もう遅いと言ってももう遅い
「もう! 遅い!」
「そんなこと言われても……。」
「あんたとはパーティー解消よ!」
「え……。」
長年連れ添ってきた相棒からパーティーを解消すると言われた。
僕も頭にきて、それを受け入れてしまった。
しかし彼女は知らないようだ。
実は僕が彼女に強化魔法をかけてあげていたことを。
戻ってきてと言われてももう遅い。
と、思ったのだが……。
あれ以来彼女から連絡はない。
ちょっと気になって僕は彼女の様子を見に行く。
いつものギルドでは彼女と別の男が……。
「あの……。」
僕が声をかけると、彼女は振り向いた。
そして開口一番にこう言った。
「もう遅いわよ。」
「え?」
「あんたの代わりはすでに見つけてたんだから。」
僕はショックを受けた。
あのときパーティーを抜けなければよかった。
しかし、今更後悔してももう遅い。