第59.5話 岐阜〜京都を2日で走破ってすごいん?
※ 本編にはあまり関係ないですので、興味がある方のみお読みください。
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第60弾です。
今回のテーマは、岐阜〜京都を2日で走破ってすごいん?です。
第60話で出てきた信長の強行軍についての考察です。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「岐阜〜京都を2日で走破ってすごいん?」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
めっちゃ大変そうに書いてたけど、実際どうなん?
大田勇介
まずは距離について見てみよか。岐阜から京都までは約120kmくらいある。比較として・・・現代の100マイル(約160km)レースでは、トップランナーは2日足らずで走り切る。不眠不休で行けば、岐阜〜京都間は1日で走破できると思われる。
ヨシロー
あれ?2日かかるって、たいしたことなくない!?
マタスケ
いやいや、レーサーが可能な限り身を軽くするのに対して、信長らは鎧とか身につけてる。当然馬に乗ってても、スピードは落ちる。それに、当時の道は今ほど整備されてないし、このときの道中は大雪に見舞われてた。
ヨシロー
そう聞くと、同じようなスピードでは難しいんか。けど、実際信長は早かったん?
マタスケ
早かったと思うよ。当時の軍隊の1日あたりの行軍速度は平均30km、強行軍の場合では4,50kmと言われてるから、岐阜〜京都間は通常時3日、強行軍で2日かかる。
ヨシロー
ん?それやったら、2日で着くって平均くらいやん?
マタスケ
いやいや、大雪という悪条件を忘れたらアカン。積雪量によって変化するけど、雪道では通常より1.5〜2倍の時間がかかるとされてる。とすると、通常の行軍やと4〜6日、強行軍でも3〜4日かかるはず。そこを2日で走破してるんやから、尋常じゃない。
ヨシロー
そう考えると、やっぱすごいんやな。
マタスケ
このときは凍死者まで出たらしいから、相当メチャクチャな行軍したんやろな。
ヨシロー
信長ってホンマ命知らずやな。死人出してまで雪の中飛び出していくのはヤバイわ。けど、何でそんなことしたんやろな?
マタスケ
もちろん、自分が立てた将軍を助けるためやけど、性分やろな。足利義昭がやられても、極論を言えばどうにかなる。他にも足利一族はいるんやし、その中の誰かをかつぎ出して将軍に仕立て上げることはできるはずや。結局、信長はそんな損得勘定なんか吹き飛んでしまうくらい、走り出したら止まらんのやろ。
ヨシロー
ホンマ極端やな。
マタスケ
それが魅力でもあるよな。頭の良さと無鉄砲さが同居する、そんなアンバランスさがね。で、力技で運命を切り開いてしまう。「冬来たらば春遠からじ」というけど、彼の場合は自分自身で雪という冬の象徴を退け、我が世の春を招き入れた。英傑と言われる人は、どこか人並み外れてるよな。
ナレーション
お後がよろしいようで。