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敵討ちをした少女の話  作者: 透明
4/5

4

副団長の部屋に入る。

「…………」

寝息が聞こえる。どうやら副団長は寝ているようだ。

まぁ、それもそうか。今は夜中だし、普通は寝てるか。

「……」

ベッドで寝ている副団長の元へ近付き、首を切った。シーツに血が広がる。

思わず眉をひそめる。


あっけない。

「………」

副団長はもう死んだ。後は団長だけだ。

彼奴は寝てるか起きてるか、どっちなんだろう。


起きてたら良いのに。






扉を開けて、騎士団長の部屋に入る。

「……」

彼奴は窓の外を見ている。……私に背中を向けて、立っている。起きていたようだ。

そっと、彼奴に近付く。

「……!」

背後から彼奴の背中を刺した。

「がぁぁあ!」

彼奴は大きな声をあげて腕を振り、振り向いた。

その時には私はしゃがみ、足払いをかけて彼奴を転ばした。

「んなっ!」

そしてすぐに腕を掴み、手のひらにナイフを刺した。

「ぐぁぁ!」

相手が何かする前にナイフを引き抜き、首に押し当てた。

「ってめえ……!」

目の前の男は私を睨んだ。

「っ……」

ぞくぞくと高揚感を覚える。ふっと笑みが零れる。私は男を見て嗤った。

「やめっ……」

首を切った。目の前の男は目を見開いて私を見ている。


「ふふ、あはは。残念だったね?恨むなら自分たちを恨んでよ。お父さんとお母さんの仇だ!」

男をナイフで刺す。

「死ね」

刺す

「死ね」

刺す

「死ね、死ね」

何度も刺す。

「死ね死ね死ね死ね死ねぇ!」

男の身体にナイフを叩き込んだ。

「はぁ、はぁ……はぁ……」

ナイフから手を離して立ち上がる。

「………」

床には騎士団長の死体が転がっている。

「、……」

どたばたと外が騒がしくなる。きっとどちらかの死体、もしくは両方の死体を見つけたのだろう。


「ふふふ、ははは……」

笑いが込み上げる。

「はは、あははははははは!」

私は大きな声で笑った。

「お父さん!お母さん!私、私やったよ!彼奴らを殺せた!」

天に向かって喋る。お父さんとお母さんに届くように。

「仇をとったよ!私偉い?偉いよねぇ!」

扉が開き、入ってきた団員に取り押さえられる。

「褒めて?ねぇ褒めてよぉ、あははははは!」


私は気絶させられるまで、笑い続けた。嬉しかったから。彼奴らを殺せたのなら、後はどうなっても良かった。殺されようが。私は仇を打てたんだから。

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