第14.5話 戦争に略奪・放火はつきもの?
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第15弾です。
今回のテーマは、戦争に略奪・放火はつきもの?です。
戦国時代の戦禍について簡単に書いています。
お知りになりたい方は、ご一読ください。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「戦争に略奪・放火はつきもの?」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
第15話で敵の城の周辺に放火したり、農作物を刈り取った話がサラッと出てたな。
大田勇介
うん。『信長公記』だけでなく、当時の文献には戦争にからむ略奪・放火の記事が普通に出てくる。ひどい場合は、「青田刈り」って言って、まだ熟していない農作物を刈り取る戦術もあった。
ヨシロー
そんなん、嫌がらせ以外の何もんでもないやん!!戦いは戦場でするもんとちゃうんか?
マタスケ
残念やけど、戦争っていうものは軍隊同士のぶつかり合いだけがすべてやない。相手に勝つために、卑怯と言われようが相手が嫌がることをやらなアカン場合があるんや。
ヨシロー
けど、戦いに関係ない人間巻き込んだら、そいつらの生活エライことになるやろ!?
マタスケ
そうや。直接殺されるだけやなくて、家や食べ物奪われて餓死や凍死した人も大勢いたやろな。極端な話、歴史ってのは勝者や強者側の記録によることが多いから、正確な死者数とかは分からんけど。
ヨシロー
ひどい話やな。弱者はやられっぱなしやがな!!
マタスケ
ところが、必ずしもそうではなかった。
ヨシロー
ん!?どういうことや?
マタスケ
第4.5話で村単位で団結して自衛してたって話をしたやろ?小領主の軍隊くらいなら撃退できたやろうし、大名とか強い相手の場合は「禁制」をもらうって方法もあった。
ヨシロー
きんぜい?
マタスケ
自分たちの安全を保障してもらうために、金を積んで「制札」っていう、その村を襲ったらダメって書いた立札をもらうこと。
ヨシロー
立札なんてもらって、何の意味があんねん?
マタスケ
大ありやって!!もし制札を無視して略奪なんてしようものなら、そいつの首は冗談抜きで飛ばされた。大名の顔を潰したことになるからな。そういうとき、メンツを守るために大名は厳しく出なアカンかったんや。武力で権力を握っている以上、大名に限らず武士は舐められたら終わりなんよ。
ヨシロー
それはわかったけど・・・何で村単位でもらう必要があるん?
マタスケ
制札もらうには、1人では集められない大金が必要になるから。でも、大勢で出し合ったら集められるやろ?だから、こういうときも村とかの単位で動く方が有利やったんや。
ヨシロー
弱者もまとまったら、決して弱くないってことやな。せやけど・・・大金巻き上げて安全保障してやるって、何か大名のイメージ崩れるわ〜まるでマフィアやん!!
マタスケ
まぁ、生の武士なんてそんなもんや。室町時代からは文化的な雰囲気をまとった武士も増えてくるけど、基本は武闘派の連中やしな。武士道なんて江戸時代以降の話やし、戦乱の時代の武士はそんな行儀のいい存在じゃない。
ヨシロー
村単位で「みかじめ料」納めてやり過ごす以外に手はなかったんか?
マタスケ
似たような手段やけど、「半手」というものがあった。
ヨシロー
はんてってのは何や?
マタスケ
例えば、2つの勢力の境い目にある村の場合、年貢を半分ずつ両方の勢力に納め、両方から安全を保障してもらうことがあった。このやり方を半手って言った。要は、「両属」の関係になったってわけやな。
ヨシロー
それって、村は得するけど、半分しか年貢入ってけぇへん大名は損するんちゃうん?
マタスケ
案外そうでもないねん。独占できるくらい片方が圧倒的に強かったら別やけど、そんなに力が変わらん場合、支配しにかかったら戦いになるかも知れん。そうなったら勝ったとしても金がかかるし、死傷者も出る。勝てるかわからん戦いに訴えるより、半分こする方が得なケースもあるってこっちゃ。
ヨシロー
なかなかキワドイ駆け引きやってんな!
マタスケ
だから、必ずしも「農民=弱者」とばかりは言い切れん。弱い者は弱いなりに、何とかしたたかに生き抜こうとしてた。さっき紹介した方法以外にも、色んなやり方を編み出して、たくましく生きていた人は大勢いたやろうな。
ヨシロー
戦国時代は庶民もたくましくないと生き残れんかったんやな。
マタスケ
他にも近くで戦闘があったら、戦死者の鎧とか武器なんかを剥ぎとって売り飛ばしたり、落ち武者を捕まえて身代金を取ったり、討ち取って身につけてたものを剥ぎとったりもしてた。
ヨシロー
うわぁ・・・戦国時代はヤクザもんだらけやん!!
マタスケ
そういう時代やったって言ったらそれまでやけど。ま、その点戦国時代より平和ボケしてる現代人なんて、役不足としか言いようがないわな。
ナレーション
お後がよろしいようで。
戦争はいつの時代も悲惨なものです。
巻き込まれた弱者が財産や命を奪われる悲劇は現代でもなくなりません。
現代の日本は平和ですが、いつどんな形で我々が戦争に巻き込まれるとも限りません。
そんな悲しい未来が訪れないことを、筆者は願ってやみません。




