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真実の手紙

とある異世界。地球に似た温暖な気候が1年中続く世界。

今日は 所有している山の畑のリンゴの実がなり始めたから妻とリンゴ狩りをしようと約束していた。


トモちゃん「あら あなた釣り竿なんて持って今日はリンゴ狩りのはずでしょ?」


トモちゃんはリンゴでパイを作ろうとしているのだろう、こねた生地を寝かしつけてバスケットを片手に玄関へ来てみれば 俺が釣り竿を抱えて立っているのだから驚いたかもしれない。

活発なショートの髪型に 天才だと言うことを気付かせ無くするくらいの無邪気さがある表情をしている。


ピョンタ「いやいや リンゴ狩りだろ?わかってるよ。リンゴの木の近くに小川があっただろ?小川のせせらぎを楽しみながら 君と大事な話をしたいんだ。」


トモちゃん「話?そうね 小川でお昼ご飯を食べてもいいわよ。でも 釣り竿は必要かしら??」


結局俺は両手にバスケットを持った。釣り竿はもちろん剣のように腰に刺してモル小屋へ向かった。


「プイプイプイプイ!!」


モル小屋につながれているモルモットの中から しとやかな毛並みの三毛のモルモットを連れていくことにした。

「毛つやのいいモルモットだ。この子を出してくれ」

「はい 親方様」


妻は いつも乗っている茶色いモコモコのモルモットにバスケットをうまく括り付けて上に乗った。

妻もこの地に来たばかりの頃は モルモットの乗り方に少々手間取っていたようだが 今は中々の腕前に育ったようだ。


俺たちは半日近くかかって リンゴを収穫し、モルモットたちにもリンゴのおすそ分けをしてからお昼にしようと小川へ向かった。だけど 小川につく前に急に水が飲みたくなりそして。


ピョンタ「はぁ 。。 くっ苦しい・・」


心臓をグッとつかんでうずくまってしまった。

体がしびれて力が抜ける・・。


トモちゃん「あなた!! 待っていてすぐにお医者様のところへ行きましょう」


だけど私が立ち上がろうとすると ピョンタはトモちゃんの手をグッとつかんだ。


ピョンタ「君と 話がしたいって言ってただろ?うっ。。。 大丈夫・・大丈夫・・はぁはぁ・・大事な話なんだ」


こんなときに話すことなんて なにもないでしょ?

トモちゃん「話なら後で聞いてあげるから 今は急ぎましょう。 モルモットたち~!こっちへおいで!!」


「プイプイプイ!!!」

モルモットはピョンタに駆け寄りクンクンと顔の匂いを嗅ぎ出した。


ピョンタ「ああ そうか。この三毛のモルモットは俺が最初に飼っていたモルモットそっくりだ。あはは なるほどな。トモちゃん。聞いてほしい。 俺にはもう時間が残っていないようだ。本当はちゃんと伝えたかったけど伝えることが出来なくて残念だよ。。。 

それにしても俺の人生は 幸せだった。それは モルモットたちやそして愛する君がいてくれたからなんだ。

うっ、体が熱い。愛が溢れそうだ。

トモちゃん 今までありがとう・・・・。」


トモちゃん「あなた!」


「プイプイ グルルルル」


ピョンタはコックンと息を吐いてそのまま息を引き取った。

その夕方 運ばれたピョンタは使用人と私ま手伝って棺桶に寝かせた、パイも焼いてみたけど、かまどからは焦げたパイの臭いがして失敗してしまった。


私は泣き止んでから やらなければいけない事を思い出した。

旦那の死のことを 旦那の知り合いに知らせなくちゃいけない。

そして旦那の部屋にあった 魔導通信の水晶に魔力を吹き込んだ。

ピョンタが操作をするところを見たことがあったから複雑な通信は無理だけど、ショートメッセージを送るくらいならできるはず。

そっと手をかざすと 彼の好きな青白い光の粒が現れて 

光の粒は放たれていた。


「さてと 近所にも知らせに行かないと」と私は小さな町の付き合いのある人たちに話を伝えた。


「おや なんてこどだ」

「ピョンタがねぇ ワシより先に行ってしまとわ なんと言うことじゃ」

「あんなにいい人が居なくなってしまったなんて・・」


旦那は 特別何かがある人でもない。穏やかな人だと思っていたけど。

意外とファンが多かったみたいで 少しだけやきもちに似た感情を感じてしまった。

でも 次の日になるともっと すごいことになってしまった。

色々なところから 沢山の人たちがピョンタを訪ねて集まってきた。

見たことのない種族の人たちや、姿を変えているけどおそらくドラゴンかそれ以上の存在の人もいるみたい。

私の知っているピョンタは 実はピョンタではなかった。

みんなが彼との思いでを語り明かして夜が更けた。

私の知らないことばかり、そしてみんなは私を見て「あなたがあの・・・」といだそうとしては口を閉じてしまうけど 私ってなんだろう? ピョンタとの年の差の事を言いたいのかしら?確かに私は若いけど それは人族の間の話でしょ?あなた達なんてどうせ100年以上生きてるくせに。


そんななか 丁寧な口調の紳士が話しかけてきた。

「そろそろ いいでしょうか。私はフジャラと申します。実はピョンタ様よりあなた様にお伝えしたい事があると生前にお手紙を預かっております。恐らく今後のことについて書かれているのだと思いますがあなた様がこの手紙を今晩読まれて。明日は あなた様がピョンタ様の意思を皆様の前で伝えてほしいのです。」


手紙を受け取ると周りがザワザワとした。けど すぐに何事もなかったように話し始めたので私は部屋へ戻ってきた。

薄暗い部屋に戻ると 疲れがドッと押し寄せてきた。

「私って こんなに疲れていたんだ」 

私はピョンタと違って若いけど、でも 体と心が同時に疲れちゃうのって辛いわ。

私は ピョンタが時々してくれたように 自分で自分の頭を撫でてみた。


「あなた。。いいえ。ピョンタ・・・。」


あの人が何者なのか。知ってつもりだったのに知らなかった。

悔しさを感じながら私は ピョンタの手紙を読むことにした。


・・・・


この手紙を読んでいると言うことは 俺はもうこの世にいないということだね。

あの話はちゃんと伝えられただろうか?

君にとっては とてもつらい決断になる。もしかしたら俺のことを恨むかもしれない。

でも わかって欲しいんだ。 君のことを愛していると言うことを。

そして理由を書く前に 俺の昔話に付き合ってほしい。。

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