第34.5話 戦国の同性愛
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第35弾です。
今回のテーマは、戦国の同性愛です。
今作にもよく登場する同性愛について取り上げました。
当時の雰囲気について理解するため、ぜひご一読ください。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「戦国の同性愛」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
今回はエラいディープな話題来たなぁ。
大田勇介
今作でもちょくちょく同性愛のケースが出てきたから、ここらで整理しようと思ってな。
ヨシロー
第35話では信長の弟の信成が、同性愛の相手可愛がり過ぎて裏切られたって話やったな。そう言えば、前も信長の兄貴が似たような話で殺されてなかったっけ?
マタスケ
ヨシローが言う通り、第31話で信長の異母兄・信時が同性愛の相手・坂井孫平次を可愛がるあまり、重臣の角田新五に愛想をつかされて攻め殺されてたな。
ヨシロー
こういう話って、当時は結構あったん?
マタスケ
うん。女性同士の同性愛は記録が乏しいから何とも言えんけど、男性同士の同性愛は珍しくなかった。
ヨシロー
今よりかなりオープンやったってこと?
マタスケ
そうやね。ただ、大多数はバイセクシャル(両性愛者)で、女性のかわりに同性を対象にしてたりして、同性愛がメインの趣向じゃなかったりする。
ヨシロー
どういうこと?
マタスケ
例えば、お坊さんは女人禁制の場で生活してるから、対象と言えば男性しかいない。また、武将は戦場に女性は連れていけないから、男性を対象としたとか。もっとも、武士が台頭する以前から同性愛の風習はあったから、必ずしも戦場うんぬんは主な理由ではないのかもしれん。この辺は専門家やないから、何とも言えんな。
ヨシロー
有名人も結構いてたんか?
マタスケ
かなり多いよ。信長もそうやし、武田信玄や上杉謙信もそう。戦国の有名人でそういう性向がなかったんは、豊臣秀吉だけやったとも言われてる。
ヨシロー
えっ、信長とか信玄も?
マタスケ
有名な森蘭丸は信長の同性愛の対象やったとされてる。信長の小姓(側仕え)は親衛隊兼秘書的な存在やったんやけど、同性愛の対象でもあった。信玄なんてもっと赤裸々な話があって、小姓宛の誓約書が残ってるほどや。
ヨシロー
誓約書!?
マタスケ
乱暴に意訳すると、他の男に浮気した疑い持たれてるけど、俺の心はお前のものや!そんなことは神に誓ってない!!的な意味やな。
ヨシロー
数百年後まで、そんなもん晒されるのもたまらんなぁ・・・!
マタスケ
少数派である、狭い意味での同性愛者に上杉謙信がいる。彼は生涯独身で、子供がいなかった。彼が独身を貫き子供をもうけなかった理由について、毘沙門天の信仰のためとか、政治的な理由だとか、中には謙信が女性だったからやという珍説まであるけど、単に生まれつき女性に愛情を持てなかったと考えれば、一番しっくりくる。ま、真相は不明やけどな。
ヨシロー
そんな一般的なことやったのに、何で現代では変わってしもたんやろ?
マタスケ
一番大きかったのは、明治以降に西洋文化が入ってきた影響やろうな。明治維新以降、ヨーロッパの文化がもてはやされて、それまでの日本の風習の多くが良くないものとされるようになっていく。同性愛もそのひとつやった。
ヨシロー
ヨーロッパが関係してたってこと?
マタスケ
キリスト教では男女間の愛以外は不自然なものって考え方やからね。法律で全面禁止まではされんかってんけど、社会全体に「同性愛=良くないもの」みたいな風潮が広がった。
ヨシロー
それが今も続いてるわけか。
マタスケ
せやね。だから、現代の感覚で見ると、戦国時代の風俗はずいぶん変わって見える。ただ、そういう視点を外さないと、当時のことを正しく理解できないことになる。
ヨシロー
歴史を見ていくってのは、結構難しいんやな。
マタスケ
いかに先入観を持たずにいられるかが重要やからね。実際にやろうとしたら、すごく難しいことやけども。
ヨシロー
今作が少しでもその助けになればいいな!
マタスケ
俺たちのコーナーもな!!
ナレーション
お後がよろしいようで。




