第47.5話 ピュロスの勝利って何?
※ 本編にはあまり関係ないですので、興味がある方のみお読みください。
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第48弾です。
今回のテーマは、ピュロスの勝利って何?です。
第48話に出てきたピュロスの勝利についての説明です。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「ピュロスの勝利って何?」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
第48話で出てきた話やな。横文字はようわからん。どんな意味なん?
大田勇介
ピュロスの勝利とは、割りの合わない勝利のこと。古代ギリシアに実在したピュロスという王様のエピソードから生まれた言葉やね。
ヨシロー
どんなエピソードなん?
マタスケ
ピュロスは当時のギリシア本土の北西に位置するエピロスの王様で、あのアレクサンドロス大王の親戚にあたる(大王の母后の実家がエピロス)。彼はアレクサンドロス大王に憧れて、彼と同じように偉大な軍事的成功を収めようと燃え、当時はギリシア人の世界やった南イタリアからの援軍要請に応え、西に向かった。だが、相手が悪かった。
ヨシロー
ん?相手は誰なん!?
マタスケ
当時は無名の新興国・ローマや。後に世界帝国となる、あのローマやったんよ。指揮官として有能なピュロスは何度も勝利するんやけど、その度に多くの兵を失ってしまう。何度負けてもローマはめげずに向かって来るし、遠征軍のピュロス軍は兵の補充が難しいから、どんどん兵数が痩せ細っていく。ピュロスは各地を転戦したあげく、最終的にローマ軍に破れて本国に逃げ帰った。当初は約4万いたピュロス軍はわずか数千しか帰れなかった。
ヨシロー
勝ってたのに報われんかったっちゅーことか。
マタスケ
そう。常に勝ってたのに、得るものはない。ピュロスが陥ったそういう状況から「ピュロスの勝利」という言葉が生まれ、割りに合わない勝利を意味するようになった。
ヨシロー
なるほどな。第48話の信長も、そんな感じやな。最後は占領地を全部捨ててたし。で、「ピュロスの勝利」か。
マタスケ
信長は美濃の征服を狙ってるんやけど、まっすぐ敵の本拠・稲葉山城を目指しても、大小の河川がジャマでたどり着くのが難しい。敵に勝っても占領地を維持できないから、結局振り出しに戻る感じになってしまう。
ヨシロー
美濃だけに、身の細るばっかりやってことやな!
マタスケ
ハハハ・・・。これから信長がどう打開していくか、見ものやな。
ナレーション
お後がよろしいようで。