私とあの人の愛は本物
雅弘さんにあったのは近所のカフェだった。
オシャレでコーヒーも美味しくて、私のお気に入りのカフェ。
そこに一人でよく来ていたのが雅弘さんだった。
コーヒーの好みも同じで、そのカフェ以外でも頻繁にあうようになり、自然と交際するようになっていった。
幸せだった。
私を1番に考えてくれて、大切にしてくれて。
この人以上の人はいない。
そう思った。
「まなちゃん以上の人は見つからないと思うんだ。」
そう言われた時、とても嬉しかった。
ああ、この人も私と同じ気持ちだったんだ。
「結婚してほしい。」
そう雅弘さんに言われた私はまさに有頂天になっていた。
その後に実は結婚していて子供もいることも知らされたけど、それはその時の私には些細なことだった。
早く雅弘さんと結婚したい!
その気持ちだけが私を動かしていた。
雅弘さんが結婚する前に会わせてくれた子供ともすぐに仲良くなれた。
そして、前の奥さんの前で私の方がいいと言ってくれ、私は思わず感動してしまった。
まだ数回しか会ったことのない私にこんなに懐いてくれるふたりがとても愛らしく感じた。
前の奥さんは少し考える素振りを見せたものの離婚届けに名前を書いてくれた。
ああ!
これで私は雅弘さんと結婚ができる!
私はあの人と幸せになれる!
あのとき、私はたしかに愛というものを実感していたはずなのだ。