ってる場合じゃねえ!痛え!)」
そして内視鏡が私の尻をモニターに大写しにする。私が最初に見た自分の尻は……
みっつに割れていた。
(尻と太ももだった/爆笑)
看護師「痛み止め入ります」
私「!?(まだやったんかい!?)」
先生「内視鏡入りまーす」
私「は。はい……(ヤメテー!そんな太いモノ入る訳……アッー!!!!)」
容赦? そんなものかなぐり捨てられている。向こうは早く検査をして、人数を捌かなければならないのだ。
私は痛みを堪えてモニターを見た。
そこには赤くただれた腸が映っていた。
思わず素に返る。
私「うわ、きったねぇ腸」
先生「www」
余裕な振りをしてるが、腹の底から上へカメラが抜き足差し脚忍び足、じゃないけど
BL風に言うならジュプジュプと抜き差ししながら腸を遡ってくるのである。
痛い。というか苦しい。
私「ポリープ…はあり…ますか?(ぐっ、いてぇ)」
先生「ポリープがあるかどうかは、帰り道に見ていくから、先に奥まで見させてねー」
S状結腸を通過する際も辛いが、横行結腸を曲がる時もひどく痛む。
胃やら内臓は圧迫され、息も絶え絶えである。
この時になってようやく私は自身が跳ねる事もままならない俎上の鯉と気付いた。
その間にもぐりぐりと内視鏡は奥に進む。
私「この、検査結構痛い、ですね。叫ばれる、患者さんはっ、いらっしゃい、ますか?」
何を聞いておるのか。でも何か喋らないと悲鳴を上げそうだった。
先生「そうですね…そういう患者さんが居ないとは言えません。ですからうすらいさんはとても上手に検査を受けてくれてますよ~。上手上手~」
這い這いが上手い赤ちゃんを褒めるように褒める先生。
先生「うーん、今、【盲腸の中】まで見てるんですが、上手く【小腸】に入らないね。コツが要るんですよ。横向きに入口があるから」
ぐはぁぁーーー!!知らん内に大腸を通り越して盲腸までぐりぐりされて、更に小腸だとー????
私「あ、錠剤が腸に張り付いてる」
先生「よくあるんですよ。すごいよね。消化しないで張り付いてるの。……小腸も見たかったけどやめておきましょうか」
雨だから洗濯物は内干しにするしかないか、みたいな気軽さで人の腸の奥深くまで覗かないで欲しい。
ここからは戻るだけなので、痛みは少しマシでしたが、その代わり尻から出てる液体は何?的な?
先生「ポリープはありませんけど、大分荒れてるねー」
私「確かに赤いですね」
先生「うすらいさんの場合、【軽症】だけど【潰瘍】が少し入口の方に出てるから」
私「……潰瘍性大腸炎ですか」
そんな気してたぁ。
先生「そうなるわね。まだまだ軽症だけど、お薬は飲んでもらわないとねー。生検いきまーす。開いてー。挟んでー。切りまーす」
私「ほー」
生検とは腸の組織をクリップみたいなもので挟んで切り取り、がん化してないか調べる検査です。
これはまったく痛くないので、三、四箇所切り取られても平気でした。
抜いていく時はあまり痛くない代わりに空気を入れて腸を膨らませながら戻るらしい。
なので、検査中からガスが止まらない人もいるらしいが、安心しておならを出していいらしい。どんな安心だよ?
約30分。
苦しさに耐えて、最後に内側から肛門を見せてもらって検査終了。
流石に動けなくて、下着を看護師さんに穿かせてもらって、車椅子で退室。
廊下にある休憩ベッドで2時間グッタリと休む。
途中で主治医のN先生と話す。
N先生「薄氷さん、大丈夫かな? あのね、僕も今聞かせてもらったんやけどね」
私「ぶっちゃけ軽症の潰瘍性大腸炎ですか」
N先生「うん。まだ軽症やけど、検査してくれた先生から聞いたら飲み薬が出るそうなんやんか」
私「(›´ω`‹ )」
もうどうにでもしてくれ。
そうして出されたのが、アサコール400mgという茶色いお薬。
朝昼晩の3回、1回3錠飲む。
この時は、まだ良かったのだ。本当に。
10月のストレスで暴食し、11月に虚血性腸炎が再来するまでは。
この検査の2日後に敬愛していたロックバンドBUCK-TICKのボーカル・櫻井敦司さんがお亡くなりになり、24日にその事実が報道されてストレスMAXでした。泣きながらご飯食べてた。