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副団長の部屋に入る。
「…………」
寝息が聞こえる。どうやら副団長は寝ているようだ。
まぁ、それもそうか。今は夜中だし、普通は寝てるか。
「……」
ベッドで寝ている副団長の元へ近付き、首を切った。シーツに血が広がる。
思わず眉をひそめる。
あっけない。
「………」
副団長はもう死んだ。後は団長だけだ。
彼奴は寝てるか起きてるか、どっちなんだろう。
起きてたら良いのに。
扉を開けて、騎士団長の部屋に入る。
「……」
彼奴は窓の外を見ている。……私に背中を向けて、立っている。起きていたようだ。
そっと、彼奴に近付く。
「……!」
背後から彼奴の背中を刺した。
「がぁぁあ!」
彼奴は大きな声をあげて腕を振り、振り向いた。
その時には私はしゃがみ、足払いをかけて彼奴を転ばした。
「んなっ!」
そしてすぐに腕を掴み、手のひらにナイフを刺した。
「ぐぁぁ!」
相手が何かする前にナイフを引き抜き、首に押し当てた。
「ってめえ……!」
目の前の男は私を睨んだ。
「っ……」
ぞくぞくと高揚感を覚える。ふっと笑みが零れる。私は男を見て嗤った。
「やめっ……」
首を切った。目の前の男は目を見開いて私を見ている。
「ふふ、あはは。残念だったね?恨むなら自分たちを恨んでよ。お父さんとお母さんの仇だ!」
男をナイフで刺す。
「死ね」
刺す
「死ね」
刺す
「死ね、死ね」
何度も刺す。
「死ね死ね死ね死ね死ねぇ!」
男の身体にナイフを叩き込んだ。
「はぁ、はぁ……はぁ……」
ナイフから手を離して立ち上がる。
「………」
床には騎士団長の死体が転がっている。
「、……」
どたばたと外が騒がしくなる。きっとどちらかの死体、もしくは両方の死体を見つけたのだろう。
「ふふふ、ははは……」
笑いが込み上げる。
「はは、あははははははは!」
私は大きな声で笑った。
「お父さん!お母さん!私、私やったよ!彼奴らを殺せた!」
天に向かって喋る。お父さんとお母さんに届くように。
「仇をとったよ!私偉い?偉いよねぇ!」
扉が開き、入ってきた団員に取り押さえられる。
「褒めて?ねぇ褒めてよぉ、あははははは!」
私は気絶させられるまで、笑い続けた。嬉しかったから。彼奴らを殺せたのなら、後はどうなっても良かった。殺されようが。私は仇を打てたんだから。