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3、ヒールで儲けよう

「お金を稼ぐのはどうしたらよいのかしら」

 クレアが朝食の時間にそう言うと、父親は答えた。

「豊かでは無いが、日々の暮らしがおくれてクレアにも苦労はかけていないと思うが、不満なのか?」

 父親は心配そうにクレアに尋ねた。


「いいえ、お父様。私はこの生活に不満はありませんわ」

 母親が口を挟んだ。

「舞踏会でなにかあったのですか?」

 クレアは母親の勘の良さに感嘆した。

「お母様はなんでもお見通しですのね」


「クレアは舞踏会から帰ってきてから、ずっと何かを考えていたでしょう」

「……お金の稼ぎ方を考えておりました」

「そうか」

 父親はため息をついた。

「クレア、足るを知ると言う言葉を知っていますか? 欲望には限りが無いのですよ」


「ええ、お父様。でも、パーカー卿はロールズ家を貧乏男爵と馬鹿にしたのですよ」

 クレアはプンプンと怒って、パンを囓った。

「好きなようにしなさい。ただし、ロールズ家の品位を下げることはしないように」

「ありがとう、お父様」


 朝食を終えると、クレアは治療所を開くことを思いついた。

「私、ヒールの魔法は得意ですもの」

 離れの小屋を使って、冒険者達に治療所を開いたことを伝えた。

「俺たちを治してくれるのか?」

「ええ、お代は頂きますけれど」


 次第にクレアの治療所は評判となり、お客さんも集まるようになった。クレアの働きで、ロールズ家はより名声を得た。それは、クレアは怪我をした人はお金がなくても食品や出世払いという名のツケでも治療してしまったためだった。つまり、大した稼ぎにはならなかった。


「困りましたわ。忙しくなっただけで、これでは貧しいままですわ」

 クレアはまた考えた。そして、思いついた。


「そうですわ! ジャガイモを使ったフライを売って稼ぎましょう!」


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