第41.5話 【桶狭間】信長軍の作戦ってどんなん?
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第42弾です。
今回のテーマは、【桶狭間】信長軍の作戦ってどんなん?です。
今川軍を迎え撃った信長の作戦について取り上げました。
ぜひご一読ください。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「【桶狭間】信長軍の作戦ってどんなん?」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
今回は信長目線やな。どうなん?
大田勇介
通説(一般的に多く主張されてる説)も含め、次の3つをあげた。
①持久戦に持ち込み、今川軍の撤退を目標とする。
②今川軍を野戦で破り、「勝利」した印象を周囲に見せつける。
③今川本軍を狙って攻撃し、あわよくば今川義元を討ち取る。
ヨシロー
①は違うやろ?第41話の最後で出撃してたし。
マタスケ
まぁ、清洲城に籠城するんじゃなくって、鳴海・大高周辺の味方の砦を活用し、にらみ合いに持ち込むって作戦も考えられる。けど、それやったら、丸根・鷲津が攻撃されてから出撃ってのは遅すぎる。だから、①は確実に違うやろな。
ヨシロー
そういや、通説ってどれなん?
マタスケ
③がそれやな。圧倒的多数の敵に対し、信長は最初っから今川義元の本隊しか狙わなかった。たくさんの味方の犠牲を払いつつ、懸命な情報収集の結果、義元本隊を発見、ついに義元をも討ち取ったというものやな。
ヨシロー
信長らしい勝負師の作戦やな。
マタスケ
せやけど、今作ではこの説を取らない。
ヨシロー
何でや!?
マタスケ
面白いし小説向きの説やねんけど、『信長公記』には今川本軍や義元を狙って攻撃する話が出てけーへんねん。攻撃かける時も、「あいつらは丸根・鷲津で戦った後で疲れてるヤツらや!こっちはフレッシュやから、絶対勝てる!!」みたいに言ってるだけで、相手は今川本軍やとは一言も言ってないし。
ヨシロー
あぁ、今作は『信長公記』準拠?やっけ?それでか。
マタスケ
それに、相手の本隊だけを狙って攻撃するなんて、話としてはオモロイけど、現実的やないしな。
ヨシロー
そうなん?
マタスケ
うん。今川軍の方が数が多いんやし、周りの敵部隊に邪魔されて、本隊を直撃できるなんて、普通は考えられへんやろ。信長は大胆な機動をしばしば見せるけど、何より現実主義者やから、実現可能性が低い作戦を取らんやろというのが、筆者の考えや。
ヨシロー
じゃあ、②ってことやな。実際、どういう作戦やったって考えてるんや!?
マタスケ
実際は、鳴海・大高周辺の砦をエサとし、今川軍が食いついたところを信長本軍で攻撃し、いくらかの勝利を得るという作戦だったと考える。今川軍の一部を野戦で撃破し、勝利をあげたと宣伝できる状況に持ち込めば、それで十分成功だった。
ヨシロー
何で最初から鳴海とか大高の辺りでおらんかったん?
マタスケ
最初から信長本軍が最前線におったら、そっちに向いて今川軍が押し寄せる。そうなると、泥沼の消耗戦になってしまう。だから、先に今川軍に織田の砦を攻撃させ、弱ったところを本軍が叩くという作戦やったと。
ヨシロー
なるほどな。それやと、砦に入ってる兵隊は見捨てるってこと?
マタスケ
いや、最悪のケースとして覚悟はしてたかも知れんけど、それを前提にはしてなかったはず。貴重な戦力やしな。それにたぶん、信長は自分が到着するまで半日くらいやし、簡単に砦が落ちるとは考えてなかったと思う。5つの砦に数百人ずつ、合わせて2千人くらいは配置してたから。これは信長全軍の半分近くにあたる人数や。
ヨシロー
すると、味方の砦が耐えてる間に信長が駆けつけ、一緒になって戦うつもりやったってことやな?
マタスケ
たぶんな。ただ、実際は砦を攻めた今川軍が思ったより多くて強かったから、丸根・鷲津の砦が落ちてしまった。けど、結果的に激戦で今川軍が消耗したから、狙った効果は得られた。だから、信長は切り替えて野戦を挑んだ。刻々と状況が変わる中で、すぐに修正がきく作戦やったと言えるやろな。もちろん、信長の決断力もスゴかったわけやけども。
ヨシロー
そうやって勝っても、今川軍の一部だけやろ?それやったら、まだ戦いは終わらんかったんちゃうん?
マタスケ
今川軍は三河国の支配に不安を抱えてるから、長期戦は不利になる。今川軍の一部だけでも勝つことができたら、戦争じたいも有利に終わらせられる可能性は十分にある。
ヨシロー
そしたら、今川義元はたまたま戦死した、運が悪かったってことか。
マタスケ
うん。ボクシングに例えたら、信長は強烈なパンチをここぞのタイミングで当ててポイントを取り、判定勝ちに持ち込むつもりやったのに、思いがけずKOしちゃったみたいな。
ヨシロー
マジでラッキーパンチやな。
ナレーション
お後がよろしいようで。




